川崎重工のミスによる新幹線のぞみの台車亀裂問題

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    JUGEMテーマ:道路・交通のフリートーク

     

     今日は、新幹線のぞみ号の台車亀裂問題について論説します。下記は日本経済新聞の記事です。

     

    『日本経済新聞 2018/03/02 のぞみ台車亀裂問題 川重が図面指図よりも薄く研削

    川崎重工業は、新幹線で初めての重大インシデント(事故が発生する恐れが認められる事態)となった新幹線の台車の亀裂問題について、2018年2月28日に会見を開いた。台車の側面を支える「側バリ」と呼ぶ構造部品で、板厚が図面寸法よりも薄い箇所があったことが判明。これが亀裂の進展を速めた可能性がある。

     亀裂が発生したのは、JR西日本が保有する「N700系」新幹線の台車。具体的には、断面が高さ170×幅160×板厚8ミリメートルの箱形(「口」の字形)構造になっている側バリに、長さ140ミリメートルの亀裂が高さ方向に走っていた。(後略)』

     

     

     上記は昨年度2017年12月に新幹線のぞみ号の台車の枠で破裂寸前の亀裂が見つかった問題についての続報です。JR西日本は、2/28に会見を開き、2007年の製造時に川崎重工業が台車枠の底の面を削ったために、鋼材の厚さが最小4.7ミリと基準の7ミリよりも大幅に薄くなっていたことを明らかにしました。

     

     強度が保てず、大きな亀裂につながったとみていて、川崎重工は社内規定に外れた作業だったとしています。この台車を含めて同様に鋼材が削られた台車というのは、JR西日本とJR東海への納入分で、合わせて174台にも上ることが明らかになりました。

     

     JR西日本は小さな傷が見つかるなどした12台は既に交換済みで、残りについても月1回超音波を使った細かな検査で安全性を確認しながら取替をすすめていくとしています。

     

     台車を作った川崎重工業では、組立作業を担当した班長が、台車枠と別の部分の接合部分を調整するよう部下に指示していたようです。班長は鋼材を削ってはいけないことを理解していましたが、作業する部下に指示することを忘れたか、指示しなかったとされ、かつ作業後に確認もしなかったため、今回の事件につながったとされています。

     

     数々の”はず”が積み重なった結果のミスといえます。普通はその原因を突き止めなければなりません。

     

     工場で働いている人は技術者の人であり、鋼材を削ってはいけないということは常識の範囲内の話です。普通は班長が常識と思っていることは、部下の人も常識と思っているはずです。それがモノづくりの日本の強みでした。マニュアルでやるわけではなく、技術・ノウハウを次世代に継承して伝えていく。マニュアルではなく労働者としてではなく、職人として人材育成していくのが日本の強みでした。

     

     職人性が失われ、時間給で働いている非正規のアルバイト的な人がマニュアルに基づいてモノづくりをしてきたという傾向が強くなってきたというように思えます。これはデフレ放置がなせる業であるともいえます。

     

     デフレ放置とともに増加した非正規社員は、もはや職人ではなく労働者になってしまったということでしょうか?職人と労働者は全く違います。ある意味、労働者は奴隷のように働いてその分のお金をもらうという話。日本の物づくりの現場は、労働者ではなく職人としてのプライドで生産してきたはずなのですが、こうした背景がこの事件に関与しているとすれば事態は深刻であり、事態の究明が必要だと思うのです。

     

     ところで、記事では、川崎重工業のこの問題が、日本企業の信頼が揺らぐこととなり、官民でインフラ輸出について2015年比で2020年までに1.5倍に当たる約30兆円のインフラ受注を目指していますが、日本企業の信頼が揺らげば、この目標が遠くなると報じています。

     

     この問題でいえば、2つ申し上げたいことがあります。

     

     一つ目は、影響が出るということについて、それほど心配する必要はないのでは?ということです。日本の安全性は世界基準でみて過剰であると諸外国からはみられており、過剰な基準から少々外れていたからといって、それが大きな問題になるのか?ということは、事態の推移をみていく必要があります。影響が出るかもしれないし、出ないかもしれません。

     

     二つ目は、インフラ輸出しなければならないのは、国内でインフラを作っていないからです。それが日本のインフラの老朽化を助長したり、地方創生をダメにしたりして、デフレ脱却を阻害しています。インフラ輸出を1.5倍増やすという目標もいいですが、もっと国内におけるインフラ整備を重視するという方針に変えて欲しいと思うのです。

     

     

     というわけで、今日は川崎重工業によるミスが発覚した新幹線のぞみ号の台車亀裂問題について取り上げました。


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