自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え

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     今日は「自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え」と題して論説します。

     

     下記は産経新聞の記事です。

    『2018/10/03 19:32 コンビニ業界が全食品を軽減税率対象で調整 消費増税で イートインは「休憩施設」

     来年10月の消費税率引き上げと同時に導入される軽減税率をめぐって、コンビニエンスストア業界が、酒類を除き取り扱う飲食料品全てを、客が持ち帰り、税率が8%となる軽減税率の対象品とすることで、政府と調整に入っていることが3日、分かった。店内のイートインコーナーでの飲食を「外食」扱いとすれば税率は10%となるが、コンビニ業界は同コーナーを「休憩施設」と位置づけ、「飲食禁止」を明示することで、外食としてのサービス提供でないことを明確にする方針だ。

     コンビニ業界は既に、財務省などに対して、この方針を伝えている。関係者によれば、財務省や国税庁からも一定の理解を得ており、調整を経て、今後、国税庁のガイドラインなどで運用ルールの具体化を進めるとしている。ただ、外食産業からは、税率差が生じるため、反発が強まりそうだ。

     コンビニ大手は軽減税率に対応した新型レジシステムの導入を済ませている。だが、レジで客に購入する飲食料品について、「持ち帰りか、イートインで飲食するか」と、いちいち確認することは難しいとみている。コンビニは飲食料品だけでなく日用品など幅広い商品を扱い、レジでは短時間に大量の接客をこなさざるを得ないからだ。

     外食は「テーブルやイスなどの設備がある場所で飲食サービスを提供する」と定義される。コンビニ業界は、イートインを、飲食のサービスを提供するのではなく、単に休憩施設として場所を提供するものとして位置づける。

     購入した飲食料品がトレーに載せられて座席に運ばれたり、返却が必要な食器に盛られて提供されたりすると、外食と判断される。このため、そうしたサービスはできないようにして、全ての飲食料品を持ち帰りができる状態で販売するよう徹底する。コンビニ業界は、こうした施策で、取り扱う飲食料品は持ち帰りと定義でき、客がイートインで飲食したとしても税率は8%になるとみている。

     しかし、持ち帰りと店内飲食ができるファストフードなどの外食産業などからは、コンビニの対応に対して批判が強まる可能性がある。あるファストフードの首脳は「同じ昼食でも、外食は10%、コンビニ弁当は8%と、税率差が生じることは不公平だ」と警戒感を示している。(後略)』

     

     上記の記事の通りコンビニ業界が、2019年10月の消費増税に伴って導入される軽減税率で、コンビニで取り扱う飲食料品すべてについて、税率8%の軽減税率の対象品とするよう政府と調整しているとのことです。

     

     コンビニ業界として、かなり細かい点を工夫しているようにみえます。大手のコンビニは、軽減税率に対応した新型レジシステムを既に導入済みのようで、レジで購入する飲食料品について、テイクアウトか?イートインか?を都度確認するのは難しいとしています。

     

     当然、持ち帰りと店内飲食ができるファーストフード店などの外食産業からは、コンビニ業界の対応に対する批判が強まる可能性があるでしょう。

     

     とはいえ、こんなことになるのであれば消費税を上げるのを止めればいいのではないでしょうか?

     

     私は軽減税率を導入しても、運用上きれいに線引きすることが難しいと考えます。結果、軽減税率の対象に認めるか認めないか?が財務省の権限を強めるという見方もあるでしょう。

     

     新聞社は軽減税率が適用されるため、新聞各社は消費増税の反対をしなくなっているのでは?という疑義・批判があります。

     

     つい先日は自動車業界が自動車税の軽減という話もありましたが、消費増税ありきの議論でした。今回のコンビニ業界の軽減税率導入も、消費増税ありきの議論です。

     

     自動車業界でいえば消費増税しても自動車税を軽減させる、コンビニ業界の場合は飲食料品を他のファーストフード店よりも消費税を軽減させるといった具合に、消費増税しても自分たちの業界だけは助かりたいとする動きが顕著です。

     

     そもそも軽減税率を導入するということは、消費が冷え込むのを心配しているということです。消費増税をしても消費が落ち込むのは一時的という話は間違っているのでは?と疑問を持っていることと同じです。

     

     だったら消費増税を上げるのを止めればいい。

     

     京都選出の衆議院議員の安藤裕氏が安藤提言というものを安倍政権に提言しています。

     

     その中で、1取引当たり100万円以下は消費減税5%にし、住宅や自動車など個人が買う場合も消費税5%にするとしています。この安藤提言であれば、多くの業界で消費税の軽減税率の対象となることでしょう。

     

     私は安藤提言に賛成の立場なのですが、もし普通に消費増税が敢行され、コンビニ業界だけがうまく軽減税率を導入したとしても、多くの業界で消費増税となるため、消費が落ち込んでコンビニでも売り上げが落ち込むことでしょう。

     

     自分たちの業界だけが助かりたいと思っても、他の業界が不景気になってしまっては、結局自分たちの物・サービスを買ってもらう購買力が増えません。

     

     その点、安藤提言では、1取引当たり100万以下は消費税5%に減税し、しかも個人が購入する住宅や自動車も消費税5%と、軽減税率の対象を大幅に増やす内容で、これなら逆に消費を刺激して多くの業界で売り上げが伸びることになると考えられます。

     

     

     というわけで「自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え」と題して論説しました。

     新聞業界にしろ、コンビニ業界にしろ、軽減税率の導入をしたところで自分たちだけの売上が維持されると考えている時点で愚かなことです。

     もっとシンプルに考えるべきなのですが、何しろ消費税は「欧米のように高くなければならない」とか「社会保障費を維持するためには必要」とか「財政破綻しないためにも増税は必要」といった間違った論説が多く蔓延っているため、こうした動きにつながるのだと思います。

     沖縄県知事選挙で自民党が敗北したこともあり、消費増税やっても大丈夫なのか?といった声も出始めているともいわれています。今日は後半で安藤提言について触れましたが、消費増税をやるのであれば軽減税率を大幅に拡充し、財務省の意向を逆手に取った安藤提言をそのまま実行に移すことが、日本にとってデフレ脱却につながって税収増も期待できることにつながるでしょう。

     首相官邸のホームページに掲載されていますので、ぜひお時間のある方は安藤提言をご参照いただければと思います。

     

     

    〜関連記事〜

    なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?

    低年金者向けの消費増税対策について

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