消費増税8%引き上げ時よりも消費増税10%引き上げの方が影響が小さいというのは本当か?

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     今日は「消費増税8%引き上げ時よりも消費増税10%引き上げの方が影響が小さいというのは本当か?」と題して論説します。

     

     下記は時事通信の記事を紹介します。

    『時事通信 2018/10/14-13:07 「景気に大きな影響ない」=10%への消費税増税で−黒田日銀総裁

     【ヌサドゥア(インドネシア)時事】黒田東彦日銀総裁は14日、安倍晋三首相が予定通り来年10月に実施する意向を固めた消費税率10%への引き上げに関し、「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」との認識を示した。訪問先のインドネシアのバリ島で開かれた討論会で発言した。

     黒田総裁は、消費税率が一律に5%から8%へ引き上げられた前回の増税時と異なり、食料品などを8%に据え置く軽率が適用されると説明。10%への税率引き上げによる負担増は「前回引き上げ時に比べ約3分の1から4分の1」にとどまるとの試算を紹介し、「(景気への影響は)極めて小さい」と述べた。』

     

     上記記事の通り、日銀の黒田総裁が消費増税10%の負担増による日本経済への影響は極めて小さいと述べられました。

     

     この記事自体も、2019年10月の消費増税10%が、あたかも決まったかのような印象操作の疑義が濃厚な記事ですが、それに加えて、日銀の黒田総裁が日本経済への影響が小さいと述べたことについては、極めて遺憾と言わざるを得ません。

     

     安倍総理が「消費税を上げる」と意思を決めたということはありません。リーマンショック級の事件が発生しない限り増税するということを菅官房長官も述べられていますし、内閣の方針であるといえます。

     

     重要なのは、もし消費増税10%にして何の問題も発生しないのであれば、リーマンショック級の金融危機が発生しようとしなかろうと消費増税すればいいということです。

     

     ところが、リーマンショック級の事件の発生というのは、ものすごい幅があります。どのくらいのショックがあれば消費増税をしないことになるのでしょうか?

     

     増税することによって経済的破壊インパクトが大きいということであれば延期する可能性は高くなるかもしれませんが、時事通信の記事の通り、黒田総裁は4年前の2014年4月の消費増税8%引き上げ時よりも、影響は小さいと述べられています。

     

     この発言は、明らかに間違っていると私は考えます。その理由を3つ指摘させていただきます。

     

     一つ目は、デフレ状況で消費増税をすれば、経済への破壊力は極めて大きいということ。そしてそれは過去も実証されてきたことです。

     

     二つ目は、タイミングの問題です。2019年の秋でオリンピック需要が終わるというタイミングです。しかも米中貿易戦争や欧州の経済失速で、外需は間違いなく冷え込み、スロートレード(世界貿易の伸び率が経済成長率を下回る状態)が加速する可能性があります。その上、働き方改革で5兆円〜8兆円の所得が減るといわれています。こうした需要消失・需要削減の要因が、全部2019年度に訪れるというタイミングであるということ。

     

     三つ目は、内閣官房参与で京都大学の教授の藤井聡先生が指摘しているのですが、心理的なインパクトです。10%という税金は計算しやすいのです。皆さんにお考えいただきたいのですが、例えば1万円の物を買うとなれば、消費税は1000円です。1000円となればレストランに行って食事ができます。500円ランチならば2食分行けたりもします。

     税率が8%の場合、1000円の消費税がかかるとか、1200円の消費税がかかるとか、買い物をしていても瞬時にわかりません。定価8,500円の8%といっても、すぐに税金が計算できる人は少ないと思いますが、定価8,500円の10%となれば、消費税は850円とわかりやすいのです。

     何がいいたいかと言えば、心理的なインパクトが大きいということです。

     

    <藤井聡内閣官房参与が指摘する消費増税10%の心理的なインパクト>

    (出典:藤井聡先生のフェイスブックより引用)

     

     2019年10月の消費増税の税率UPが2%だったとして、2014年4月の消費増税の税率UPは3%でした。

     確かに今回の税率UP幅は前回の3分の2ですが、トータル10%増税にした場合、8%増税時よりも消費減退効果は1.4倍もの消費縮小をもたらすと、藤井聡氏は指摘しています。

     

     以上3つの理由を述べましたが、日本経済が破壊されることはほぼ間違いありません。未だ日本はデフレを脱却できておらず、タイミングも最悪であり、増税後の10%という数値も心理的インパクトも大きいため、日本経済への影響は極めて大きいといわざるを得ないのです。

     

     消費増税8%で日本人の多くが貧困化しました。経済学では実質賃金という指標で、物価の上下を加味した賃金の推移を評価することがあります。例えば購買力が500万円(年収が500万円)だったとして、物価が高くなれば500万円分のモノ・サービスを買うことはできません。

     

     もし消費税を2%引き上げた場合、強制的に物価が2%引き上がることとなり、実質賃金は2%下がるということになります。

     

     仮に500万円の賃金をもらっているとしても、消費増税2%によって実質的には10万円の所得が下がることになります。したがって給料が据え置きの場合は、着実に10万円お金を失うということになるのです。

     

     しかも増税することでお金を使わなくなるため、給料をもらっている会社の売上は確実に下がるため、給料の額面も下がる可能性があります。

     

     1998年の消費増税5%、2014年の消費増税8%、どんどん貧困化が進み、デフレスパイラルで130万もの所得を日本人は失っています。給料額面が下がり、実質的な消費も下がるということは、消費増税が日本人を効率的に貧困化させるともいえるでしょう。

     

     

     

     というわけで今日は「消費増税8%引き上げ時よりも消費増税10%引き上げの方が影響が小さいというのは本当か?」と題して論説させていただきました。

     

    〜関連記事〜

    なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?

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