ドイツで起きている2つの問題
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今日は「ドイツで起きている2つの問題」と題し、ドイツについて取り上げます。
今、ドイツでは2つの問題が起きていると言われています。
1つ目は、メルケル政権分裂の危機です。
移民問題をめぐる議論で、ドイツのメルケル首相と、ホルスト・ゼーホーファー内相との間で対立が生じています。特に南部のバイエルン州は、難民が入ってくる入り口にあたるのですが、バイエルン州は難民を受け入れたくありません。
一方でメルケル首相は、無制限に移民を受け入れると表明した張本人であり、この移民問題で大きな対立が生じています。
2018/07/06〜2018/07/07にかけてEU首脳会談が行われ、EU圏内で難民に対してどのような解決策があるのか?議論が行われました。一応、議論はまとまったものの、中身的にはあいまいでいい加減なものが多い内容となっています。地政学的に難民受け入れの玄関となっているイタリアは「イタリアだけが多くの移民を受け入れているのは不公平」として、難民受け入れの分担を提案して、なんとか合意したという状況です。
その上、トルコに難民を追い返すという政策をとっていますが、トルコとEUとの関係もおかしくなってきており、トルコがいつまで難民を受け入れ続けられるか?不明な状況です。
このように難民によってヨーロッパがおかしくなってきている中で、ドイツ政権もCDU(ドイツキリスト教民主同盟)、CSU(キリスト教社会同盟)の連立政権となっています。
もし、メルケル首相とゼーホーファー内相との間が完全に決裂すると、連立崩壊となります。
2つ目は、ドイツ銀行の問題です。ドイツ銀行が米国のストレステストと呼ばれる銀行のテストで、重大な脆弱性があるということで、不合格になりました。
FRBによるストレステストでは、資本的な問題と内部の監査状況、具体的にはマネーロンダリングが行われていないか?と、資金が健全に運用されているか?の2つをチェックします。
ドイツ銀行はこの2つが不合格でした。
米国のストレステスト自身は、罰則規定もなければ強制権もありませんが、ストレステストに落ちたということ自体、銀行としてリスクがあるとみなされます。
下記のチャートの通り、現在ドイツ銀行の株価は一時の高値と比べて3分の1以下と、リーマンショック時の株価水準で低迷しています。
ドイツ銀行がこのままちゃんと運営できるのか?新たなリーマンショックのような金融危機が発生する可能性もあり、ドイツ銀行の今後の行方を注視したいと思っております。
というわけで、今日は「ドイツで起きている2つの問題」をご紹介しました。
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- 2018.07.26 Thursday
- 世界経済(欧州)
- 08:30
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- by 杉っ子