内部留保に課税をかけるのは私的財産権の侵害だからダメです!

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     今日は「内部留保に課税をかけるのは私的財産権の侵害だからダメです!」と題して論説します。

     

     企業の利益剰余金、即ち内部留保は第二次安倍政権が誕生して以降、企業の内部留保が着実に増加を続けている旨のニュースを紹介します。

     

    『朝日新聞 2018/09/04 企業の内部留保、6年連続で最大 446兆円、設備投資は低調

     日本企業の2017年度の「内部留保」が6年連続で過去最高を更新した。世界的な景気回復で企業の利益も過去最高水準だが、設備投資や賃上げに慎重な姿勢が続いているからだ。アベノミクスがめざす経済の好循環には至っていない。

     財務省が3日に公表した法人企業統計では、17年度の企業(金融業、保険業を除く)の利益剰余金、いわゆる「内部留保」は前年度比9・9%増の446兆4844億円。第2次安倍政権が発足する前の11年度末から約164兆円増えた。

     背景にあるのは、利益の割に低調な設備投資と賃上げだ。企業の経常利益は前年度比11・4%増の83兆5543億円。比較可能な1960年度以降で最大となったが、国内の設備投資額は同5・8%増の45兆4475億円にとどまる。

     設備投資は今回、リーマン・ショック直前の07年度の水準を上回ったものの、利益の伸びに比べると、力強さに欠ける。厚生労働省の調査では、17年度の実質賃金指数も前年より0・2%減少している。

     この日、同時に発表された18年4〜6月期の国内設備投資額は、半導体関連が好調で前年同期比12・8%増の10兆6613億円と、足元では高い伸びを示している。ただ、みずほ総合研究所の大野晴香氏は「企業の手元資金に対する設備投資の水準は、過去に比べるとだいぶ低い。国内市場の成熟で、収益が増えても、企業が自信を持って投資できる案件は限られている」と指摘している。(笠井哲也)』

     

     上記の記事の通り、2017年度で利益剰余金が446兆4,844億円に達したとのこと。第2次安倍政権が誕生する2011年度末から約164兆円増加と報じられています。

     

     なぜ企業が内部留保を貯め込むのか?これは「デフレだから!」という理由に他なりません。デフレ環境では、モノ・サービスを値下げしないと売れないという環境ですので、投資しても儲かりにくい環境であるためです。いうまでもなく、内部留保を貯め込もうとする企業が、銀行借り入れまでして投資しようとも思うわけがなく、それが金利低下の主因であるともいえます。

     

     一方で、給料は0.6%程度の上昇。この上昇率をはるかに上回る増税で家計からの支出は増え、可処分所得は減少を続けました。労働分配率は7年ほど前は70%台だったのですが、アベノミクス後は60%台に落ち込みました。

     

     こうしたニュースが出ると、「内部留保に課税すればいい!」ということをいう人がいるのですが、私は内部留保への課税には大反対です。内部留保の課税は、私有財産の保有を認めないというコンセプトと同じです。これは共産主義と同じです。

     

     消費増税しなくても、446兆円もある内部留保に1%課税すれば4.5兆円近く税収が増えるというのは、確かに数字上ではそうなります。

     

     とはいえ、そもそも労働分配率が下がり、企業が稼いだ所得から人件費に回る割合が減少して、内部留保(企業の現預金)がひたすら増え続け、実質賃金はマイナスという状況が、現在の日本です。この状況は、誰が優遇されているのか?といえば、外国人を含めた株主が優遇された結果です。

     

    <上場企業の配当金と当期純利益の推移(1960年〜2016年)>

    (出典:財務総合政策研究所のサイトから引用)

     

     1990年〜2001年頃まで5兆円前後で推移していましたが、2002年から上昇をはじめ、2006年には15兆円を超えました。その後2010年頃まで10兆円に減少しましたが、その後また上昇に転じ、2014年にはグラフでみると15兆円を超えています。

     内部留保も増えていますが、配当金の増え方も異常な伸び率です。新聞記事では内部留保が増えていることだけを取り上げていますが、配当金の増え方の異常さも報道してもよいのでは?と思います。

     

     私の価値観として、賃金を抑制して配当を増やすというのは、賛同できる価値観ではありません。賃金を増やして配当金を増やすならまだ認めますが、賃金を抑制してその分を配当で還元するというのは、目先のお金だけを着目した価値観だと思うからです。

     

     とはいえ、安倍政権の政策は、そのベクトルで動いているといわざるを得ないでしょう。だからこそ、経団連の「外国人労働者受入」というロビー活動にも甘んじています。外国人労働者受入は、人件費を引き下げて利益を出しやすい環境になるからです。

     

     安倍政権の政策のベクトルが間違っているとしたとして、外国人労働者の受入はどんな理由があっても反対です。かといって内部留446兆円に対して課税することについても私は反対の立場です。内部留保に課税するというのは、一見シンプルでわかりやすいという意見もあるかと思いますが、私有財産権の侵害であり、日本は共産主義国ではないから、絶対にやってはいけないことと思うのです。

     

     

     というわけで今日は「内部留保に課税をかけるのは私的財産権の侵害だからダメです!」と題して論説しました。

     本来安倍政権がすべき政策とは何か?それは、企業が内部留保を取り崩してでも投資ができるような環境を作ることです。即ちデフレ脱却ということになります。デフレは、モノ・サービスを値下げしないと売れにくい環境ですので、内部留保を取り崩すことはおろか、銀行借入すらしようと思う企業も少なくなります。マイナス金利を導入せざるを得ないくらい長期金利がずっと右肩下がりとなっていることは、その証左です。

     銀行借入してまでも内部留保をすべて取り崩してでも投資がガンガンできるようにしやすい環境を作ること、それには日本政府による「政府支出増」でしか成し得ません。「政府支出増」によって他の民間ビジネスの需要がキャンセルされるというマンデルフレミングモデルについても、「国債増刷」のパッケージであれば、その指摘に及ばず、デフレ脱却を果たすことができるものと私は思います。

     

    〜関連記事〜

    マンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を振りかざすエコノミストらへの反論


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