小池知事の豊洲市場の安全宣言とは、いったい何なのか?

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    JUGEMテーマ:豊洲市場移転問題

     

     東京都の小池知事は、2018/7/31に、今月10月に築地市場から移転する豊洲市場について安全宣言をしました。今日はこの問題について取り上げたいと思います。

     

     

     毎日新聞の記事を紹介します。

    『毎日新聞 2018/07/31 20:22 豊洲市場 小池知事が安全宣言 10月開場へ申請

     築地市場(東京都中央区)の移転に伴い開場する豊洲市場(江東区)について、小池百合子都知事は31日、専門家が安全性を認めたことなどを踏まえ「安全、安心な市場として開場する条件を整えることができた」と表明した。市場業者が風評被害払拭(ふっしょく)のために求めていた「安全宣言」にあたる。都は10月11日の開場に向け、近く農相に市場開設の認可を申請する。

     豊洲市場を巡っては2016年8月、小池知事が「安全性に疑問がある」と移転延期を表明。翌月、建物地下に土壌汚染対策の盛り土がないことが発覚し、17年1月には地下水から環境基準の最大79倍のベンゼンなどの有害物質が検出された。

     このため、都は建物の地下空間にコンクリートを敷いて有害物質侵入を防ぐなどの対策工事を進め、7月30日には都の専門家会議が「安全性が確保された」との結論を示した。

     現在も地下水から基準値の170倍のベンゼンが検出されている地点があるが、地上部の空気に含まれる有害物質は基準値を下回っている。【森健太郎】』

     

     

     

     上述の通り、都が建物の地下空間にコンクリートを敷いて有害物質侵入を防ぐなどの対策工事を進めて安全性が確保されたとしています。

     

     朝日新聞の記事で問題と思うのは、「建物の地下に土壌汚染対策の盛り土がない」「地下水から環境基準の最大79倍のベンゼンなどの有害物質が検出」と報じていることです。

     

     土木工学的には、盛り土はない方がいいのです。

     

     上図の通り、盛り土があると表面張力によって毛管現象を引き起こして、杭伝いに汚染水が地下から上昇してコンクリートに到着します。そのコンクリートの目地などから水が染み込んで、汚染水が地表に出てくる可能性があるのです。

     左図のように盛り土がない方が、地下水を遮断できますので安全です。この空間をピットというのですが、今回は重機が入るくらいの広さのピットということなので、極めて安全性が高いといえます。

     そもそも地下水を使うわけではないため、ベンゼンが検出されようが、ヒ素や六価クロムが検出されようが、関係ありません。むしろ盛り土にしていた方が危険と無関係ではなくなります。

     

     逆に築地市場は、周りがオープンになっているため、ねずみや害虫が入り放題であり、その上、築地市場からもベンゼンなどの有害物質が検出されています。

     有害物質が検出された背景としては、築地市場が戦後、敷地内にあった米軍のドライクリーニング工場で有害な有機溶剤が使用されていた疑義があり、土壌汚染されている可能性があるのです。

     

     また耐震性の観点からも盛り土よりも地下空間でピットにした方が、耐震性が強化されます。

     

     「豊洲は危ない!」という当初の発言は、明らかに小池知事の誤りです。2年が経過して予定通り豊洲移転するとしても、2年という期間を空けて移転が遅れたことについては、断罪すべきであると考えます。

     

     なぜならば、小池知事の今回の安全宣言は、今までは安全ではなかったが、自分(=小池知事)のおかげで安全になったということになるわけですが、もともと豊洲市場のほうがはるかに安全だったのです。

     

     当時の小池知事は、築地市場はコンクリートで地表を覆っているから安全だと言っていましたが、豊洲市場もコンクリートで覆われています。

     

     築地市場は安全で、豊洲市場は危険であると言った過去の発言を、小池知事は忘れているのでしょうか?

     

     小池知事の安全宣言とは一体何なんでしょうか?

     

     当時地下水から高濃度のヒ素、ベンゼン、シアンが出て危ないと言っておきながら、その後で築地からも有害物質が検出されたのです。

     

     こうしたことについて、マスコミは口を噤んだまま。豊洲市場で有害物質が検出された時の報道に比べ、築地市場で有害物質が検出された時の報道は、より静かに報道されました。

     

     小池知事の嘘について、本来ならマスコミは厳しく指摘するべきなのですが、マスコミは存在価値がないマスごみであるがゆえに叩かないのでしょうか?

     

     それとも小池知事はグローバリズムを推奨する人物だから、肩入れして築地市場での有害物質の検出について静かに報じたのでしょうか?

     

     今回、東京都は2017年12月から、地下空間の床にコンクリートを打ち、換気設備とか揚水ポンプを設置する追加工事を行って、これが完成したので安全宣言をしたとのこと。

     

     一方でその豊洲新市場は2年遅れでようやく2018年10月に開場の見通しになったわけで、2年も遅れているのです。

     

     築地市場のマグロの仲卸業を営む男性によれば、

    『駐車場不足の懸念から顧客に正式な店舗の移転が出せないでいる。そのため2年間、都の準備が凍結して準備が全く進んでいない。今回の騒動は時間と税金の無駄だったのでは?この2年間はいったい何だったんだ?』

    という声が出ているのです。

     

     私たちが改めて理解すべきことは、公共事業が遅れるということは、巨大な損害を出しているということです。よくマスコミは「維持費で〇〇億円も余計にかかった」などと報じることがありますが、維持費などはどうでもよく、完成されていれば普通に便益が発生します。

     

     2年間便益が発生すべきところ、便益が発生していないという意味で、発生していたであろう便益×2年分の利益が、東京都民、日本国民は得ることができなかったということです。

     

     西日本豪雨で、本来治水事業・治山事業が早く着手されていれば、自然災害から守られて命を落とさずに済むという便益を得られたであろうにもかかわらず、ありもしない財政問題を理由に着工が遅れて、岡山県の小田川が決壊し、広島では砂防ダムがないところで土砂災害が発生して、多くの人の命が失われるということが、現実的に起きています。

     

     公共事業は本当は国民の生命・財産を守り、将来の生産性向上や科学技術振興によって国民を豊かにするなど、巨大な意味があるにもかかわらず、それが遅れるというのは、大変にダメなことです。

     

     本当は公共事業は全て速やかに着手されるべきです。豊洲市場の開場が2年遅れたことについて何とも思わないというのは、公共事業の巨大な意味を理解していないという感性と同じであり、本当は国民は2年遅れたことについて、もっと激怒するべきです。

     

     

     

     というわけで今日は「小池知事の豊洲市場の安全宣言とは、いったい何なのか?」と題し、論説しました。

     

     

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