オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
ノーベル賞の観点で意見します。
私は嫌中、反グローバリストです。鉄道技術・軍事技術で、中国に技術で負けることはないと思いますが、それでも鉄道技術において経験・ノウハウを蓄積されれば、その優位性も将来脅かされる可能性があります。経験こそ、ノウハウ蓄積・技術継承に有効です。今回は、リニア技術の心臓である超電導技術について述べます。
オランダ人の物理学者ヘイケ・カメルリング・オネスが1911年に超電導という技術を発明。1913年にノーベル物理学賞を受賞しました。オネスは磁石を冷やすと超電導、即ち電気抵抗ゼロの環境(電気抵抗のない環境)ができることを発見しました。
その後、磁石が壊れてしまったのですが、我が国において1911年からリニア新幹線実用化が2027年、オネスが超電導を発明してから実に100年以上を経て、我が国において超電導が実用化され、リニア新幹線がデビューしようとしています。
ヘリウムという物質(沸点が−268.9度)を−269度に冷やすと液体になります。これが液体ヘリウムです。この液体ヘリウムで、タンタル(固い素材で熱に強い)、チタン(旅客機787型機等で使われている軽くて丈夫な物質)、ニオブ(レアメタルの一種)を冷やすと超電導ができます。
株式投資の世界において、ROE重視、高配当性向、ストックオプション付与、こうしたことが当たり前の世界になると、結果を早く出すことを求められて、超長期の投資ができなくなります。もともと無駄な失敗をしない効率よく投資するなど、言うは易し行うは難し、「あんたがやってみろ!」という世界です。
しかし先人が、失敗を恐れず失敗を糧として超長期の投資を継続してくれたおかげで、新しい技術が開発され、この世に実用化された技術は数知れません。
リニア新幹線がアルプス山脈にトンネルを作る難工事であることは、専門的にわかりませんが、素人で申し訳ありません。おそらく難工事でしょう。それでもそうした困難を乗り越えて作ること自体が、ノウハウ蓄積・将来世代への技術継承になるものと考えております。
安倍政権には、設備投資減税、研究開発費減税を推し進め、少しでも超長期投資がしやすい環境を作っていただきたい。インフラ整備にも力を入れていただきたい。
そして、リニア中央新幹線、新幹線整備は、高速鉄道の建設運営のノウハウ蓄積・技術継承に大きく貢献し、将来世代に大きな財産を残すものであり、財政問題なんか糞くらえ!積極的に推進していただきたいと思います。
- 2016.12.01 Thursday
- 日本経済(科学技術)
- 08:32
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- by 杉っ子