2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?

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     今日は「2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?」と題して論説します。

     

     下記は時事通信の記事です。

    『時事通信 2018/10/11 18:56 1次補正9400億円=災害復旧、学校に冷房−政府

     政府は11日、2018年度第1次補正予算案の総額について、約9400億円とする方針を固めた。相次ぐ自然災害からの復旧に加え、公立学校の冷房整備や危険なブロック塀の改修などの費用を盛り込む。15日にも臨時閣議で決定し、24日に召集する臨時国会での早期成立を目指す。
     1次補正予算案の大半は、西日本豪雨や大阪北部地震、台風21号、北海道地震からの復旧・復興関連費用。道路をはじめとするインフラの修復や観光振興、中小企業の資金繰り支援などが中心となる見通しだ。』

     

     上記記事の通り、西日本豪雨など今年の夏以降の自然災害の復旧費や公立小中学校の教室に冷房を設置するための関連費用を盛り込み、第一次補正予算として9,400億円を支出する見込みであることを報じています。

     

     この第一次補正予算の額9,400億円という数字が、どうやって出てきたのか?が私の関心事です。

     

     例えば西日本豪雨、大阪北部地震、台風21号、台風24号、最大震度7を観測した北海道北部地震など、災害の現場をチェックしてつぶさに調査した結果、9,400億円の予算が必要であるということであれば問題ありません。

     

     しかしながら今ある財源は予備費等、2018年度でまだ未執行の予算が9,400億円程度あるから、それを使いましょう!という発想ですと、間違いなく復興復旧のスピードは遅くなるに決まっています。

     

     京都では御所の木がたくさん倒れています。私は保険代理店で営業をしていますが、担当している企業において、企業向けの包括火災保険のご契約をしていただいているすべての企業が罹災しています。

     

     というより、西日本豪雨で西日本を中心に大被害が発生し、台風21号、台風24号で全国がやられ、震度7の北海道胆振地震で北海道がやられているというように、今年は日本のほとんどの地域で何らかの自然災害の被害が発生しているといえるでしょう。

     

     小さな現場であっても、そうした一つ一つをつぶさにチェックして、そのために必要な額を速やかに積み上げていくという方針で、政府には復興予算を立てていただきたいと思います。

     

     もちろん、これは一次補正予算であるため、出始めのスタートとも考えられます。災害復旧は一回の補正予算をやれば終わりというものではないため、被害を元通りにするのみならず、被害発生前以上の水準に戻してもらうくらいの対策をしていただきたいです。

     

     その例として毎日記事を紹介します。

    『毎日新聞 2018/10/13 17:45 地元自治体:関西空港「海底トンネル構想」推進へ

     関西国際空港と対岸を海底トンネルで結ぶ「第2のルート」整備計画が日の目を見るかもしれない。9月の台風の影響で連絡橋が破損し、利用客らが一時孤立。周辺自治体はこの事態を懸念し、30年以上前から整備を求めてきた。巨額の資金がネックで計画は動かなかったが、懸念が現実になり、リスク管理や関西経済への側面からも首長らは来月、国土交通省や総務省に構想推進を直談判する。

     海上に人工島を造成し1994年に開港した関空。計画段階では、対岸の大阪府泉佐野市、泉南市、田尻町が連絡橋の候補地だった。大阪府は「複数ルートの整備が必要」としつつも、大阪市中心部により近い泉佐野市と関空島北部をつなぐ「北ルート」が選ばれ、自動車と鉄道用の連絡橋が建設された。

     一方、候補地から外れた泉南市は、災害やテロ行為でアクセスが絶たれるリスクを回避すべきだとして、島南部と市を結ぶ「南ルート」整備を主張。86年から国や府などへの要望活動を始めた。

     2000年には府南部や和歌山県の市町とともに「関西国際空港連絡南ルート等早期実現期成会」を設立。現在は8市2町が参加、毎年関係省庁や国会議員に陳情しているが具体的な協議に入ったことはないという。

     南ルートが「検討課題」として宙に浮く中、先月4日の台風21号では連絡橋にタンカーが衝突し、道路と鉄道が通行止めとなった。利用客や職員ら約8000人が一時空港島内に閉じ込められ、自動車道の全面再開は、来年春の見通しだ。

     関空は07年に2本目のB滑走路が供用されて以降、格安航空会社(LCC)の需要が高まり、昨年度は過去最多となる約2880万人の旅客が利用した。期成会の事務局を務める泉南市の竹中勇人市長は「関空はインバウンド(訪日外国人)が増え続け、昔とは状況が異なる。世界的に注目される空港となった以上、今回のような事態は二度とあってはならない。南ルートの検討を直ちに始めるべきだ」と主張する。

     期成会は、強風の影響を受けないトンネルでの整備を念頭に置くが、少なくとも1000億円以上はかかるとみられ、実現へのハードルは極めて高い。

     国交省の担当者は「(施設を所有する)新関西国際空港会社は多額の負債を抱え、すぐに新ルート整備に着手するのは現実的ではない。まずは地元自治体で建設費の試算や需要予測など具体的な計画を立ててほしい」としている。』

     

    <関西国際空港連絡南ルートの海底トンネルのイメージ>

    (出典:泉南市の市役所のホームページから引用)

     

     

     上記の記事は、今年2018年9月5日の台風21号の被害で発生したタンカーと連絡橋の衝突事故によって関西国際空港が一時島に閉じ込められたということで、改めて泉南市をはじめとする地方自治体が、第2ルートである海底トンネル構想の実現の検討を始めるべきと論じているニュースです。

     

     これこそ、被害発生以前以上の水準にする関西空港の強靭化につながる政策といえるでしょう。

     

     公共事業に否定的でかつ財務省の緊縮財政の意向に忠実な毎日新聞らしく、「少なくても1,000億円以上かかるので、実現へのハードルは極めて高い」などと報じています。 毎日新聞の記事は、関西国際空港連絡南ルートの海底トンネル構想を報じたものの、資金がボトルネックになる懸念ということなのでしょう。

     

     ”1,000億円のハードルが極めて高い”とは、なぜでしょう?1,000億円ものお金をかけることが、あたかも無駄なように聞こえます。あたかも財源はどこ?とでも言いたいように聞こえます。

     

     確かに泉南市や大阪府といった地方自治体には通貨発行権はありません。国交省や総務相に直談判とありますので、国策で予算を付けてもらうなり、今回の災害の補正予算で予算を付けてもらうなり、地方交付税交付金を大幅に増やしてもらうなりといったことを、大阪府選出の国会議員や大阪府知事がやるべきことでしょう。

     

     いずれにしても補正予算は第一次で終わりません。2018年末には国土強靭化対策を中心とした第2次補正予算を組むとしています。

     

     ようやく日本も自然災害対策に本気で取り組むようになってきたということがわかるくらいの金額の補正予算をドーンとやっていただきたい。正直、一次補正予算の9,400億円では、景気浮揚策にもなりません。

     

     なぜならば、消費増税のマイナスインパクトは個人消費で8兆円マイナスといわれています。加えて働き方改革で残業代の減少による個人消費のマイナスが8兆円(大和総研調べ)。さらにオリンピック特需後の需要の落ち込みが数兆円と、20兆円近いデフレギャップが存在するといわれています。

     

     この20兆円近いデフレギャップを埋めるためには、しかも消費増税10%を敢行するとすれば、20兆円の政府支出をしない限り、ひどいデフレに突っ込むことになることでしょう。

     

     もちろん一次補正予算のみならず、二次補正予算だけで災害対策が終わるわけではありません。とはいえ、次の二次補正予算の金額で、国土強靭化の本気度の度合いが判明するかもしれません。

     

     例えば二次補正予算の額が、「2兆円〜3兆円で大幅に増やした。すごいでしょ!」みたいな程度であれば、国土強靭化の本気度はウソと断定せざるを得ません。

     

     2018/09/20に行われた自民党総裁選の翌日に閣議を行い、3年間で緊急のインフラチェック・点検を行うと表明しました。その結果、各地方でインフラ点検の作業を行い、補修に必要な費用を積み上げてチェックしたものを集計しています。

     

     この積上げ額は相当な額になるはずですが、積み上げた額に対して、実際に予算を付けるかどうかは別問題であるため、積上げ額に対してどれだけ予算が付くか?で、国土強靭化の本気度が決まります。

     

     今年12月中旬に閣議決定されますが、大体の予算の規模は11月頃に判明します。そこで11月中旬〜12月中旬にかけて財務省との駆け引きなどの調整が予想されるでしょう。

     

     財務省の緊縮財政の思考にハマり、2兆円〜3兆円程度で補正予算額が決定されるとなれば、災害対策を本気でやるというのは、ウソです。

     

     この場合、「安倍総理は国土強靭化を徹底的にやると言ったはずであるにも関わらず、2兆円〜3兆円程度とかその程度でよいのか?」という批判があってしかるべきであり、「政府として国土強靭化を改めて行うと言ったはずなのに、ウソではないか!」ということになります。

     

     だから各地方の現場では、被害に遭った箇所をしっかりとつぶさにチェックして報告していただき、政府はプライマリーバランス黒字化とか財政規律とか一切を無視して、本当に日本国民の安心を確保するためには何が必要なのか?という視点で予算を付けるという方針になるようにしていただきたいと思うのです。

     

     

     というわけで今日は「2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?」と題して論説しました。

     ぜひとも政府には建設国債を発行するなど、財源について躊躇せず国債増刷していただき、現場から積み上げられた費用に対して予算を付けていただきたい、日本国民の命を守るようにしていただきたいと考えます。

     人の命はお金には代えられません。防災対策は、時間をかけて少しずつやるというのではなく速やかに完了させれば、例えば10年かかるものを1年で終えれば、残り9年間は人の命が守られます。

     絶対にそうするべきだし、そのようにしていただきたいものと、私は思います。


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