トランプ大統領が米国証券取引委員会(SEC)に対して、企業の四半期決算を半期へ変更提案!

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     今日は、トランプ大統領が企業の決算について、現状四半期決算を義務付けているものを、半期へ変更提案したというニュースを取り上げ、日本における株式市場に与える影響や上場企業の決算業務について、私見を述べさせていただきます。

     

     下記はロイター通信の記事です。

     

    『ロイター通信 2018/08/18(土)00:02配信 米大統領、四半期決算の半期への変更提案 SECに調査要請

     [ワシントン/ニューヨーク 17日 ロイター] - トランプ米大統領は17日、 米証券取引委員会(SEC)に対し企業に決算を四半期ごとでなく半期に一度発表することを許容した場合の影響を調査するよう要請したことを明らかにした。米企業幹部との話し合いを経てこうした要請を行ったとした。
     米国では現在、公開企業は3カ月ごとに年4回決算を発表しているが、トランプ大統領の提案では決算発表は年2回に軽減され、欧州連合(EU)、および英国と歩調を合わせることになる。
     トランプ大統領はツイッターで「これにより柔軟性が増し、資金の節約もできる」との考えを示した。そのうえで、多くの財界首脳との協議を経てSECに変更について検討するよう要請したと表明。ある企業幹部は決算発表を半期に一度とすることはビジネス強化に向けた1つの方策となると語ったとした。ただ具体的にどの企業の幹部がこうした見解を示したかについては明らかにしなかった。
     トランプ氏はこのほど、休暇先のニュージャージー州のゴルフクラブに多くの大手企業の幹部を招いている。
     トランプ大統領はその後、記者団に対し「(企業決算発表を)年2回とすることを望んでいるが、どうなるか見たい」と述べ、退任が決まっているペプシコ<PEP.O>のヌーイ最高経営責任者(CEO)からこの件を提起されたと明らかにした。
     これについてヌーイCEOは、ロイター宛ての電子メールで「市場参加者の多くやわれわれビジネス・ラウンドテーブル(財界ロビー)会員は、より長期的な視点に立った企業のあり方について議論を重ねている。わたしの発言にはこうしたより広範な事情が背景としてあるほか、米国と欧州で異なる決算方式の調和を目指そうという意図も含まれている」と述べた。
     四半期ごとの決算発表を廃止するにはSEC委員による採決が必要となり、独立機関であるSECに大統領が変更を命じることはできない。また、SECはトランプ氏が任命したクレイトン委員長の下で規制緩和に向けた措置を取ってきたが、公表された資料によると、四半期決算発表の廃止は現在は議題に挙がっていない。
     SECのクレイトン委員長は午後に入り発表した声明で、決算発表の頻度について検討し続けるとの立場を表明。トランプ大統領は「米企業を巡る主要な検討事項」にあらためて焦点を当てたとした。
     マサチューセッツ工科大(MIT)のスローン・スクール・オブ・マネジメントの上級講師、ロバート・ポーゼン氏は「企業決算の発表が四半期ごとから半期ごとに変更されれば、投資家はタイムリーな情報を得ることができなくなり、インサイダー取引が行なわれる恐れが著しく高まる」と指摘。企業が短期的に市場に監査されることを避けたいなら、次四半期の業績見通し公表をやめることで解決できるとの考えを示した。
     また、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏とJPモルガン<JPM.N>のダイモンCEOは今年6月、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙への寄稿で、採用、投資、研究・開発に向けた支出が抑制されているため、四半期ごとのガイダンス公表をやめるよう呼び掛けた。ただ四半期決算発表の廃止は提案していない。

     

     

     上記記事の通り、トランプ大統領が、企業に義務付けている四半期決算について、半期決算への変更を提案したというニュースです。このニュースは米国のニュースではありますが、日本の上場企業の決算開示ルールについても影響が出るかもしれません。

     

     米国における四半期開示の状況は下表のとおりです。

    (出典:金融庁の「金融審議会金融分科会第一部会」の資料の「諸外国における四半期開示の状況」から抜粋)

     

     

     上表の通り、米国の四半期開示の状況は1934年から開始され、現在の四半期報告書制度は1970年から導入されていました。

     一方で、日本では遅れて2000年代に入ってから整備され、日本の企業の決算開示ルールについては、次のような流れで今日に至っています。

     

    <2003年4月:証券取引所が上場企業に四半期開示を義務付け>

    四半期業績の概況として、売上高の開示を義務付ける

     

    <2004年4月:証券取引所が四半期開示の拡充>

    四半期財務・業績の概況として、連結決算ベース(連結財務諸表を作成していない場合は個別決算ベース)の「売上高」「営業利益」「経常利益」「四半期(当期)純利益、純資産」及び「株主資本の額」のほか、要約された「貸借対照表」「損益計算書」を開示することを義務付ける

     

    <2009年11月:金融商品取引法上の制度として義務付け>

    金融商品取引法上の制度として、上場企業などを対象に「四半期報告書制度」の導入する

     

     

     上記の流れで注視すべきは2009年11月の金融商品取引法上の制度としての義務付けです。もともと2003年4月から始まった四半期開示義務は、証券取引所の自主ルールという位置づけであり、いいかえれば法律(有価証券取引法、金融商品取引法などの法律)によってオーソライズされたものではありませんでした。

     

     そのため、2003年4月以降の開示義務付けが始まったものの、仮に開示情報に虚偽記載があっても、証券取引法などの法律に基づくものではないため、罰則の対象になりませんでした。結果、投資家が虚偽記載された情報を信じて株式を買って損害を被ったとしても、証券取引法に基づく民事責任を求めることはできなかったのです。

     

     法律にお詳しい方であれば、民法の不法行為責任709条で損害賠償請求ができるのでは?とお思いの方もおられるかと思います。とはいえ、一般的な話でいえば、民法の不法行為責任709条で、投資家が経営者に虚偽記載の過失責任を問うのを立証することは、極めて難しいということも想像できるでしょう。

     

     そのため、投資家保護という観点から、四半期決算の開示ルールについて金融商品取引法上の制度とすれば罰則の対象にできるということで、2009年11月から制度改定したのです。

     

     記事では、米国の著名投資家のウォーレン・バフェットらが、採用、投資、研究開発の支出が抑制されるので、四半期ガイダンス公表をやめるよう呼びかけたが、廃止までは提案していないとしてトランプ大統領の提案に対して、完全に賛同したわけではないとしています。

     

     私はウォーレン・バフェットの四半期ガイダンス公表の中止については賛成ですし、トランプ大統領の提案の通りさらに踏み込んで半期決算に変更するというのは、大賛成の立場です。

     

     ネガティブな意見として、もし四半期決算を半期決算に変更されると、企業の負担が減る一方で、投資家にとっては年4回決算状況の把握できたのが年2回となる点の悪影響を指摘する意見もあります。

     

     しかしながら、私は、企業の負担で将来のためにねん出すべき投資・研究開発費が、決算業務で費消される、もしくは十分な投資・研究開発費が費やせないというのであれば、トランプ大統領の提案は最適解であると考えます。

     

     企業の負担もさることながら、株式市場も年4回の決算で株価が右往左往することによるボラティリティ(=価格変動)も抑制できる効果があると思います。

     

     株価のボラティリティ抑制効果は横に置き、投資・研究開発費が十分に捻出できるということは、GDP拡大に寄与します。

     

     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

     ※純輸出=輸出−輸入

     

     ウォーレン・バフェットが指摘する投資・研究開発費の捻出抑制が、半期決算によって払しょくされるならば、上記式の設備投資が増えやすくなり、GDPが拡大しやすくなるということになります。GDP3面等価の原則により、設備投資が増えれば、投資(=消費)=生産=所得 ですので、米国国民の所得が増えるということになるわけです。

     

     つまり四半期決算を半期決算に変えることで、米国経済は、より力強く経済成長できるというわけです。

     

     もし、日本も半期決算になれば同じ経済効果が期待できるでしょう。

     

     

     

     というわけで、今日はロイター通信の「トランプ大統領が米国証券取引委員会(SEC)に対して、企業の四半期決算を半期へ変更提案!」を取り上げて論説しました。

     米国は言うまでもなく日本のマスコミにも不人気なトランプ大統領ですが、1兆ドル(≒110兆円)のインフラ投資、NAFTA見直しによる関税強化、他国との関税の見直しなど、米国民ファーストを着実に実行に移しています。

     また金融危機の引き金になりかねない銀証ファイアーウォール撤廃を見直すためのグラス・スティーガル法の復活なども注目すべき経済政策です。

     上述の政策は、いずれも米国経済を強化し、米国国民の所得を増やし、国力強化につながる政策ばかりであり、日本もトランプ大統領の政策を見習うべきであると思います。


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