祝!財務省の罠を駆逐!国交省が北陸新幹線フリーゲージトレイン導入を断念!

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     今日は「祝!財務省の罠を駆逐!国交省が北陸新幹線フリーゲージトレイン導入を断念!」と題し、論説します。

     

     みなさんは、フリーゲージトレインというものを聞いたことがあるでしょうか?FGTとも略されるのですが、車輪の幅が広くなったり狭くなったりできる車両のことをフリーゲージトレインといいます。以前も「祝!JR九州、JR西日本の反対により、フリーゲージトレイン計画が崩壊!」ということで、長崎新幹線にフリーゲージトレインを導入しようとして計画が崩壊したことについて、大変喜ばしいこととして本ブログでも取り上げています。

     

     今回のニュースもまた、大変すばらしいことであり、公共事業費を削減を目論む財務省職員には猛省を促していただきたいと思うのです。(多分猛省しないでしょうね!プライマリーバランス黒字化目標が正しいという考えが根っこにある以上、考えを翻すことはないかもしれません。)

     

     下記は朝日新聞の記事です。

    『朝日新聞 2018/08/28 フリーゲージトレイン、北陸新幹線も断念 国交省が方針

     車輪の間の幅を変えて新幹線と在来線の両方を走れる新型車両フリーゲージトレイン(FGT)について、国土交通省は27日、北陸新幹線(東京―金沢―新大阪間)への導入を断念する方針を与党側に説明した。JR西日本から24日に導入断念の意向について報告を受けたという。

     FGTをめぐってはJR九州も九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)への導入をあきらめており、国内新幹線へのFGT導入計画はいずれも頓挫したことになる。

     27日にあった与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)で国交省が報告した。JR西の広報担当者は「耐久性とコストの問題。この二つの課題が解決していない中で導入は難しい」と説明している。一方、PTの座長を務める自民党の岸田文雄政調会長は会合終了後、「地元への説明など、しっかり丁寧な対応を国交省に求めた。その上でPTとしての結論を出す」と話した。(後略)』

     

     

     上記記事の通り、国交省側が新幹線と在来線を直通運転できるフリーゲージトレインについて、北陸新幹線への導入を断念する方針を与党側に説明しました。先ほども申し上げた通り、フリーゲージトレインというのは、左右のレール幅に合わせて車両の間隔を変えることができる特殊な台車の列車のことを指します。

     

     国交省がJR西日本から導入断念の意向を受けましたが、主な理由は下記の通り。

    ●車体の耐久性の検証に時間がかかる

    ●車両コストが高額になる

     

     記事によれば、自民党の岸田政調会長が今後住民と調整して正式に断念するか否かを決めると話したと報じています。

     

     読者の皆様は、このフリーゲージトレインについてどう思われるでしょうか?一見すると素晴らしいアイデアに見えます。なぜならば新幹線と普通の在来線の区間を行ったり来たりできるためです。新幹線の線路幅は1435个派現犁阿噺討个譟∈瀝萓の線路幅は1067个廼控阿噺討个譴討い泙后このことなる線路幅を、行ったり来たりできるのがフリーゲージトレインです。

     

     因みに、山形新幹線はミニ新幹線と呼ばれていますが、福島〜山形間の在来線の線路を標準軌に改軌して1435个砲靴燭發里任后山形新幹線が在来線を走っているというのは、そういうことなのです。余談で捕捉すると蔵王〜山形間は貨物列車が入線するため、下り線のみ三線軌道になっています。

     

     秋田新幹線も同様ミニ新幹線ですが、秋田新幹線の場合は、峰吉川〜神宮寺菅の区間は三線軌道にして在来線列車も新幹線列車も走れるようにしています。三線軌道というのは全国的にも珍しく、山形・秋田新幹線以外では京急なども三線軌道となっているようです。

     

     本来の新幹線は、カーブと勾配を緩くして道路と立体交差にして踏切を無くす新線を建設し、ひたすら高速化を目指すのがコンセプトです。ところが山形新幹線も秋田新幹線も、建設コスト抑制と早期完成のため、そうしませんでした。普通の新幹線をフル規格新幹線といい、山形・秋田新幹線のことをミニ新幹線といいます。北陸新幹線、北海道新幹線、九州新幹線は、フル規格新幹線であり、ミニ新幹線は、山形・秋田新幹線のみです。

     

     建設コスト抑制と早期完成と引き換えに、高速化を目指さなかったことのツケは大きいです。なぜならば生産性向上のパフォーマンスが落ちてしまっているからです。高速鉄道は時間の短縮をどれだけできるか?で、当たり前ですが生産性向上のパフォーマンスが変わります。結果、秋田県と山形県は、インフラ格差がついたままの状態になったといえるのです。

     

    <秋田新幹線の三線軌道>

    (出典:秋建時報 平成24年11月11日(第1222号)の「三線軌条」から引用)

     

     フリーゲージトレインの話に戻します。線路幅の違いについて、普通の軌道は狭軌、新幹線は広軌ともいいます。狭軌と広軌で幅に差があるため、日本の新幹線は三線軌道の山形・秋田新幹線以外に、在来線を走ることは不可能です。

     

     ところがフリーゲージトレインとなれば、その在来線も走ることができるようになります。ですが、これは罠です。

     

     なぜ、今まで500億円という大金がフリーゲージトレインの研究開発に使われたのか?といえば、フリーゲージトレインができたら、2度とフル規格新幹線を作る必要がなくなるからです。

     

     財政削減したい人、国家にお金を貯め込むことをよしとする人、緊縮財政をよしとする人の価値観からみれば、フル規格新幹線を作る必要はありません。フリーゲージトレインで走れるから、コストが高いフル規格新幹線は不要だろうという話なのです。さもなければ緊縮財政をよしとする財務省が、500億円もの研究開発費を出すとは思えません。

     

     フリーゲージトレインは、いわば新しいフル規格新幹線を作らせないための罠という側面が強いのです。実際のところ、国交省側の役人が財務省の罠だと思っていて研究開発していないというわけではなく、技術的に本当に無理だから研究開発していいないのです。何しろ新幹線は一番早いところで時速320舛覗ります。そのため、数ミリずれるだけで命取りとなって乗客に危険が生じるのです。

     

     高速化というコンセプトを捨て去り、ゆっくり走る分にはフリーゲージトレインはOKです。例えば、奈良の近鉄、東京の京急といった私鉄であれば導入の検討もできるでしょう。実際に導入を検討していた近畿鉄道では、北陸新幹線でのフリーゲージトレイン導入が断念され、開発費が単独で高くついたとしても、導入を引き続き検討するとのことです。

     

     近鉄の場合、観光地の京都と吉野山を結ぶ移動では、京都〜橿原神宮前間は標準機、樫原神宮前〜吉野間は狭軌となっているために、列車の乗り換えが必須になっています。フリーゲージトレインを導入すれば乗り換えなしで移動できるようになります。

     

     近畿鉄道の場合は新幹線と異なり、スピードが遅いからそれほど危なくないと考えられますが、スピードの速いところで導入すると、少しずれただけで大事故を引き起こして乗客がみんな死亡してしまうから無理なのです。

     

     仮に導入できたとしても、車体の重量はかなり重くなります。新幹線は精密機械でものすごい規格でできた車両であるため、広軌と狭軌の2系統に備えた精密機械となると、さらに車体重量が重くなるわけです。そのような重い車両で走られたらメンテナンスが困難であり、車両も線路もメンテナンスが必要になります。

     

     大幅な出費を伴うフル規格新幹線計画を止めさせたい財務省側は、フリーゲージトレインができれば、企画を担当した財務省職員は出世するでしょう。とはいえ、新しいフル規格新幹線を作る必要がなくなり、財政支出が将来削減できることになるかもしれませんが、技術者サイドからみたらこれは無理・無謀ということなのです。

     

     だから日本に新幹線を走らせるのであれば、フル規格新幹線にした方がいいに決まっています。北陸新幹線でいえば、2023年春に金沢〜敦賀間、2046年には敦賀〜新大阪間が開通する見通しです。

     

     JR西日本は敦賀開業に合わせてフリーゲージトレインを導入する予定でしたが、今回の判断で無理となり、フル規格新幹線になります。そのため、早く敦賀〜新大阪間を開通させる必要があります。

     金沢〜敦賀間までの工事が終わったら、その工事部隊は即座に敦賀〜大阪間に新幹線整備に人を回し、政府もしっかりと躊躇なく予算を付けるべきです。

     

     だいたい2046年に開通などというのは、あと25年以上もかかるというわけで、のんびりしすぎです。実際に関西経済連合会によれば、2031年くらいまでに作って欲しいとの声があるようで、今から13年くらいで完成を目指して欲しいという要望になるわけですが、これはある意味で当然の声です。

     

     完成時期の2046年というのは、JR西日本が時間軸を決めて計画しているのではなく、今の政府の予算の枠組みで作るとすれば、2046年くらいに完成するということです。日本の新幹線整備の予算は毎年755億円ですが、中国では年間6〜7兆円と100倍近い予算が付いています。しかも中国はトランプとの貿易戦争で輸出が伸び悩むことを予測して、内需拡大のためにさらに1兆円積み増す方針ということが、2018/08/14の日本経済新聞の記事で報じられました。

     

     日本も中国のように、鉄道建設への予算がちゃんと多くつくならば、時間軸の話は全く変わってきます。実際は2030年以降の財源スキームは全く決まっておらず、その財源スキームを今から議論するというような”眠い”段階です。

     

     与党自民党の新幹線プロジェクトチームで、予算の枠組みについて改めて考え直す動きが出ており、その議論が始まって予算の枠組みが決まれば、2046年完成という話はなくなって、完成時期をもっと早くできる可能性があるのです。

     

     

     というわけで今日は「祝!財務省の罠を駆逐!国交省が北陸新幹線フリーゲージトレイン導入を断念!」と題し、論説しました。

     改めて整理しますと、フリーゲージトレインのデメリットとしては、財政出動を抑制するという意味での名目GDPの縮小に加え、高速化というコンセプトを捨てることによる将来の生産性向上のチャンスを捨ててしまうということでインフラ格差が決定的になってしまうことだといえます。

     財務省職員が猛省できるよう、財務省職員の人事給与制度を見直して、緊縮や増税をする人が出世するのではなく、名目GDPを増やした人が出世するような組織に変えていかなければ、彼らが発想を変えるとは思えません。

     とはいえ目の前のインフラ整備は、待ったなしで急ぐ必要がありますので、とりあえず北陸新幹線でのフリーゲージトレイン導入断念というニュースは、日本の国益を守ることができたという意味で、大変喜ばしいニュースであると思うのです。

     

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