豊洲市場の移転問題
JUGEMテーマ:豊洲市場移転問題
今回は、豊洲市場問題について、意見したいと思います。
昨年の9月頃までマスコミらは下記の報道で「空洞」を騒ぎ立てました。
『(毎日新聞)「盛り土に手抜きなんて」「ポッカリ開いた不信の洞穴」』
『(NHK)盛り土にうそ』
『(日刊ゲンダイ)封鎖不可避、汚染水まみれ』
要は、豊洲市場の責任者が、ウソをつき、手抜きをした結果、汚染まみれになって閉鎖不可避だというのが、マスコミの論調でした。
その後、朝日新聞や毎日新聞の記事で、次の事実が出て参りました。
【事実1】たまり水に「ヒ素」が検出されたが、70年間毎日2リットル飲み続けた場合でも健康に影響がないとみなせる環境基準は下回っているものだった。
【事実2】地下の「空洞」「空間」は万一の対策のためだった。
【事実3】地下空間を設ける方が盛土構造より、コストがかかるものだった
【事実4】「技術系職員は全て地下空間の存在を知っていて、通称モニタリング空間と呼んでいた。しかも技術系職員だけでなく、部局トップが空間の存在を知らないということはないはずのものだった。
上記は、毎日新聞、朝日新聞の記事で報道されたものです。即ち地下の「空洞」はウソをついたとか手抜きしたとかで作られたものでなく、汚染まみれでもなんでもないということが朝日・毎日の報道で明らかにされたのです。
土木工学の専門家によれば、空洞がある方が、衛生的で耐震性に優れて安全性が高いと言われています。理由について下記の図を使ってご説明いたします。
空間は地下水を遮断します。空間があれば、毛管現象によって直接地下水が地上に出てくることを防ぐことができるのです。
日本は災害大国であるため、建築物は基礎杭を深く打ちます。もし盛土にした場合、毛管現象によって地下水が基礎杭に沿って上がってきて、地表に地下水がそのまま出てきてしまうのです。空間があれば、地下水がそこで止まって遮断できるので地表に出てくることはありません。そしてこの空間には排水システムが完備されるとのことですので、万一空間に溜まった地下水がなんらかの汚染水だったとしても、ダイレクトに市場の1Fに出てくることはないのです。
もし、盛土にした場合、基礎杭に沿って毛管現象によって地下水が建物の下にまで上がってきます。その地下水はコンクリート壁の打ち継ぎ目や目地や壁そのものに存在する小さな割れ目などを通って、建物内に侵入してきた場合に避けることができません。
要は空間の上に建築物を作ろうが、盛土の上に建築物を作ろうが、基礎杭を打つ以上、地下水が建物内への侵入回避を検討することは必須です。とはいえ、空間を盛土にしてしまった場合、汚染された地下水を遮断できず、地下水が直接侵入する危険性があるのです。
盛土にせず、空洞にしてかつ排水システムが正しく稼働できる状態であれば、地下水は空洞で遮断され、1Fに直接入り込んでくることはありません。排水処理システムが正常に稼働できる前提でいえば、空洞に溜まった地下水は排水処理システムで流せばOKなわけです。しかも豊洲市場の空洞(=ピットの空間)は相当広く、万一があった場合に重機が入れられるよう大きな空間にしてあるという話もあります。このように盛土よりも空洞にしている方が遥かに安全であるというのが土木専門家では当たり前の話なのです。
また、地震に対する耐震性についても、空間がある方が揺れには強く、耐震性は遥かに優れているのです。
豊洲問題については、移転に際して技術的に環境的に問題がないため、早く移転をしていただきたいものと思っております。
というわけで、今日は豊洲市場の移転問題について、盛り土にすることは却って危険であり、土木専門の人々にとっては空間がある方が、衛生的で耐震性もあって安全であることを述べさせていただきました。
- 2017.02.05 Sunday
- その他(マスコミ報道の在り方・言論統制)
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- by 杉っ子