オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省

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     今日は「オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省」と題して論説します。

     

     今年のノーベル賞で、本庶佑さんが分子「PD−1」の発見でノーベル医学生理学賞を受賞しました。「PD−1」という分子で、小野薬品工業のがん治療薬のオプジーボの開発につながりました。この科学的根拠がある治療を、健康保険適用することで安価な料金で治療が受けられるようになっているにもかかわらず、この「安価な料金」で治療を受けることが、医療財政に大きな負担と受け止める輩がいるようです。

     

     それは誰でしょうか?もちろん家計簿発想の財務省です。彼らは国家の財政運営を家計簿発想でとらえます。日本国民が暮らしやすいようにという経世済民の発想がなく、ただ「カネカネカネ」とやってひたすら国家にお金を貯め込むのが善いことで、支出は悪という発想を持っています。

     

     財務省が支出を善とするときとは、どういうときでしょうか?

     

     その典型的な例は、約20年間にわたって開発費を出し続けたフリーゲージトレインの投資総額500億円です。中長期的に支出を抑えることが可能であれば、研究開発費を惜しまないということがよくわかります。

     「中長期的に政府支出増を抑える」ことを目的とした場合、「中長期的に支出を減らす=中長期的に生産を減らす=中長期的に所得を減らす」でGDP3面等価の原則で、必ずそうなります。

     

     オプジーボの話に戻しますが、仮にがん患者にオプジーボを1か月間投与して100万円で完治したと仮定して、その費用の一部を政府支出で負担する場合と、全額自己負担する場合とでどうなるでしょうか?

     

    <イメージ図 費用の一部を社会保険負担した場合>

     

     

    <イメージ図◆費用の全額を患者が負担した場合>

     

     イメージ図,蓮高額療養費制度で8万円の自己負担として、残りを健康保険適用したイメージですが、イメージ図△牢擬圓100万円全額自己負担した場合のイメージです。

     

     マクロ経済のGDP3面等価の原則でいえば、必ず例外なく下記の式になります。

     

     生産面のGDP100万円=支出面のGDP100万円=分配面のGDP100万円

     

     

     

     イメージ図,肇ぅ瓠璽舷洵△琉磴い蓮費用の一部を政府支出としたか、費用の全額を患者負担としたか?の違いです。

     イメージ図,任い┐弌下記の通りです。

     

     生産面のGDP=製薬会社が薬を製造・生産するサービス100万円

     

     支出面のGDP=政府支出92万円+個人消費8万円

     

     分配面のGDP=製薬会社の所得100万円

     

     

     

     製薬会社の所得について、仮に労働者への分配率を40%、役員報酬への分配率60%とすれば、下記の通りとなります。

     

     分配面のGDP=給与所得40万円+役員報酬60万円

     

     

     労働分配率の問題は別にしても、製薬会社の売上高100万円は、個人消費であろうが税金で費用の大部分を補てんしようが変わりありません。

     オプジーボを全額自己負担にしなくても、自己負担割合を引き上げるとなれば、自己負担額に耐えられないお金が払えない患者は治療を受けることができなくなります。その負担額の引き上げ幅が大きくなればなるほど、治療を受けれなくなる患者が増えるというのは、誰でも理解できるのでは?と思います。

     

     そう考えたとき、緊縮財政を是として政府支出額を減らして自己負担割合を引き上げるという考え方と、経済成長で国民を豊かにするために政府支出額を増やして自己負担額を引き下げるという考え方でいえば、後者の方が国民が暮らしやすいに決まっているわけです。

     

     ところが財務省の人々の思考回路は、どうやら前者のようです。

    『産経新聞 2018/10/09 19:19 社会保障費抑制へ改革案 高額医薬品は保険の対象外 財務省が財政審に提示

     財務省は9日、「財政制度等審議会(財務相の諮問機関)」の分科会を開き、社会保障費の抑制に向けた改革案を示した。高額な医薬品については、費用対効果を勘案し公的保険の対象から外すことも検討するよう提案。75歳以上の後期高齢者が受診する際の自己負担割合を現行の原則1割から2割へ増やすことも改めて打ち出した。

     高齢化の進展で膨張する社会保障費を抑制する。今後も議論を進め、今年11月をめどに財政審がまとめる平成31年度予算編成の建議(意見書)に反映する。同時に、政府が年末まとめる歳出改革の工程表にも織り込みたい考えだ。

     医薬品は現在、新薬がほぼ自動的に保険適用される形となっている。ただ、がん免疫治療薬「オプジーボ」の当初価格のように高額になるケースも多く、医療財政の大きな負担となっている。財務省は費用対効果や財政影響など経済面も評価し、保険適用の可否を判断できる仕組みを導入すべきだとした。

     このほか財務省は、政府が利用を促す「かかりつけ医」に患者を誘導するため、「かかりつけ医」以外で受診した場合、追加で定額の負担を設けることを提案。日ごろから患者の状態をよく知っている「かかりつけ医」なら、無駄な診療をせず、医療費を抑制できる可能性がある。

     高齢者の負担増については現在70〜74歳の窓口負担が1割から2割に移行しているのに続き、75歳以上も2割とする。介護も自己負担を原則2割に高めるべきだとした。』

     

     

     上記産経新聞の記事の通り、財務省は「オプジーボ」の価格が高いことを問題視しています。研究開発費にどれだけのコストと時間がかかったか?製薬会社の投資費用を考えれば、高くても仕方がないと私は思います。

     製薬業界では1000億円売り上げる薬のことを、「ブロックバスター」と呼ぶようですが、この「ブロックバスター」を生み出すにしても、基礎研究で探した新薬候補が実際に発売できる確率は、2万〜3万分の1(0.02%〜0.03%)といわれ、期間も10年以上かかるといわれています。その中からブロックバスターとなれば、さらに確率は低くなります。

     

     薬価基準引き下げとなれば、患者の負担は確かに減りますが、製薬会社は儲けが少なくなります。儲けが少なくなれば、従業員への給料も増やせなくなりますし、新薬への投資費用を捻出できなくなってしまいます。

     

     いや「確率を高めるための努力をすれば、いいのでは?」という人がいたとして、「投資を効率よくすればいい!」という発想の人は、ぜひ株式市場で株価が1年後2倍になる銘柄を当て続けるということがいかに難しいかを想像してみてください。

     投資を効率よくするなどというのは、「言うは易いし行うは難し」です。新薬開発でも株式投資と同じで、確率を高めるよう効率化を図るなどというのは”寝言”としかいいようがありません。

     

     普通に薬価は維持し、政府支出増によってしかも財源を国債発行でやれば、普通に経済成長し、普通に製薬会社の従業員の賃金UPの原資となり、製薬会社以外の日本国民も最先端の治療を受けられるようになります。

     

     こうした発想は、「政府の借金=悪」という家計簿発想を国家の財政運営に持ち込むと出てこないでしょう。資本主義とは国家でも民間でもいいのですが、誰かが負債を増やさない限り、経済成長することはないのです。「借金=悪」という考え方は、経済成長の否定、資本主義の否定そのものです。

     

     

     というわけで、今日は「オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省」と題して論説しました。

     産経新聞の記事では、医療費負担削減で、高齢者の自己負担を引き上げ、介護費用まで1割→2割に引き上げるべきなどとしています。財務省は日本という国家を滅ぼす輩であることは間違いありません。

     財務省の人事給与制度について、増税を実現した人や緊縮財政を実現した人を評価して出世させるのではなく、GDPを増やした人が出世できるように改めることをしなければ、日本はこのままですと滅んでいくことでしょう。

     そうならないようにするためには、私たち日本国民が経済についての知見を高め、政治家などに声として訴え続けるしかないものと私は思います。

     

     

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    コメント
    初めてコメントいたします。最近の増税、社会保障費の増大、移民の増加、行き過ぎたpolitical correctness、野党を含めた政治の劣化など、生き物のような急速な社会の変容等を
    目のあたりにして、何か息苦しさを感じるこの頃です。いままで経済に関してよく三橋さんのブログを拝見しておりましたが、このたび、貴兄のブログを拝見する機会があり、増税しないで経生済民が可能であるという平易な解説で、眼から鱗が落ちるように、記事全般が納得でき大変参考となります。
    これからも是非平易な解説を頂ければ幸いです
    • SSST.
    • 2018/10/13 1:14 PM
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