過去5年間で日本の国土は強靭化されていなかったという事実

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     今日は「過去5年間で日本の国土は強靭化されていなかったという事実」と題して国土強靭化について述べたいと思います。

     

    1.リーマンショック以前の水準にすら及ばない公共事業費の安倍政権

    2.国土強靭化基本計画改定案のポイント

    3.まんべんなく国土全体を使っていくことこそ、自然災害大国日本における国土強靭化の真の意味

     

     上記の順に論説し、国土強靭化のためには躊躇なく予算を付けて対応することのほか、災害大国日本においては、国土全体をまんべんなく使っていくことが必要であり、そのためには地方の高速鉄道・高速道路網の整備が必要である旨を論じたいと思います。

     

     

     

    1.リーマンショック以前の水準にすら及ばない公共事業費の安倍政権

     

     国土強靭化という語彙が出てきたのは、2013年に発足した第二次安倍政権発足後、アベノミクス第二の矢で出てきたものです。安倍政権は、2013年度こそ、国土強靭化で公共事業を増やしたため、名目GDPで△1.9%、税収で△6.9%増収させました。

     

     ところが2014年度以降、消費を削減する消費増税8%の他、公共事業を増やさなくなり、補正予算を減らすなどして緊縮財政を推進してきました。

     

    <1997年以降の公共事業費の推移>

    (出典:財務省の予算資料、国交省の予算資料、内閣府のホームページなど)

     

     2016年度は、補正予算で公共事業費が増えていますが、それでも本予算と補正予算を合わせた合計値では、リーマンショック以前の水準以下に留まっています。

     

     過去安倍政権の下では、国土が強靭化されていなかったということが分かったと受け止めるべきです。

     

     日本は災害大国です。特に今年は大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、台風24号、北海道胆振地震、さらには地震で北海道全域が電力でブラックアウト。さらには国際線が入航する関西国際空港、千歳国際空港の2空港が完全閉鎖になりました。

     

     日本の国土が強靭化されていないのは、それだけではありません。全国のいろんな場所で、橋やトンネルのメンテナンスに十分な予算を付けないため、通行止めになっているところがあちこちで発生しているのです。

     

    <2014年から始めた道路橋一斉点検で、2016年3月までに終えた点検結果>

     

    <通行止めとなった橋>

     

     

    2.国土強靭化基本計画改定案のポイント

     

     国土強靭化基本計画改定案のポイントは、北海道地震で発生したブラックアウトに備え、火力発電、太陽光発電などの発電の多様化と地域内での発電設備の分散化推進を明記しています。

     

     北海道のブラックアウトは、事実だけいえば泊原子力発電所さえ稼働していれば、北海道全域停電は発生しなかった可能性が極めて高かったであろうといえます。

     

     もちろん泊原発を動かさなくてもブラックアウトを回避できた方法は他にもあったと思いますが、少なくとも泊原発が稼働していれば、発電の分散化ができていたということになり、ブラックアウトは発生しなかったのです。

     

     同じように原子力発電所が動いていない他のエリアも同様です。南海トラフ地震が発生したとき、多くの原子力発電所が稼働していない状態では、北海道と同じように特定の火力発電所による集中発電の状態になっています。もし集中発電の状態の火力発電所が止まってしまえば、同じようにブラックアウトの危機が発生します。

     

     今、原子力発電所が止まっているという状況において、日本の電力システムは極めて脆弱であるといえます。

     

     電力システムをどうするのか?ということは、電力強靭化の基本方針になるわけですが、原子力発電行政の問題として、8万年〜9万年に1回起きる起きないというシビア事故の議論をしています。

     30年以内に南海トラフ地震、首都直下型地震が70%の確率で発生するという話と、原発のシビア事故で8万年〜9万年に1回という話というように、いわば国土強靭化行政と原子力行政を別々に議論しているのです。

     そのため、原子力行政で原子力発電所は稼働できないということを前提に、国土強靭化計画を策定するしかないというのが今の状況です。

     

     国土強靭化では防災行政という言葉も出ていて防災省創設という議論もあるようです。防災省を創設するまでせずとも、防災行政は、耐震強化、津波・高潮対策など、国土強靭化行政そのものです。

     

     しかしながら国土強靭化という場合、耐震強化、津波・高潮対策といった防災だけでなく、マクロで考えれば「東京一極集中の是正」や「高速鉄道・高速道路網整備を中心とした地方創生」というのも国土強靭化に資します。東京都で首都直下型地震が発生しても、地方の都市の人々が東京都の人々を助けることができるようになるという点で、「東京一極集中の是正」や「高速鉄道・高速道路網整備を中心とした地方創生」は必須であると思います。

     

     何しろ日本という国家の機能の中心が、日本列島の30%〜40%近くも東京圏に集中しています。ここで首都直下型地震が発生したり、高潮が発生するとなれば、大勢の人々が命を落とし、日本が崩壊してしまうからです。

     

     

    3.まんべんなく国土全体を使っていくことこそ、自然災害大国日本における国土強靭化の真の意味

     

     電力の話に戻しますが、原子力発電所を含めた電力が一極集中している自体、国土の利用の脆弱化をもたらしているのが、今の日本です。

     

     日本海側の国土を含めた原子力発電所の再稼働を含め、まんべんなく国土全体を使っていくことこそ、自然災害大国日本における国土強靭化の真の意味であるといえます。

     

     したがって、そうした議論抜きの議論であれば、それは防災です。永遠に国土強靭化を成し遂げることはできないでしょう。

     

     だから「国土全体をまんべんなく使うために分散しましょう!」という議論が完全に隠蔽されて議論が進んでいると思うのです。

     

     国土全体をまんべんなく使うとなれば、地方に新幹線を作るしかないですし、高速道路を作る必要も出てきます。

     

     一極集中緩和税制などやっても、しょせんマイナーな政策であって本道ではありません。

     

     かつて田中角栄は列島改造論を唱え高速鉄道・高速道路網の整備を進めてまいりました。国土全体をまんべんなく使うというのは、まさに国土の分散化であり、それは地方におけるインフラ投資であって、それ以外に他の策はありません。

     

     それが隠蔽されている限り、国土強靭化基本方針をどれだけ立派なものを改定案として策定しても、うまくいかないのでは?と私は考えます。

     

     

     というわけで今日は「過去5年間で日本の国土は強靭化されていなかったという事実」と題して論説しました。

     アベノミクス第二の矢で産声を上げた「国土強靭化」という言葉ですが、第2次安倍政権が2013年に誕生して以降、残念ながら日本の国土は強靭化されませんでした。災害大国オンパレード国の日本にとっては、防災は大事ですが、そもそもそれ以上に国土構造を分散化させる必要があるものと思うのです。

     諸外国のフランスのパリ、ドイツのベルリン、イギリスのロンドンのように、東京への集中を20%以内に抑えておくような国土構造にしておくこと以外に、物理的に首都直下型地震の被害を抑制する方法は存在しません。

     だから分散が重要であり、地方に新幹線を作る、高速道路を作る、地方の都市開発をすることが重要です。そうすれば地方でも仕事が十分にできて東京に引けを取らず快適に生活ができるようになり、東京に住んでいる人が地方でもビジネスができるということで分散して住むことができるようになります。こうしたことを推し進めていくためには、お金を使うことを嫌う財務省職員の意識改革が必要で、プライマリーバランス黒字化は間違っていると認識していただき、改めてもらう必要があるものと私は思います。


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