トランプ大統領のFRB批判と世界同時株安について

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     先週は、世界同時株安となりました。2018/10/10に株式市場が大幅に下落し、ニューヨークダウ平均株は830ドル以上も値を下げ、史上3番目の下落幅ということで取引を終了しました。その翌日の2018/10/11も前日比で545ドル以上値下がりして続落。

     2018/10/12は284ドル16セント値上がりしたものの、この3日間で1000ドルの値下がりです。

     

     米国株が下がった要因としては、「FRBの金利引き上げ」「米中貿易摩擦への警戒」「南欧イタリアの財政危機」などがあげられています。

     

     そしてトランプ大統領のFRB批判というニュースがありました。ロイター通信の記事を2つ紹介します。

     

    『ロイター通信 2018/10/12 00:21 トランプ米大統領、連日のFRB批判 利上げ「ばかげている」

     [ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、連邦準備理事会(FRB)の利上げは利払い負担を重くしているため「ばかげている」と一蹴、前日に続きFRBの政策を批判した。

     トランプ大統領はフォックス&フレンズとのインタビューで「FRBのせいで、高い金利を支払っている。FRBは大きな過ちを犯しており、これほどまでに積極的でないことを望む」と述べた。

     トランプ氏がFRBを重ねて批判する背景には連日の米株価急落がある。FRBの利上げ戦略が株安の一因となっており、特に安全資産とされる米国債の利回り上昇を招いていることが嫌気されている。

     国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は米CNBCに対し、FRBの利上げは「経済が健全であることの証しで、恐れるよりも歓迎すべきことだ」と強調。「大統領はFRBに政策を指南することはしていない。FRBは独立しており、やりたいようにやるだろう」と述べてトランプ氏の発言を補足した。

     トランプ氏はその後、パウエルFRB議長について、解任する意向はなく、単に失望しているだけだと発言した。

     

    『ロイター通信 2018/10/12 23:00 トランプ大統領は低金利を志向、FRBの独立性は尊重=米財務長官

     [ワシントン 12日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は12日、トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)を攻撃する必要性を感じておらず、FRBの独立性を尊重していると述べた。
     ムニューシン長官はCNBCとのインタビューで「大統領は低金利が好ましいとしている、大統領は、FRBが行き過ぎた利上げをして景気を減速させることを懸念している。そのような懸念は明らかに自然だ」と語った
     パウエルFRB議長について、良い仕事をしていると評価。トランプ大統領の発言はFRBに打撃を与えていないと述べた。
     また、米経済のファンダメンタルズは強固と主張し、市場は調整局面との認識を示した。利回り曲線は正常化しており、米国債への需要は依然旺盛と述べた。』

     

     

     上述の通り、FRBの利上げで米国の株価が下がり、トランプ大統領がFRBの利上げを批判しました。FRBが予想よりも早いペースで利上げをしていくため、ビジネスがしにくくなっていると述べています。

     

     なぜ利上げをするのか?利上げするのは景気がいいから利上げするということかもしれません。一方で世界的にスロートレードといわれ、貿易量が減少している状況にもあります。もちろん引き金を引いたトランプ大統領がしかける米中貿易摩擦もスロートレードにつながることはあるかもしれません。ある意味でブーメランともいえます。

     

     とはいえ、少し景気が良くなったからといってすぐ利上げをしてしまえば、経済成長を抑制してしまいます。アクセルを踏んでせっかく加速したのに、加速したと思ったらその直後にブレーキを踏むようなものに近い。景気の過熱抑制という目的であれば、もう少しインフレ率が高くなるまで待ってもよいのでは?という意味では、トランプ大統領の指摘はごもっともと思います。

     

     しかしながら私はトランプ大統領が、一貫してブレていないと思うことがありまして、それはアメリカンファーストです。

     

     FRBの利上げの批判についていえば、大統領就任後に1兆ドルのインフラ投資を表明し、関税を引き上げて米国国民の雇用と賃金を守り、自国での産業育成をするというのは、極めて米国の国益にかなう政策です。

     

     米中貿易摩擦は、中国がルールを守らないから。チャイナグローバリズムで覇権を取ろうとするから。具体的にはハイテク技術の獲得を目指そうとする中国に、安全保障面から対抗しようとして中国を封じようとすることが狙いでしょう。ハイテク技術以外に、遺伝子のヒトゲノムについても、情報をどう扱うか?2国間の覇権争いが苛酷になっているといえます。

     

     仮にもトランプ大統領がグローバリズムを是とするならば、輸出相手国に自由貿易を求めておきながら自国市場は関税や補助金や規制で保護し、投資相手国の土地や企業や技術を自由に買うことを求めておきながら、自国内では外国人の土地購入を認めず進出してきた外資には技術移転を強要するという中国の姿勢は、絶対に認められないでしょう。

     

     その他の通商政策では、NAFTAの見直しにしても、メキシコからの不法移民が米国国民の雇用と賃金から守るためのものですし、日米FTA(二国間協定)も、米国の製品をもっと日本に買ってもらおうとする話です。いずれも米国国民の雇用の創出、賃金UPにつながる政策です。

     

     上述の「FRBの金利引き上げ」「米中貿易摩擦への警戒」のほかにもう1つ米国株の下落の背景として「南欧イタリアの財政危機」を指摘する人がいます。

     

     欧州ではイタリアの財政の先行きに対する懸念が強まって売り注文が相次ぎ、欧州の株価も下落しました。2018/10/15までにイタリア政府が提出予定の2019年度予算案について、巨額の財政赤字を前提とした予算案になっているということで、モスコビシ委員長が向こう3か年の財政支出対GDP比率を-2.4%、-2.1%、-1.8%とする計画に対して、-2.4%、-2.1%を見直す旨を要請しました。ところがイタリア政府は、内容の見直しをしない方針を示しました。

     

     その方針をきっかけにイタリアの財政に対する懸念が強まって幅広い銘柄に売り注文が出て欧州の株価が下落。その日のニューヨーク市場でも取引後半には、その影響でさらにダウ平均が下がりました。

     

     南欧を中心に欧州諸国の財政危機が問題になっていますが、欧州の経済成長率は低迷しているわけで、その結果、税収が不足します。イタリアのようなことは、南欧諸国を中心に今後も同じ問題が表面化する可能性は十分にあり得ます。

     

     米国の株価は確かに高い水準で推移してきました。長い目で見れば、多少の下落もあっても地に足の着いた経済成長であれば、問題がありません。米国の政策はアメリカンファーストを徹底しており、他国の輸入に頼らないように自国で産業を育成することができるようになれば、たとえ中国の経済が崩壊したとしても、欧州諸国でリーマンショックのようなことが発生したとしても、株式市場を含めて米国経済への影響は限定的といえるでしょう。

     

     日本も米国に見習い、ジャパニーズファーストとなるような政策をやっていただきたい。それは内需主導の経済政策です。

     

     ところが実際は内需を縮小する消費増税をやるというのです。一部では消費増税の延期の声も出始めていますが、まだまだ少数派です。その一方でマスコミの報道は既成事実化する報道が相次いでおり、本当にこのまま消費増税をやるのか?と思うところもあります。

     

     私は消費増税そのものが反対です。先月の2018/09/21に日本自動車工業会で、豊田章男氏が平成31年の税制改正の要望書を出しました。その中で10%への消費増税による新車市場への影響について、「30万台程度の減少となり、経済効果は2兆円のマイナス、さらに雇用は9万人が減少する」との試算を示し、自工会としてネガティブな意思表示をしました。

     

     また国内自動車市場は消費増税引き上げのたびに市場規模が縮小し、次の引き上げで国内自動車市場がさらに縮小するだけでなく、厳しさを増す通商環境という新しい不安要素が加わり、このままだと自動車産業の空洞化・衰退の危機に晒されることになるだろうとの見通しを述べています。

     

     自工会は従来から消費税に賛成してきました。2013/09の段階では自工会では消費税が必要といっていました。そういう意味では自工会は明らかに今度の消費増税にネガティブになっているといえるでしょう。

     

     なぜか?といえば日米通商交渉とかかわっているのです。USTR(米国通商代表部)と話し合いの前の段階で、日本の消費税は米国にとっては関税と同じとみています。米国製品にも消費税はかかるからです。消費増税をすれば米国製品も売れにくくなります。このまま消費税を10%に増税するならば、米国としては日本の関税率10%への引き上げとみなし、対抗手段として日本の自動車と部品に25%の関税をかけると圧力をかけられているのです。

     

     日本の自動車業界としては25%の関税をかけられたら大変なこと。米国でいくら生産拠点を置いても、輸出が伸びやなむのは当然の帰結。そのためには日本政府が消費税は上げないと明確な意思表示をしておくことが対米通商政策でも交渉の妥協点を見い出しやすいということなのだと考えます。

     

     

     というわけで今日は「トランプ大統領のFRB批判と世界同時株安について」と題して論説しました。

     私が日本の株式市場に対して思うことは、「トランプ大統領が大統領を辞める」「日本の第二次補正予算の金額が2兆円〜3兆円程度としょぼい」「消費増税は安藤提言なしにそのまま10%増税する」の3つがすべて覆されなければ、株式への投資金額は減らしてキャッシュポジションを引き上げたほうがいいと考えています。上述3つがすべて該当した場合は株式市場からの資金の引き上げも検討すべきです。

     逆に「トランプ大統領が大統領のままで居続ける」「日本の第二次補正予算の金額が10兆円レベルとなる」「消費増税は凍結もしくは安藤提言を受け入れる」「2019年度にプライマリーバランス黒字化が外れる」となった場合、日本はオリンピック不況をはるかに吹き飛ばして好景気になるような気がしまして、地に足が付いた株価の上昇も期待でき、株式を継続保有して問題ないと思っています。


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