日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!

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     今日は、「日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!」と題し、産経新聞の記事を紹介したうえで、下記1〜5の順で論説したいと思います。

     

     

    1.マイナス金利導入の意味とは?

    2.マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えるのは本当か?

    3.「日銀当座預金の意味」と「バンクとノンバンクの違い」について

    4.法定準備預金制度について

    5.産経新聞記事に対する私見

     

     

     

     まずは産経新聞の記事を紹介します。

     

    『産経新聞 2018/08/18 21:58 「出口」戦略の障害の懸念も 利上げで債務超過… 日銀資産、戦後初のGDP超え

     日銀の総資産が膨張したことで、将来的に大規模金融緩和を手じまいする「出口」戦略を開始した際に財務体質が悪化する懸念が強まっている。日銀が国債購入で放出したお金は金融機関が日銀に預ける当座預金に入る仕組みで、金利水準を引き上げればその利払い費が増加するからだ。最悪の場合、日銀の自己資本8兆円が消失して債務超過に陥る恐れもあり、出口を検討する際の障害になる。
     三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「もし総資産の規模を保ったまま利上げに踏み切れば、債務超過もあり得る」と指摘する。
     問題は日銀の収入となる保有国債の利息と、支出となる当座預金の利払い費の差額だ。平成29年度末の国債保有額は448兆円で、利息は1兆2211億円に上る。対する当座預金は378兆円で、利払い費は1836億円。差額の1兆円余りが日銀の収益となる。
     当座預金の金利はマイナス金利政策下で0.1〜マイナス0.1%に抑えられている。ただ、出口戦略で金利を引き上げれば保有国債の金利(29年度は0.28%)を超え、利息の受け取り分を支払い分が上回る“逆ざや”になりかねない。仮に1%利上げすれば単純計算で3兆7千億円規模の利払い費が追加発生するため、数年で日銀の自己資本を食い潰してしまう。
     日銀も出口での損失に備え27年から国債の利息収入の一部を年数千億円規模で引き当てており、国債の購入規模も減額している。また、実際の出口戦略では、まず資産規模を減らしてから利上げに移るといった手法も考えられるため、「逆ざやに陥らないよう工夫して対策を取るだろう」(市川氏)との見方が強い。
     ただ、資産規模ばかり膨らみ、対策のハードルを上げているのは事実だ。日銀は先月の金融政策決定会合で欧米の中央銀行にならいフォワードガイダンスと呼ばれる指針を導入し、超低金利を当面続ける姿勢を明確にした。市場では2%の物価上昇目標達成は難しいとの見方が強まっており、終わりの見えない金融緩和をいつまで続けるのか改めて問われている。(田辺裕晶)』

     

     

     上記の記事は、日銀の金融緩和が継続していることについての懸念をしている旨のニュースです。どのような懸念があるかといえば、2013年以降、アベノミクスの金融緩和で、コアCPI(生鮮食品の価格変動を除く消費者物価指数)で2%上昇の目標を立てていましたが、未だ日本はデフレのため、2%の物価目標達成は難しいと言われています。

     

     デフレ脱却には財政出動が必要ですが、謂れのない借金問題が原因で、国債増刷すらせず、財政出動は無駄遣いとして財政出動をしていません。政府の積極的な財政出動によって需要創出をしない限り、2%の物価目標達成は未来永劫できないでしょう。

     

     物価目標率に関していえば、私はもともと日銀の物価目標はコアCPIではなくコアコアCPI(エネルギー価格と生鮮食品の価格変動を除く消費者物価指数)で、2%目標を設定すべきと思っております。なぜならば原油価格が上昇するだけでコアCPIは上昇するからです。

     日本は原油輸入国ですから、原油価格が上昇しても日本人の所得増にはつながらず、カタールなど中東諸国の所得が増えるだけであり、日銀の物価目標がデフレ脱却だとするならば、輸入価格の物価上昇が主な原因でコアCPIが2%達成できたとしても、GDPは輸入は控除するため、GDP拡大どころか、むしろ伸びを抑制してしまうのです。

     

     

     

    1.マイナス金利導入の意味とは?

     

     日銀の物価目標がコアCPIかコアコアCPIかどちらがふさわしいかという話題はさておき、日銀は2016年1月29日からマイナス金利を導入しました。

     

     理由は金融緩和で、日銀が市中(三菱東京銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などメガバンクほか、地銀や信金・信組といった金融機関)から国債を買い取って、銀行の日銀当座預金を増やしていますが、資金需要がなく貸し出しが伸び悩んでいるからです。

     

    <日銀当座預金とマイナス金利のイメージ>

     

     

     上図はマイナス金利のイメージ図です。上図を見れば一目で明らかですが、日銀当座預金全額にマイナス金利をかけるわけではありません。基礎的残高とマクロ加算残高を除く日銀当座預金部分のことを政策金利残高と呼んでいますが、この部分にマイナス金利をかけるのです。

     

     ではマイナス金利導入の意図は何でしょうか?

     

     それは「新規に日銀当座預金に積まないで貸し出しを増やしなさい!」という意図です。

     

     とはいえ、物・サービスの価格を下げないと売れないというデフレ環境下では、資金需要が伸び悩むのは当たり前です。デフレでお金を借りてビジネスをしても儲からないため、銀行への借金の返済が滞る可能性を恐れて、お金を借りてまでしてビジネスをしようとはしないのです。

     

     

     

    2.マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えるのは本当か?

     

     「市中に出回っているお金」のことをマネーストックといい、「市中に出回っているお金+日銀当座預金」のことをマネタリーベースといったりもしますが、リフレ派と呼ばれる人々が、「マネタリーベースを増やせば、マネーストックが増える」と考え、財政支出をせず金融緩和だけで景気が良くなると主張してきました。

     

     これは1976年にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏が唱えたマネタリーベースを操作することでマネーストックを増減できるという考え方に基づくものです。私は、この意見には全く賛同できず反対の立場です。

     

     なぜならば需要がない限り、日銀当座預金の残高をどれだけ増やしても、貸し出しが増えることはありません。理由は企業が借入して投資しても、物・サービスの値段を下げないと売れないデフレ化では儲かりにくいため、借入金の返済が滞る可能性が高いからです。つまりマネーストックを増やすことを目的に、マネタリーベースを増やすべく日銀当座預金をどれだけ増やしても、残念ながらマネーストックが増えることはないのです。

     

     事実、現在の日本は日銀が国債を買い取って日銀当座預金を増やす形で、マネタリーベースが増やしていますが、物価上昇率2%目標は達成できていません。

     

     

     

    3.「日銀当座預金の意味」と「バンクとノンバンクの違い」について

     

     もともと日銀当座預金は「お金」であることには間違いありません。ただし一般の支払い(資材などの代金の支払い、従業員などの給料の支払いなど)に使うことができません。物・サービスを買うお金ではないのです。

     

     もちろん銀行は日銀当座預金を取り崩して現金に換えることは可能です。とはいえ、譲渡性という点で日銀当座預金は、現金紙幣、銀行預金、小切手、約束手形などに比べて劣っています。

     

     また日銀当座預金は、私たち家計分野や企業が口座を持つことができず、法定準備預金ということで銀行が保有します。銀行は記帳するだけでお金を貸すことができます。信じられないかもしれませんが銀行は、資金を調達して利ザヤを載せて貸すのではなく、記帳するだけでお金を貸し出すことができます。

     

     例えば皆さんが住宅ローンを3000万借り入れるとして、3000万円の現金をみたことがあるでしょうか?おそらくないでしょう。銀行は預金が集まるのを3000万円待つことなく、貸付金3000万円、お金を借りる人に借入金3000万円とするだけで、お金を貸すことができます。この3000万円借りた個人は、住宅建設会社に建設代金を3000万円支払います。現金で払った場合は、建設会社は受け取った3000万円を銀行に預けるでしょう。もしくは振込払いの場合は、建設会社の預金残高が3000万円増えるでしょう。

     

     こうして裏付けなく3000万円貸し出したお金は、銀行に預金という形で戻ってきます。このとき、経済のパイが3000万円増えることとなりますが、このことを信用創造といいます。バンクと呼ばれる銀行は信用創造の機能を持ちます。経済のパイを拡大する機能を持ちます。ところが、ノンバンクの場合は信用創造の機能がないため、有償無償問わず他から何らかの名目(借入金、社債、新株発行、保険料などの何らかの名目)で調達した上で、利息を付して貸し出します。

     

     消費者金融、商工ローン会社であれば、銀行から有償で借りて、さらに金利を乗せて貸したり、株式を発行・社債を発行・銀行から借り入れなどで調達したお金に金利を乗せて貸す。生命保険会社であれば保険料を集めて、そのお金に金利を乗せて住宅ローンとして貸し出す。などなど。

     

     上述の通り、銀行というバンクはお金を貸し付ける際に資金調達などしなくても、自身のバランスシートに「貸付金」、借主の通帳に「借入金」と記帳するだけでお金を貸すことができて、経済のパイを拡大する信用創造機能を持ちますが、ノンバンクは資金を調達して貸し出すビジネスモデルであるため、信用創造の機能はありません。これがバンクとノンバンクの決定的な違いです。

     

     

     

    4.法定準備預金制度について

     

     銀行などのバンクは、記帳するだけでお金を貸せるため、規制がないと制限なく貸し出しができてしまいます。そこで法定準備預金という制度で、日銀当座預金に日銀が定めた利率の分の現金を預けなければならないと規制しています。

     例えば、法定準備預金の利率が1%だった場合、3000万の住宅ローンを個人に貸し付けたとすれば、その銀行は1%に相当する30万円を日銀当座預金に預ける必要があるのです。

     

     この日銀当座預金には通常は利息が付きません。もともと利息が付かない日銀当座預金でしたが、リーマンショックで世界的に金融危機が訪れた2008年10月から、日銀は日銀当座預金の残高に0.1%の金利をつけることにしたのです。それが先ほどの図の基礎的残高に対する△0.1%です。

     

     とはいえ、日銀は政府が55%の株式を持つ株式会社組織です。日銀と政府は親子関係にあるため、日銀が買い取った国債の金利は国庫納付金として、一般会計に入ります。

     

     本来であれば、利息が付かない日銀当座預金に対して、各銀行の残高の0.1%相当の利息を日銀が銀行に払うということは、一般会計に入るお金の一部が民間の銀行に渡されていることを意味します。

     

     

     

    5.産経新聞記事に対する私見

     

     こうしたことを踏まえますと、産経新聞の記事は、明確に間違っていると断言できます。

     

     産経新聞の記事によれば、日銀の2017年度の決算資料から、日銀当座預金残高が378兆円あり、日銀が銀行に払う利息は1836億円にも上るとのことです。この利息は、上述の「4.法定準備預金制度について」の後段で述べている通り、本来一般会計に入るべきお金を、銀行の経営の補助のごとく銀行に渡しているものです。

     

     もともと日銀当座預金は利息は付きません。ブタ積預金といって金利が付かない口座が日銀当座預金です。

     

     そのため、本来銀行は資金を効率よく運用するため、できるだけ不要な資金を日銀当座預金に預けないで最小限の残高に留めるということをします。

     

     例えば、今日の定期預金は普通預金と金利が同じ水準なので意識しないかもしれません。皆さんの家計では、金利の低い普通預金の残高はなるべく少なくして、残りは少しでも金利が高い定期預金に預けるということをするはずです。

     

     そうした発想と同様に銀行は、日銀当座預金は法定で定められた利率以上に預けないようにするというのが、本来の姿です。

     

     ではなぜ今、銀行は日銀当座預金の準備利率を超えてお金を預けるのでしょうか?

     

     お金を借りてくれる人がいないからです。銀行といえば聞こえはいいですが、消費者金融と比べれば、信用創造の機能があるだけであり、預ける人しかおらず、借りてくれる人がいなければ銀行の経営は破綻します。何しろ銀行の貸借対照表上では、預金は負債だからです。

     

     とすれば産経新聞の記事の「(準備預金の利率を)仮に1%に利上げすれば・・・」というくだりは、何のために1%利上げするの?ということになりませんでしょうか?まさかマイナス金利環境で貸し出しが伸び悩む環境の中、経営が悪化する銀行の補助金を増やすために1%利上げするのでしょうか?これは、もう意味不明としかいいようがありません。真の意味で正常化というのであれば、日銀当座預金の利息0.1%付与を、0.0%に戻すことこそ、正常化です。

     

     だいたい「出口戦略」を語る人の論説の中に、肥大した日銀のバランスシートとして、日銀の金融緩和政策は将来の日銀の経営破綻リスクが高まるなどと、ウソをまき散らす人が多い。「出口戦略」というそれっぽいことを語る人は、なぜか日銀のバランスシートの拡大(=日銀の負債と資産の両方が増えること)を問題視します。

     

     日銀といえども、負債だけ増えるというファンタジーなことはありません。反対側で必ず資産も増えます。簿記が少しわかる人なら理解できるはず。負債が増えて資産が増えるわけですから、日銀の総資産が増えることはあってバランスシートは拡大しても、純資産が減るわけではないのです。仮に日銀のバランスシートが拡大・肥大化して何か問題あるのでしょうか?真に問題にすべきことは、国債を増刷せず市中の国債を買い取り続けた場合、市中の国債が尽きてしまうことではありませんか?

     

     日銀が保有する国債が増えること自体は極端な話どうでもよく、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!なのです。

     

     日銀の当座預金の金利が上昇して日銀の純資産を食いつぶすという論説は、全くをもってデタラメです。記者クラブで財務省職員からそうした説明があったのか?記事を書いた真相は不明ですが、産経新聞の記事には残念に思います。

     

     

     

     というわけで、今日は「日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!」と題して論説しました。日銀の金融緩和は、財政出動とセットになってこそ、景気浮揚策として十二分に寄与しますが、財政出動をしなければ貸し出しは増えず、景気浮揚効果はありません。

     とはいえ、市中の国債(民間の銀行や信金・信組が保有する国債)を、日銀が買い取ることで、実質的な政府の負債が減少し、新規の国債発行を容易に消化できる環境を作り出していることに意義があります。つまり国債増刷の環境を整えているということです。であるからこそ、「新規に国債増刷」「積極的な財政出動」という政策が打てます。

     にもかかわらず、謂れのない借金問題や、公共事業が無駄であるとか、税金の無駄遣いなどとして、「積極的な財政出動」をしないから、いつまでたっても景気が良くならないのです。

     一刻も早く多くの国民が「積極的な財政出動」こそ、早急に行うべき政策であることに気付いていただくため、私はこの言論活動を続けていきたいと思うのであります。

     

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