栃木県の宇都宮市に新設するLRT(ライトレールトランジット)について

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    JUGEMテーマ:道路・交通のフリートーク

    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

     

     今日は「栃木県の宇都宮市に新設するLRT(ライトレールトランジット)について」と題して、中型都市における交通機関として世界的にLRTが増えているという実態をお伝えすべく、日本でも富山県富山市以来の施工認可が下りた宇都宮市におけるLRTについて触れたいと思います。

     

     栃木県は、私が社会人になって6年3か月ほどいました。私には4つ下の弟もいるのですが、弟も別の会社で宇都宮支店の配属となり、兄弟で3年間ほど宇都宮に住んでいました。

     

     その宇都宮市と芳賀町とで、次世代型路面電車が軌道敷設で施工を認可したということで、宇都宮市のホームページにも、その計画が掲載されています。

     

    <宇都宮市内を走るLRT路線の計画図>

    (出典:宇都宮市のホームページ「LRTの運行ルート」より引用)

     

     

     宇都宮市のホームページをみますと、LRT導入の経緯について、実にまともな理由が記載されています。なぜLRTが必要なのかという理由については、宇都宮市の交通渋滞の緩和に加え、少子高齢化の人口減少に備えて、人が動きやすくするための公共交通ネットワークの重要な装置として導入をするとしています。

     

     宇都宮市の人口は50万人程度なのですが、5人に1人の高齢化率が、3人に1人にまで上昇するとしており、人口減少を放置した場合に、

    ●買い物などでお金を使う人が減る

    ●宇都宮市内の店舗や企業の売上が減る

    ●業績悪化で市内の企業が減る

    ●暮らしにくくなってさらに人口減少が加速する

    として、これらを解決するために、人が移動しやすい交通環境を作るとしています。

     

     このLRTは、日本では富山県の1例だけですが、世界的には20年前〜30年前から作られ続けてきました。ヨーロッパで37都市、米国で北米でも十数都市、日本を除くアジアでも7都市ということで、導入されています。

     

     LRTは高性能な車両を使った路面電車なのですが、世界の潮流は、このLRTの導入を推進しているにもかかわらず、日本はデフレ化で投資が全くできない国に落ちぶれてしまいました。

     

     皆さんは都市内の交通というと、普通は地下鉄が思い浮かぶかと思います。地下鉄が導入されているところといえば、東京、大阪、名古屋、仙台、札幌、福岡など、人口が100万人以上いる都市です。

     

     宇都宮市のような50万人規模の都市の場合、地下鉄は建設費が高く、費用面などすべてが少し重いイメージです。かといってバスの場合、15万人〜20万人規模の都市ならばいいのですが、40万人〜60万人規模となりますと、地下鉄とバスの間の公共交通として、LRTが輸送量や速度など総合的に考えて一番適切だといわれています。

     

     宇都宮市内は、JR東日本の東北新幹線、東北本線、東武線が南北に走っていますが、こうした鉄道は都市間を結ぶ交通機関です。今回のLRT新設は、これを補足する形で東西にLRTを走らせ、交通の利便性を高めていくというコンセプトです。

     

     LRTの優れているのは、街の魅力が圧倒的に上がるという点です。私は地方でLRTではない路面電車に乗ることがあります。例えば、東京都内を走る路面電車(三ノ輪〜早稲田間)、広島市内を走る路面電車(広島〜宮島口間)、熊本市内を走る路面電車などに乗車した経験があります。LRTは普通の路面電車よりも、より高性能で快適な車両であるとともに、街中の移動の利便性が数段に高まるでしょう。

     

     地下鉄の場合は、階段を下りたり登ったりして、しかも景色が見えず、駅と駅の間は路面電車と比べて長いです。LRTは、気軽に乗車できて駅間が短く、いろんなところに小まめに回ることが可能です。結果、LRTを導入すると街中の魅力が圧倒的に上がります。

     

     鉄道は乗る時間が長いですし、バスは乗る時間は短いですが揺れるので快適性は低いです。バスはバスのいいところがあり、鉄道は都市間を結ぶ意味で必須ですが、その中間としてLRTがあると、圧倒的に街中の利便性が高まって、宇都宮市でも活力が着実に上がることになるはずです。本来ならばLRTはもっと早く導入すべきだったのですが、やっと宇都宮市で導入となり、2022年3月に開業ということになりました。

     

     その宇都宮市のLRTでは、反対運動もものすごいあったとされています。建設費450億円なのですが、国が50%を負担し、県と市が25%ずつを負担します。なので、いつもの通りですが「そんなお金使ってどうする?」「次世代に借金のツケを残すのか?」というお決まりの財政破綻を懸念した反対論に加え、「LRTやったら道路が渋滞するだろう!」という反対の声があったそうです。

     

     宇都宮市のLRT導入のケースで渋滞がどうなるか?はっきり断定はできませんが、一ついえることとして、LRTができることでLRT利用エリアの人々は車を使わなくなるのではないでしょうか?そうなれば交通量が減って環境にも良いわけですし、しかも町が活性化すれば税収も増えるわけで、450億の半分の225億円の投資なんて、すぐに返済完了するのでは?と思うのです。

     

     

     というわけで、今日は宇都宮市で導入が決まったLRTについてご紹介しました。交通インフラが経済成長の基盤であることは言うまでもないのですが、「公共工事は無駄!」「お金を借りてインフラを作るなど、将来世代にツケを残すだけで言語道断!」などという考えを持っている人々は、少なくても経済のことは語って欲しくないです。根拠もないウソ・デタラメです。日本には財政問題は存在しません。インフラはそれ自体が経済成長すると同時に、民間企業の投資を誘発して乗数効果が大きいのです。

     宇都宮市に限らず今後も人口で40万人〜60万人の規模の中堅都市で、こうしたLRT導入のような投資が積極的に行われるよう、安倍総理には今年の財政の骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標を破棄していただきたい、そう願っております。


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