サイバーダイン(証券コード:7779)と介護事業

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     今日は「サイバーダイン(証券コード:7779)と介護事業」と題して論説します。

     

     皆様には懺悔したいことがあります。先週は世界同時株安となり、杉っ子のポートフォリオも大きく値下がりしました。そして今週も月曜日は日経平均は大幅続落です。

     

     中でも特にサイバーダイン(証券コード:7779)については、何回か取り上げましたが、株価の推移が思わしくなく、杉っ子の保有するサイバーダイン株も50%超の含み損状態です。本ブログをみて、サイバーダインの株を購入された方は、ほとんど利益が出ていない状況です。損失補てんすることはできませんが、ご容赦いただきたく思います。

     

     サイバーダインの将来性について競合他社の登場などなど、いろんなことをいう人がいます。私が思いますに株価の推移が思わしくない最大の要因は黒字化のメドが付けられず、単年度黒字化の実現を何年も持ち越しているということでしょう。決算のたびに黒字化が遅れるというのが何回も続いた結果、多くのサイバーダイン株式の保有者が疑心暗鬼となり、株価が上昇しにくい状況にあるものと考えております。

     

     また財務省が介護費用の自己負担額引き上げを示唆したり、介護報酬を引き下げたりとする緊縮財政によって、介護業者が投資できる資金がねん出ができずにいて、その結果、実質(台数)の需要も名目(台数)の需要も伸び悩んでいるのでは?とも思っています。

     

     本来ならば日本は人口構造上、生産年齢人口の減少が顕著であるため、今この瞬間出生率が増加に転じたとしても最低20年は人手不足の状態が続きます。とはいえ、安倍政権が外国人労働者受入を活発化させていることは、サイバーダイン株にとっては逆風といえます。

     

     なぜならば、サイバーダインのパワーアシストスーツを買うくらいならば、人件費の安い外国人労働者の雇用を選択するという企業もあり得るからです。実際に介護の現場では、給与水準が低いことから日本人が就業せず、常に人手不足の状態になっています。

     

     下記の図 楚洵は、いずれも第一生命経済研究所のマクロ経済分析レポートからの引用です。

     

    <図 Р雜逎蹈椒奪箸陵用についてのアンケート>

    (出典:第一生命総合研究所のマクロ経済分析レポートから引用)

     

     

    <図◆Р雜逎蹈椒奪箸覆匹硫歛蝓μ簑蝓

     

    (出典:第一生命総合研究所のマクロ経済分析レポートから引用)

     

     

    <図:医療福祉の就業者数の需給ギャップの試算>

    (出典:第一生命総合研究所のマクロ経済分析レポートから引用)

     

     

     図´△蓮第一生命経済研究所が行ったアンケートで、全国の介護保険サービスを実施する事業所から無作為抽出した17,641事業所を対象にアンケート調査を実施した結果です。

     

     図,硫雜逎蹈椒奪箸良甬敕拗腓い離▲鵐院璽箸任蓮79%もの介護事業者が利用していないと回答し、利用しているのは、わずか6%に留まっていることがわかります。

     

     図△硫雜逎蹈椒奪箸覆匹硫歛蝓μ簑蠅箸いδ敢困任蓮◆崙各する予算がない」という回答が60%近くあり、「投資に見合うだけの予算がない」というのも30%弱の回答としてあります。それ以外では「清掃や消耗品管理などの維持管理が大変である」という回答もあります。要は資金が捻出できないということであって、こうした回答は、介護報酬を引き上げて、介護事業者が十分に利益が出るようになれば解決するのでは?と考えられます。

     

     また「誤作動の不安がある」「技術的に使いこなせるか心配である」「どのような介護ロボットがあるかわからない」「ケアに介護ロボットそれ自体を活用することに違和感を覚える」という辺りは、十分に介護ロボットが認識されていなかったり普及されていないことが要因であるとも思えます。十分に普及されないのは、介護報酬を引き上げないために儲からないから介護事業者が購入に躊躇するものと考えられます。

     

     産業別賃金では2017年度の厚生労働省の資料で、介護事業は年収250万円程度で最下位でした。本来は高齢化がより一層進むという環境であるため実需は多いのですが、介護報酬をもっと引き上げなければ、賃金UPの原資も、介護ロボットを購入するための投資資金も捻出できないというのが、介護業界の実態なのでは?と思います。

     

     図では、医療福祉の就業者数の需要と供給のギャップを試算しています。図では2025年に実際に必要な就業者数959万人に対して、148万人不足するとシミュレーションしています。図は2025年で止まっていますが、2026年以降もギャップは広がり続けるのでしょう。何しろ生産年齢人口の減少と高齢化によるギャップ拡大は、この瞬間出生率が増加に転じても20年間は拡大し続けるからです。

     

     因みに図について、「需要959万人>供給811万人」というのはインフレギャップ状態です。このインフレギャップ148万人分について、本来ならば介護ロボットを使って一人当たり生産性の向上によって148万人分の人手不足を埋めることができれば、経済成長できます。

     

     例えば、サイバーダインからパワーアシストスーツを購入するとなれば「介護事業者の支出=サイバーダインの生産=サイバーダインの所得」となります。介護ロボットを購入した事業者が、生産性の向上が図られれば、一人当たり従業員の生産性の向上となるため、賃金UPの原資を生み出せます。(サイバーダインのパワーアシストスーツはリース賃貸なのですが、話を分かりやすくするため購入したものとしています。)

     

     仮に、ある高齢者が介護サービスを100万円買うとしたらどうなるか?

     「高齢者の介護サービスの支出100万円(介護保険の支出90万円+自己負担額10万円)=介護事業者の生産100万円=介護事業者の所得100万円」です。

     

     同じ100万円のサービスを二人の高齢者が購入するとして、生産性向上により一人で二人分のサービスを供給した場合と、二人でサービスを供給した場合ではどうなるか?

     

    ●二人分の需要200万人に対して、一人で二人分のサービスを供給する

    介護サービスの支出二人分200万円(介護保険の支出180万円+自己負担額20万円)=一人当たりの生産額200万円=一人当たりの所得200万円

     

    ●二人分の需要200万円に対して、一人で一人分のサービスを各々が供給する

    介護サービスの支出二人分200万円(介護保険の支出180万円+自己負担額20万円)=一人当たりの生産額100万円×2人=一人当たりの所得100万円×2人

     

     上記のように一人で二人分のサービスを供給すれば、一人当たりの所得も2倍になるのです。一人当たり生産性の向上を目的にサイバーダインのパワーアシストスーツをリースで導入したとすれば、実際にはリース料が差し引かれます。そのため生産性の向上が図られたとしてもリース料が高ければ、所得は2倍増とはなりません。

     これを解決するためには、100万円というサービス料について、200万円にまで引き上げてかつ自己負担割合もサービス受給者の負担とならないよう1割に留めるとすれば、リース料を差し引いても十分に利益が出るでしょう。

     

     このとき介護事業就業者の賃金UPの原資が生み出されますので、賃金UPがしやすくなります。実際に賃金UPすれば、今度は介護事業就業者が消費者となったときに購買力が増えているので、消費が増えやすくなっていくことになるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「サイバーダイン(証券コード:7779)と介護事業」と題して論説しました。下方にサイバーダインの株価チャートと杉っ子の保有銘柄(2018/10/14時点)を掲載いたしますので、ぜひご参考にしてください。

     サイバーダインの株価が低迷しているのも緊縮財政が原因といえます。どんなに優れた技術を持っていても、儲かりにくい環境では企業は投資せず、内部留保を積み上げます。

     ユニクロを展開するファーストリテイリングや、ニトリといった会社は、単に人件費の安い国で工場を作り、安く作ったものを日本に輸入しているというビジネスモデルです。こういうビジネスモデルは、資金量の有無で成否が決まるということです。さらにダンピング販売であるため、同業他社が困るだけです。結果的に供給力の弱体化と賃金伸び悩みで消費が伸び悩むということになります。

     その点、サイバーダインは資金力で既存の他社を排除するというビジネスモデルで成長するのではなく、AIを使ったメカトロニクスによって、生産年齢人口の減少という環境を解決できる製品を市場に供給して、日本の経済成長に貢献すると考えています。だから私は株価が50%以上損していても保有を継続したいと思っています。

     

    <サイバーダインのチャート>

    (出典:ヤフーファイナンス)

     

     

    <杉っ子のポートフォリオ>

    (出典:楽天証券)


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