財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

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    JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

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     以前、財政法第5条について取り上げたことがありますが、今日は財政法第4条という法律について取り上げ、工業事業の支出の財源として国債発行することは、何ら問題がないことをご説明したいと思います。

     

     読者の皆様の中には、公共事業へのアレルギー反応を持つ人がいるかもしれませんが、利益の出にくい事業や成果が出るのに時間がかかるが将来の技術革新につながるような科学技術投資など、民間企業がやるにはリスクが高いものこそ、公共事業でやるべきものであり、公共事業=悪と考えるのは全くの誤りです。

     

     公共事業の例でいえば、橋脚・トンネル・防波堤防潮堤・高速鉄道・高速道路・一般道路・港湾などなど、民主党的にいえば、いわゆるコンクリート分野であったり、CNT(カーボンナノチューブ)やCNF(セルロースナノファイバー)などの新素材や、IPS細胞などの医療分野や、国際リニアコライダー事業やスパコン事業など、いろいろあります。

     

     どれ1つとっても重要です。民主党政権のときのスローガンである「コンクリートより人へ」で公共事業を削減して人にお金を配るというのは、公共事業削減=需要削減=経済抑制であり、お金を配ってもデフレ下では消費に使われるか否か?が不明であるため、消費伸長とならないということで経済成長効果も限定的であり、マクロ経済的に間違っています。

     

     経済学的観点からみなくても、日本は自然災害オンパレード国です。今年の台風・豪雨のみならず酷暑に加え、地震・火山噴火もあれば山津波や洪水は言うまでもなく、日本の国土の50%が豪雪地帯もしくは特別豪雪地帯に該当するという、海外の国々と比較した場合、とんでもない自然災害国です。治安はいいかもしれませんが、たとえ人に殺されることはなくても、自然災害で人が殺されます。

     

     そのため洪水を防ぐためのスーパー堤防やダム建設は必要です。津波対策として防波堤防潮堤も必要です。山津波対策として砂防ダムも必要です。豪雪に備えて除雪車の配備は万一に備えてふんだんに配備する必要もあります。地震に備えて耐震強化も必要。火山に備えて噴火予知ができるようにする研究も必要。

     

     こうしたことは、マクロ経済学的には、すべて需要です。安全保障対策でみれば、自然災害対策の需要は日本では無限にあります。そこに資金を躊躇なく投ずれば経済成長ができ、自然災害から日本国民を守ることができるのです。

     

     需要があるならば、民間企業がやればよいのでは?と思われる方、100年に1回のために備えるという経営者は普通に存在しません。中期経営計画ですら3年〜5年程度。GMOインターネットの熊谷社長は50年スパンでインターネットビジネスを見ていると株主総会で発言されておられましたが、そうした経営者は極稀です。

     

     なぜならば、成果が出るのに時間がかかるというのは、利益追求組織の株式会社では難しい。利益を追求しようとすれば、すぐに成果が出るものにこそ、他よりもプライオリティを高く人・物・カネを投じざるを得ません。

     

     しかしながら、民間の投資を促してそれらを待っていたとしても、自然災害は待ったなしです。待っている間に手をこまねいていれば、その間に自然災害が発生したら日本国民が殺されるかもしれないのです。

     

     であるがゆえに、成果が出るのに時間がかかるもの、利益は出ないが安全保障上必要であるもの、そうした資金の源泉は、国債で何ら問題がありません。

     

     よくある間違いは、プライマリーバランス黒字化目標を推進し、政府の中に内部留保のごとく税金を貯め込んでから支出するとお考えの方、いるかもしれません。これこそ、国家の財政運営を家計簿の発想、企業経営の発想で考えるという典型的な誤りです。

     

     国家の財政運営は、家計簿や企業経営と異なり、通貨発行権があるということ、そもそも政府の存在は「民を治め世を救う=経世済民」を目的としたNPO法人であって利益追求組織ではないことから、税金を貯め込んでから支出するなんて考える必要がないのです。

     

     自然災害で人が死ぬことが予測できるとするならば、それがたとえ100年に1度かもしれなかろうが、200年に1度かもしれなかろうが、甚大な被害が人々を苦しめるということが想定されるのであれば、政府は躊躇なく国債を発行して財政出動によって、その対策をするべきですし、財政法第4条という法律によって国債発行で公共事業することは、普通に認められています。

     

     財政法第4条には次のように書かれています。

     

     

     

    財政法第4条
     1.国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
     2.前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。
     3.第1項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。
     

     

     

     

     

     

     いかがでしょうか?国債発行したら借金が増えるからダメと思う人がおられるかもしれませんが、財政法第4条1項では、公共事業に関しては国債発行が認められることが書かれているのです。しかも国会の決議だけでできます。財務省職員からアドバイスを受けたとしても、従う必要はありません。

     

     というより、財務省は国債発行を抑制しようとしています。そのうえ、デフレ脱却が果たせず、資金需要が不足して国債を日銀が買い上げているという状態です。市中には国債が不足しており、そのために国債の価格が上昇して、金利は低下してマイナス金利を導入するまでに至っているのが、今の日本の実情です。

     

     バカげていると思いませんでしょうか?

     

     普通に国債を発行すれば、国債不足という状況は解決します。生命保険会社や損害保険会社といった100%安全な国債で運用しなければいけない保険会社の経営も収益が安定します。銀行にしても資金需要が高まるインフレになるまでは、国債購入によって金利収入を得ることができます。

     

     旧民主党時代の前原氏がかつて、アベノミクス第一の矢に対して、財政ファイナンスに該当し、財政法第5条に違反すると国会で指摘したことがありました。

     

     ついでなので財政法第5条も見ておきましょう。

     

     

     財政法第5条

    「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」

     

     

     財政法第5条は国債発行に際して、直接日銀が引き受けることを禁ずるというものです。ところが但し書きがあり、国会の承認を得れば直接引き受けすることは可能です。

     

     しかしながら、黒田日銀総裁がアベノミクスでやっていることは、日銀が政府の国債を直接引き受けているわけではなく市中の国債、即ち三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンクや地銀、信金信組といった金融機関が保有する国債を買い取っているのであり、財政法第5条と全く関係がありません。

     

     

     というわけで、今日は「財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)」と題して論説しました。

     家計簿発想で国家財政運営を考えること、企業経営の発想で国家財政運営を考えること、これらは価値観の問題とかではなく、明確に誤りなのですが、誤っていることに気付いていない日本国民が多くいるため、デフレ脱却の解決策である「国債増刷」「政府支出増」という政策に踏み切れない、もしくは政治家ですら誤解していてそもそも考えていない、というのが日本の状況です。

     「国の借金問題」が典型的ですが、日本には財政問題は存在しません。日本国民の多くがそうした事実を知らないということが、解決を困難にしている側面もあるといえます。

     そのためには、経済学者であろうがアナリスト・エコノミストに関係なく、一般国民が経済に対する正しい知見を持つこと、これ以外に方法がないものと、私は思っております。

     

     

    〜関連ブログ〜

    「日銀の円建て国債購入が財政法第5条による財政ファイナンスに該当する」との指摘に対する反論


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