2018年のGDP速報値の前期比▲0.3%、年率換算▲1.2%をどうみるべきか?

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    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

     

     今日は「2018年のGDP速報値の前期比▲0.3%、年率換算▲1.2%をどうみるべきか?」と題して論説します。

     

     内閣府が先月11/14に発表した2018年の第三四半期(7月〜9月)のGDP速報値は、物価変動を除いた実質で前期比▲0.3%、▲1.2%と2四半期ぶりのマイナス成長となりました。

     

     この原因は、相次いだ自然災害の影響で個人消費が振るわず、輸出も振るわなかったためとし、さらには西日本豪雨、台風21号、台風24号、北海道胆振地震など、全国で相次いだ自然災害で個人消費が伸びず、工場の操業・物流への影響で輸出も落ち込んだとしています。

     

     私が保有している株式銘柄の中にも、今年の自然災害で稼働率が一時的に低下したことを原因として業績を下方修正した銘柄もありました。

     

     皆さんは、年率換算▲1.2%と聞いてどう思うでしょうか?「2四半期ぶりなのだから、たまにはそういうことがあってもいいのでは?」と思われる方がいるかもしれません。もし、経済のマイナス成長が続けば、日本人は裸で生活しなければならないような超貧乏国家になります。経済成長率のマイナスというのは、そのくらい大変なことであるという認識をすべきであることが1つ目。

     

     2つ目は、「自然災害が多発し、輸出が落ち込んだから仕方がないのでは?」と思われる方がいるかもしれません。日本経済新聞では、次の四半期でプラスになるから問題ないなどと報じています。これは少し自然災害があったくらいで経済成長がマイナスになってしまうくらい、日本経済の足腰は弱いと考えるべきです。

     

     よく日本経済はファンダメンタルズがしっかりしており・・・と言われることがあります。

     

     ファンダメンタルズとは基礎体力とういことなのですが、確かに今年は自然災害が多発しましたが、東京都や愛知県といった大都市圏では災害はありませんでした。

     

     輸出が増えたとかもありそうですが、ちょっと台風が来たくらいで年率換算で▲1.2%と、これはGDP500兆円とした場合に5兆円〜6兆円のマイナスというわけで、いわば皆さんの給料が1%減少したことを意味します。

     

     皆さんの給料が1%減少していなければ、その分他の人の給料が2%とか3%とか減少しているわけで、その人たちが消費者となった場合、給料が減っているために買う量を減らしたり、安売りしないと買ってくれないということになり、給料が減らなかった人にも大きな影響があるわけです。

     

     それでも「いや!うちは海外事業が順調なので・・・!」という人も、米中貿易戦争やイギリスEU離脱など、世界はスロートレード(貿易の伸び率が経済成長の伸び率を下回る状態)です。中国を封じ込めるために貿易量を減らして自国で供給力を強化する方向に向かってます。

     

     結局ファンダメンタルズの尺度というのは、言葉だけで何も中身はありません。ちょっと大きめの自然災害が多発したくらいで、経済成長がマイナスになってしまうくらい日本経済はダメなんだということを、私たちは認識する必要があるのです。

     

     この状況であれば、普通は「消費増税は無理!」となるべきなのですが、これで「無理だな!」という感覚が出ない場合は、相当ヤバイことになります。

     

     本来であればこの程度の自然災害で左右されてはいけないくらいの体力がなければなりません。なぜならば中国のGDP成長率の6%〜7%というのは横に置き、世界の経済成長率は3%〜4%が当たり前です。

     

     3%〜4%が当たり前だとするならば、2018年第3四半期の年率換算▲1.2%というのは、▲4%〜▲5%もマイナスしなければ、マイナス成長になりません。そのくらい途轍もないマイナスということであり、普通は台風や輸出が落ち込んだという理由で▲1.2%マイナスするということはあり得ません。

     

     第3四半期の年率換算▲1.2%とは、とんでもなく体力がないということを意味しているのであり、消費増税はあり得ません。その議論が日本国内で全く出てこないですし、新聞でも一言も書かれていないという状況、これが本当にヤバイと思うのです。

     

     今回のGDPでは、輸出▲1.8%、個人消費▲1.1%、企業投資▲0.2%、公共投資▲1.9%、住宅投資△0.6%となっていますが、特にGDP500兆円とした場合で6割を占める個人消費は300兆円として▲1.1%は、実額で3.3兆円のマイナスとなります。

     

     今年は災害がたくさんあったかもしれませんが、来年は今年より少ないとは言い切れないのが、自然災害大国の日本です。

     

     またインバウンドは輸出に該当しますが、災害で海外からの来訪者が減ったとか、買い物の量が減ったとか、2019年の世界経済は、米中貿易戦争もあって減速基調を強める見通しといわれています。

     

     どこの新聞、ネット記事、国際経済に関する議論をみても、これから世界経済は下振れするといわれています。

     

     こうした状況で下振れする中でも経済成長率をプラスにしようとするのであれば、内需が勢いよく成長しているという状況を作らなければダメであるということは理解できるのではないでしょうか?なぜならば、2019年度はマイナス成長する環境ですといっているようなものだからです。

     

     にもかかわらず、内需を冷やす消費増税を実施するというのは、自殺願望そのもの。日本は自殺願望がないということを想定すると、願望もないのに自殺しようと消費増税するのは狂っているとしか言いようがありません。

     

     日本人の給料を増やして、消費を増やして、それで企業も国内投資をしていくということを継続的にできるようにしなければ、デフレ脱却はできません。

     

     そもそも外需がこれから冷え込むというのに、戦々恐々とする状況というのは誠におかしなことであって、外需は本来はボーナスみたいなものです。基本は国内需要だけで3%程度の経済成長していれば、外需が冷え込んで▲1%〜▲2%となってもプラスです。外需が好調のときは△1%〜△2%となって、全体は△4%〜△5%なるような需給を目指すべきです。

     

     

     というわけで今日は「2018年のGDP速報値の前期比▲0.3%、年率換算▲1.2%をどうみるべきか?」と題して論説しました。

     外需依存は発展途上国化です。ついでに外交上のカードを持たれます。国内需要で国民の需要を国内で供給しうる力をたくさん持っている国が先進国です。

     GDPがマイナスとなっても何とも思わないくらいの平和ボケ。このままでは間違いなく日本は中国に飲み込まれていくことになるでしょう。

     そうならないようにするためには、一般人を含め、多くの日本人が経済について知見を高める必要があるものと、私は思うのです。


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