社会通念化している財政破綻論

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    JUGEMテーマ:年金/財政

     

     

    安倍政権の内閣官房参与の浜田宏一エール大学教授が中日新聞のインタービューに答えました。

     

    浜田宏一教授「金融緩和が徐々に効かなくなってきた。財政支出の助けが必要です。」

     

     浜田宏一教授は、クリストファーシムズ理論を最近になって読み、考えが以前と変わったとされる人物です。今まで浜田教授は、金融緩和をやればデフレ脱却は可能であると思っていたわけですが、シムズ論文を読み、4年前思っていたことは誤りであり、財政出動が必要である!と考えを翻したのです。私は言論人に対して厳しい批判をすることはありますが、人格否定はしません。今まで間違っていても正しく翻っていただけるのであれば、普通に称賛いたします。

     

     クリストファーシムズは、2011年のノーベル経済学賞受賞者で、財政拡大をコミットメントすれば将来インフレになると期待して、インフレになるという理論です。

     

     日本国民の場合、日銀も認めていますが、将来こうなるからこうしようという合理的な判断をすることはありません。我々は「過去〇〇だったから、将来も〇〇になる。今デフレだから将来もデフレになる。」そう思っていないでしょうか?浜田教授はいわゆるリフレ派でして、岩田規久男日銀副総裁と同様に、人は「将来〇〇になるだろうから、今〇〇する!」というフォワードルッキングな予想形成(合理的期待形成)をするというお考えをお持ちでした。その証拠に、2013年に安倍政権が誕生して、物価目標2%を公約に金融緩和、即ちアベノミクス第一の矢を放ちました。

     

     金融緩和政策自体、デフレ脱却のために必要であり、私は否定しませんが、フォワードルッキングな予想形成で人が動くというのは否定します。

     例えば「国債発行で財政出動しても、将来増税をして回収されることはなくなる。だからお金を使う。」などと経済合理的に考え方をする人は、ほとんどいないと思われます。個人がお金を使い始めるとすれば、「国債増刷」「財政出動」の結果、仕事が増え、値下げしなくても値上げして物・サービスが売れ、毎月もらえる所得が実質値で増え続けたとき(物価上昇以上に所得が増え続けたとき)です。「これまで実質賃金が安定的に上がってきた。ならばこれからも上がるだろうからお金を使おう!」と考える国民が間違いなく大多数ではないでしょうか?

     

     しかしながら、日銀の岩田副総裁は、フィッシャー方程式を持ち出し、次のように語っています。

     

    フィッシャー方程式:実質金利=名目金利−期待インフレ率

     

    上記の式の通り、期待インフレ率を高めれば、名目金利を操作しなくても実質金利は低下し、消費や投資を促すだろう!と。

     

    「期待インフレ率を高める→日銀が2%目標を達成するとコミットメントする→実質金利低下で消費設備投資増」

     

     そうすれば、名目金利−2%=実質金利となって、実質金利が低くなるから、家を買う人も増え、設備投資をする企業も増えるというのが岩田副総裁や浜田教授の論説でした。ところが、デフレで物・サービスを安くしないと儲かりにくい環境では、どれだけ金利が安かろうと設備投資をする企業が増えることはありません。つまり「将来〇〇だから、今〇〇する!」という判断はせず、過去〇〇だから将来も〇〇になる」という人が多いと思うのです。フォワードルッキングな予想形成で合理的な判断をするから金融政策をやればデフレ脱却するというのは、明らかに誤りであり、財政出動も同時に実施して実質賃金を増えるようになるまで、金融緩和と財政出動をパッケージにして継続すると主張するべきだったのです。

     

     浜田教授が、未だフォワードルッキングな予想形成を元に、財政出動すべきとする論説に、若干違和感がありますが、現在の日本にとっては至極全うなことをおっしゃっています。

     

    中日新聞のインタビュアー:「日本の財政は世界一の赤字を抱えています。」

    例の通り、間違った財政問題の指摘に対し、

    浜田教授:「財政を均衡させる考えにとらわれ過ぎだ!政府が潤っても国民が貧しいなら、どうしようもない。」

     

    私は浜田教授の回答に対し、まさに「その通り!よく言った!」と思うのです。

     

    中日新聞のインタビュアー:「政府が当面借金を返す気がないと、国民に思わせても本当に良いのですか?」

    中日新聞のインタビュアー:「歯止めのないインフレになってしまうのでは?」

    を財政破綻論者の究極の奥義「はいぱーいんふれーしょん」的な質問に対し、

    浜田教授:「長年デフレが続いている。そのような心配をする必要はない。」

     

    これまた「その通り!」と拍手喝采したい気持ちになる回答をされているのです。

     

    「財政を均衡させる考えにとらわれすぎだ!政府が潤っても国民が貧しいならどうしようもない。」

    「経済が成長していれば財政赤字が増えることは問題ではない」

    「長年デフレが続いている。歯止めのないインフレの心配をする必要がない」

    こうした浜田教授の論説は、一般の日本国民にとっては、「何言っているの?」的な人が多いのではないでしょうか?このことが日本のデフレ脱却を困難にしてしまっている原因であり、その原因を作っているのは真実を報道しないマスコミにあると私は思うのであります。

     

     蔓延している財政破綻論のウソ・デタラメをつぶす。目的は国益のためです。このブログを通じて言論活動を行い、少しでも真実を皆さんに知ってもらうべく、この活動を続けます。と同時に、内閣官房参与の浜田宏一エール大学教授が、従来の発言を誤りだったと素直に認め、考えを翻られて、正しい論説を中日新聞のインタビューアーにぶつけたことを称賛したいと思います。

     

     


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