安倍首相が表明する豪雨被災地に対する財政支援について

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     今日は「安倍首相が表明する豪雨被災地に対する財政支援について」と題し、論説します。

     

     下記は日本経済新聞の記事です。

     

    『日本経済新聞 2018/07/11 21:26 豪雨被災地、首相が財政支援表明 死者174人に

     安倍晋三首相は11日午後、西日本を襲った記録的豪雨の被災自治体を財政面で支援するため、国から定期的に配分する普通交付税を前倒しする考えを示した。被災者の生活支援について「予備費の活用、普通交付税の前倒し(配分)など、財政措置を講じる」と述べた。視察先の岡山市で記者団に語った。

     今回の豪雨による死者は11日までに12府県で計174人となった。同日になって岡山県で安否不明者が増えるなどし、7府県で60人超の安否が依然分かっていない。懸命の捜索活動が続いているが、被害はさらに拡大する恐れが出てきた。

     首相は激甚災害の指定作業を迅速に進めると表明。「被災者が一日も早く安心して暮らせる生活を取り戻すため全力を尽くす」と話した。

     この日、首相は被害の大きかった岡山県倉敷市内の避難所になっている小学校2校を視察し、同市の真備町地区を流れる小田川の決壊現場近くの堤防で黙とう。岡山市内で伊原木隆太県知事と復旧・復興への取り組みについて意見交換した。(後略)』

     

     

     

     上記記事の通り、安倍総理は西日本を記録的豪雨が襲った被災自治体を財政面で支援すべく、普通交付税を前倒して配分する考えを示しました。

     

     被災者の生活支援について十分な予備費の活用するほか、普通交付税前倒しなど、しっかり財政措置を講じていくと述べました。今回の豪雨に対して、迅速に激甚災害指定する作業を進めていることも強調しています。もし、被災自治体が激甚災害に指定されれば、自治体の復旧事業に対する国の補助率が嵩上げされます。

     

     政府がすべきことは、大きく分けて「財政措置」と「人的措置」の2つがあると考えます。

     

     一つ目の「財政措置」からいえば、まずは予備費です。これは余っている財布があるからそれを使うということで、こういう時こそ使うべきものです。予備費に加えて、普通交付金の前倒しとなっていますが、本当に必要なのは予算執行の前倒しではなく、国債発行による十分な財政調達が大事です。

     

     市中の国債を日銀が買い取っているので不足気味になっているため、国債増刷は金融機関にとってはありがたい話です。何しろ、デフレで物・サービスを値下げしないと買われないために資金需要がないからです。

     

     財務省は国債発行を躊躇する傾向がありますが、こういう災害時こそ、国債発行がマッチする局面はありません。

     

     要するにこれだけの被害が発生しているというのは、人間の体でいえば大けがをした状態です。ここで財政措置を十分に対応しない場合は、後遺症が残って普通に活動できなくなってしまいます。逆に、迅速な治癒をしっかり行えば普通に復帰できます。

     

     だからこそ、今ここでしっかりと財政調達して、政府支出によって復旧をスピーディーに推進していかなければ、被害が長引くことになり、後々の人がずっと後遺障害に悩まされることになるでしょう。

     

     今ここで国債増刷して、政府支出によって復旧がスピーディーに行われれば、そのメリットは後世の人々全員が享受できます。

     

     そのため、この復旧復興治癒享受に対して、現代世代の人々だけが財政負担するのではなく、将来世代の人々も財政負担することになるわけですが、むしろ将来世代の人々も「国債増刷」による財源調達と「政府支出増」を望むことでしょう。なぜならば、将来世代の人々が財政負担しなかったことで、後遺障害が残っているのであれば、将来世代の人々からみた過去の治療費をちゃんと払うので、後遺障害が残らないように治癒しておいて欲しいと思うに決まっているからです。

     

     災害時に国債発行するのは、ごく普通の話なのですが、仮に「災害復興のために、国債発行することは許されない」と思っている人がいたとしたら、その人は、バカ・アホです。

     

     国債発行はこういう時こそ行うべきであるということは誰でも理解できるはずです。増税なんて言う人がいたら愚の骨頂。普通に国債増刷で問題ありません。これこそが、真に被災地を救う財政措置です。

     

     二つ目の「人的措置」は、全国から技術者、建設業者を誘導するという人の話です。

     

     今までの政治の流れをみた場合、果たして国債増刷できるのか?私には疑問があります。なぜならば、東日本大震災でも復興増税という名の増税をしました。しかも、被災者からも増税するという残酷さ。そこに気付かない家計簿発想の財政運営を是とする有識者らは、万死に値すると思うのは私だけでしょうか?

     

     ついでにいえば、公務員の給料も3年間削減しました。こうした施策は、マクロ経済的にいえば需要削減で、デフレをより深刻化させ、貧乏にしていくだけです。

     

     今回、国家運営にまともな人が携わっているのならば、普通に国債増刷して、将来のためにもしっかりと復旧復興させるでしょう。

     

     

     というわけで、今日は豪雨被災地に対する財政支援について論説しました。

     こういう災害時でもプライマリーバランス黒字化が正しいと思っている人々は、増税だったり予算の組み換えを主張します。今回安倍首相が表明した交付税の前倒しも、予算の組み換えに近い。本来であれば、国債増刷と政府支出による復旧復興の狼煙が上がってもいいのに、そうした声が出ないことに、私は大変失望しています。

     災害時こそプライマリーバランス赤字化が正しいということに気付き、少しでも早く、国債増刷と政府支出増による復旧・復興が着手されるよう祈っております。


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