日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

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     今日は「日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?」と題し、プライマリーバランス黒字化目標について論説します。

     

     プライマリーバランスとは何か?といえば、基礎的財政収支のことをいいます。

     

     では財政収支とは何でしょうか?一般政府(国・地方自治体・社会保障基金)において、歳入から歳出を差し引いたものです。その財政収支から、国債の利払い費用を除いたものを基礎的財政収支(=プライマリーバランス)と呼んでいます。

     

     プライマリーバランス黒字化とは、入ってくるお金から、出ていくお金と国債の利払い費用を差し引いた数値をプラスにするというものです。家計簿の発想でいえば、収入から支出を差し引き、住宅ローンや自動車のローンなどの利息を引いたものをプラスにすると考えれば理解ができるでしょう。

     

     家庭の家計簿ならまだしも、国家の財政運営においてプライマリーバランス黒字化目標は、本当に日本にとって必要なのでしょうか? 

     

     このプライマリーバランス黒字化目標が導入されたのは、竹中平蔵氏が経済財政政策担当大臣だった小泉純一郎政権のときです。竹中平蔵氏の「財政健全化のためには、プライマリーバランス黒字化が必要」という誤った考え方は、財務省に受け継がれ、デフレ脱却を困難にしている一つです。

     

     そもそも政府はプライマリーバランス黒字化する必要はありません。徴税権と通貨発行権という強力な権限を持つ日本政府は、国民経済を成長させ、国民を豊かにするためならば、プライマリーバランスが赤字だったとしても何ら問題はありません。

     

     基礎的財政収支を黒字にしよう赤字にしようとも、それが「国民が安全に、豊かに暮らすこと」が達成できればいいのです。なぜならば、日本政府は「国民が安全に、豊かに暮らすこと」を目的とした非営利組織であって、利益追求組織ではないからです。

     

     自民党の総裁選で争った安倍首相と石破茂氏とでは、プライマリーバランス黒字化について意見が異なっています。安倍政権は、2017年10月の衆議院議員選挙直後の2017年10月22日に日本テレビ番組において、「プライマリーバランスを無理やり黒字化して、アルゼンチンは次の年にデフォルトになった。経済を成長させ、投資すべきものはしっかりと投資しながら、財政健全化を図っていきたい」と述べました。

     

     つまり安倍首相は、無理やりプライマリーバランス黒字化をしてはいけないという意見を持っていると考えられます。一方で石破茂氏は、2017年6月27日のブルームバーグの記事によれば、「プライマリーバランス黒字化目標を変えたら終わりだ!」と述べていました。

     

     プライマリーバランス黒字化目標を撤廃したところで、何が終わるのでしょうか?日本が終わるといっているのでしょうか?

     

     プライマリーバランス黒字化目標を撤廃することこそ、デフレ脱却の一矢であることを、私たちは認識する必要があります。この世の中で、政府、企業、家計のすべてが黒字になることはできません。誰かが赤字にならない限り、黒字は生みだしません。仮にも政府がプライマリーバランス黒字化を無理やり続けた場合、企業や家計は赤字になり続けます。これは貧困化を意味します。企業や家計が赤字になれば、当然税収も減ります。

     

     即ちプライマリーバランス黒字化すべきと主張することは、日本国民に「貧しくなれ!財政は悪化しても構わない!」と主張していることに等しいのです。

     

     日本のプライマリーバランスが過去に黒字化したときがありました。下記のグラフをご覧ください。

     

    (出典:世界経済のネタ帳から引用)

     

     1985年〜1992年にかけて、日本のプライマリーバランスは黒字化しています。この時代はバブル期で、企業も家計も超絶黒字の絶好調だったため、税収が激増して景気対策も不要になりました。このようにプライマリーバランスが黒字になっているときに景気対策をすると、さらに景気が過熱化します。

     

     もし、財務省が本気でプライマリーバランスを黒字化したいと考えるのであれば、政府の財政支出を拡大させ、減税を繰り返して超好景気にすればいいだけの話です。

     

     財務省の官僚が本気でプライマリーバランス黒字化を目標に掲げるのであれば、日本経済に好景気をもたらすように財政支出増を認めるべきです。にもかかわらず、緊縮財政と政府支出削減を継続するならば、財務省の官僚はプライマリーバランス黒字化を望んでいないのでは?という結論にならざるを得ません。

     

     

     というわけで今日は「日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?」と題して論説しました。

     バブル期のときに黒字だったプライマリーバランスが、なぜ赤字を続けているか?といえばバブル崩壊という原因もあったでしょう。特に1997年の構造改革基本法制定以来、緊縮財政が始まった1998年から、赤字が継続していますが、金利も一環として下げ続けてきました。

     マイナス金利が続いているということは企業に資金需要がないということです。しかも政府も借金を増やそうとしていないわけですからなおさらです。企業が債務を増やしてまで投資をしようとしないデフレ期においては、政府が財政赤字を拡大して国内需要の創出に努めなければ、国民は貧困化していきます。誰かが支出を増やさない限り、誰かの所得も創出されないからです。

     GDPデフレーターで2%、コアコアCPIで2%が達成されるまで、プライマリーバランスの赤字幅を増やし続ければ、やがて景気が良くなってGDPが拡大して税収も増えていくことで、プライマリーバランスは黒字化するでしょう。

     そもそも資本主義とは、企業や政府の負債は増え続けながら経済成長するものです。企業も政府も家計も黒字になることはできません。プライマリーバランスを黒字化させるのであれば、政府支出増と減税が必要であることを多くの人々に気付いていただきたいと私は思います。


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