デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!

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     今日は「デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!」と題し、今年6月の2018年財政骨太方針において、プライマリーバランス黒字化目標が残ってしまったことに関連して、財政再建派の国会議員らが主張したりEU加盟で義務付けられているマーストリヒト条約にある財政赤字のGDP3%以内について論説したく、財政赤字とプライマリーバランスの違いについても述べたいと思います。

     

     そもそも財政赤字とプライマリーバランスは、何が違うのでしょうか?

     

     プライマリーバランスというのは、政府の活動のための支出と、税収との差額です。

     

     財政収支というのは、政府活動の支出に加え、国債の償還費・利払い費を政府が払っているのですが、それらの費用を含めたものです。

     上述の償還費とは、例えば政府は1000兆円お金を借りていて、借りているということは金利を払っているわけですが、借りているのを満期が来て返済するのが償還費です。その償還費と利払い費が合わせて20兆円程度あります。

     

     財政赤字額の4%が償還費・利払い費と言われていますので、500兆円の4%で、20兆円〜30兆円の財政赤字が存在することになります。政府活動費+利払い費=財政収支です。

     

     プライマリーバランス規律では、政府活動のみキャップ(=支出に上限)をつけるわけですが、財政赤字のGDP3%以内というのは、それに加えて利払い費を含めたものにもキャップ(=支出に上限)をつけるという話です。

     

     デフレ脱却のためには財政支出増が必要で、財政黒字化でなく、財政支出増によって財政赤字を拡大させることこそ、デフレ脱却になります。プライマリーバランス規律であろうと財政赤字対GDP比率であろうと、キャップをつけてしまうことで、デフレ脱却に必要な財政支出ができないということになり、デフレ脱却から遠のきます。

     

     2025年まで先延ばしにするという声もありますが、これも私は賛同できません。なぜならば、先に延びて対GDPで財政赤字が3%だったらいいのかなと思う人もいるかもしれませんが、キャップをつける=支出に上限を設定するということで、デフレ脱却に必要な政府支出にブレーキがかかることに変わりないからです。

     

     世界的には、国家財政について”ある尺度”が使われます。例えばEUは加盟国に対して、財政赤字対GDP比率3%という基準をマーストリヒト条約で定めています。世界的には、わかりやすい尺度かもしれませんが、デフレ下の環境にある日本には全くを持って不要な尺度です。

     

     さらに知らされていないこととして、世界的な財政収支の定義が、日本の財政収支の定義と異なります。端的にいえば、国債償還費は財政収支の赤字を算出する際に除かれます。ところが日本は償還費を入れています。そのため、日本の定義のほうが財政赤字が拡大しているようにみえるのです。

     

     なぜ、日本は償還費を入れるのかといえば、60年償還ルールという細かい規定があるためで、海外ではそのようなルールはありません。

     

     米国や欧州では、お金を借りて30年で返さなければならないというとき、政府が財政赤字だったら、例えば30億円を政府が借りていたら、1回返してから借り直すのではなく、借り換えて将来に償還日を引き延ばしにします。政府が財政赤字だったらずっと借りている期限を先延ばしにしていくのです。即ち、”もう30年間貸して欲しい”となって、それが普通に認められています。

     

     政府が財政赤字だったら、即ち不景気だったらずっと借りている期限を先延ばしにしている。この先延ばしにしているときは、財政赤字は拡大しません。

     

     ところが日本は満期が来たら、不景気だろうが何だろうが、いったんお金を返さなければならず、一般会計からいつもお金を返済しています。このようなオペレーションをやっているのは、世界中で日本だけです。

     

     財務省がホームページで公開している貸借対照表があり、日本の財政が異常だと言っているわけですが、そもそも財政赤字3%以内について、世界基準に変えたうえで目標にするというのならば、まだ理解します。

     

     とはいえ、金利が高騰する局面になると財政赤字が拡大し、金利が高騰して利払い費が増えた場合、社会保障や防衛・軍事費を全部削減して利払い費に充当する必要が出てくるようになるわけで、財政赤字3%以内というキャップをつけることは、将来的に大変恐ろしいことになるのです。

     

     これは日本の安全保障にも影響します。プライマリーバランス黒字問題、財政赤字3%問題は、全部安全保障問題と直結します。財政規律は安全保障問題そのものといえるのです。

     

     例えば日本の防衛費が増えないのは、こうした財政規律があるためといっても過言ではなく、防災対策にも影響が出ます。日本の国土が脆弱で、対策を放置したり着手ができていない状態なのもこうした財政規律が原因です。自然災害が多い日本において、財政規律を守るために、災害対策で砂防ダムや水道管耐震化補強や防波堤・防潮堤建設をやらないということは、国家的自殺といえます。

     

     ついでにいえば、財政の規律を守って安全保障の規律を破る、無駄削減と支出を削って景気が悪くなって税収が減る、これが現在の日本の真の姿です。

     

     私は財務省職員や財政再建派国会議員・財政諮問会議メンバーの有識者と呼ばれる方々に、”財政規律”と”日本国民の命” どちらが大切でしょうか?と問いたいです。

     

     

      というわけで、今日は「デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!」と題し、論説しました。


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