地方が疲弊している理由は、行政の仕組みが悪いからではなく、圧倒的に基礎インフラが不足しているからです!

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     今日は「地方が疲弊している理由は、行政の仕組みが悪いからではなく、圧倒的に基礎インフラが不足しているからです!」と題して、圏域行政について取り上げます。

     

     皆様におかれましても、圏域行政という言葉は聞きなれないかと思いますが、毎日新聞の記事で、圏域行政について取り上げられています。

    『毎日新聞 2018/08/19 10:00 「圏域」法制化 地方は反発 政府検討、自治体の廃止危惧

     政府は複数市町村で構成する行政主体「圏域」を法律により新たな行政単位に位置付ける議論を本格化させる。地方で将来深刻になる人口減少などに対応するのが狙いだ。だが、地方自治体の事実上の廃止につながる可能性があり、地方からは反発の声が上がっている。

     安倍晋三首相の諮問機関「第32次地方制度調査会(地制調)」が7月に発足。急速に進む人口減少に対応した行政サービスのあり方を2020年までにまとめ、首相に答申する。圏域を新行政単位とする議論が柱の一つとなる見通しだ。(後略) 』

     

     上記記事の通り、複数の市町村で構成する行政組織「圏域」というものを新たな行政単位に位置付ける議論を本格化させたというニュースです。目的は急激な人口減少で行政サービスを維持できなくなる市町村が出てくることに対応することが狙いとしています。しかしながら、地方自治体の事実上の廃止につながる可能性があり、地方からは反発の声が上がっています。

     

     圏域法制化とはどういうことか?

     

     圏域行政の話の前に、日本の市町村制度の一つして中核都市というのがあります。中核市は地方自治法第252条の22第1項で定める政令による指定を受けた市で、人口が20万人以上となると指定要件を満たします。中核市の例としては、旭川市、いわき市、宇都宮市、八王子市、高松市など2018/04/01時点で54市が指定されています。

     

     上述の中核市を中心に、周辺の自治体を4つ〜7つ程度集め、共同で街づくりをしたり、行政を進めていくということをすること。これが圏域行政というものです。 

     

    <圏域行政のイメージ>

    (出典:日本経済新聞から引用)

     

     

     毎日新聞の記事は、政府がこの圏域行政を加速させようと検討し始めたということです。

     

     いろんな自治体が共同して行政をやること自体は、悪いことではないかもしれません。広域行政になじむ案件について、広域行政を行っているだけで、法制化するとなると、議会や役所を作るという大掛りで極端な話になります。

     

     具体的には、都道府県と市町村の2層の行政ではなく、圏域という3層目を入れるという話であり、本当に問題がないのか?心配する声が上がっているのです。

     

     単一市町村を超えた圏域単位の行政サービスは、今でもあります。例えば公共施設の共同利用などが該当し、現時点では緩やかな連携に留まっています。

     

     平成30年7月の自治体戦略2040構想研究会の第二次報告という資料によれば、人口減少下において、満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するか?として、法律で圏域を行政単位と位置づけ、医療施設や学校の共同運営を想定しています。

     

     これに対して、市町村からは医療施設や学校の統廃合のために、圏域行政を入れるのが目的では?という危惧があるようです。

     

     私は広域連携自体はメリットがあるので加速すべきだと思いますが、法制化となるとやりすぎという印象を持ちます。無理やり改革するのではなく、今の状況から改善を一つずつやっていくというやり方にしないと、小さい村町の独自性が無くなるなどのデメリットの方が大きいと思われるのです。

     

     改善はやったほうがいいと思うのですが、改革は、よほど慎重にやらないと改悪になる可能性があるわけで、改革よりも地道な努力が必要であると私は考えます。そういう意味で地道な努力をしやすい環境を作るというのならばいいのですが、議会を設置したり役所を作ったりとそうしたニーズが不要なところまで巻き込むのはどうかと思うのです。

     

     過去、過激な改革としては郵政民営化というのがありました。過激な改革の行き着く先としては、日本維新の会などが主張する道州制の導入という話もありますが、こうした改革は百害あって一利なしです。

     

     政府はこれまでも地方創生に力を入れようとして人口減少を食い止めようと取り組んでいましたが、結果が出ないから改革が過激になり、改革をやればやるほど疲弊するという悪循環になっています。

     

     そもそも地方が疲弊している理由とは何か?と聞くと、行政の仕組みが悪いと思われる人が多いかと。だから改革が必要なのだという論調が人気を得やすい。大阪都構想や道州制導入もそうです。しかし本当にその論説は正しいのでしょうか?行政の仕組みが悪いから地方が疲弊するのでしょうか?

     

     断言しますが、違います。行政の仕組みが悪いのではなく、デフレが放置されていることに加え、一番大きいのは、地方は都会と比べて圧倒的に基礎インフラが不足しているからで、これに尽きます。

     

     したがって、基礎インフラをしっかり整備することこそ、地方疲弊化をストップさせる地方創生の真の解決策です。新幹線計画があるところは新幹線を作り、高速道路計画があるところは高速道路を作り、LRT(ライトレールトランジット)計画があるところはLRTを作るなど、こうしたインフラをしっかり作ることで地域のお金が回りやすくすることで、人・物が動くようになり、地域が活性化します。そうなって広域連携をすれば、活力があるから連携もしやすくなるでしょう。

     

     

     というわけで「地方が疲弊している理由は、行政の仕組みが悪いからではなく、圧倒的に基礎インフラが不足しているからです!」と題し、広域連携を法制化しようとしている政府に対して、やや批判的に論説しました。

     そもそもなぜ多くの地域が共同運営に否定的なのか?といえば、贅沢なことをいっている暇がないのです。目の前には自然災害の復旧があり、高齢者の問題や医療・介護の問題もあるものの、そこまで人とお金が回らないのです。

     しっかりと政府がインフラ整備を主導して、デフレ脱却をすれば、自ずと地方の経済も活発化していくことになるものと、私は思います。


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