ムーディーズなどの格付け会社の格付けは全く信用できません!

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     皆さんは、格付け会社という会社をご存知でしょうか?金融機関に勤める人であれば、必ず聞くであろう格付け会社。ムーディーズ、スタンダードプアーズ、フィッチレーティングといった会社が該当します。この格付けという制度、絶対的と思うかもしれませんが、とんでもない間違いをしているということをお伝えしたいと思います。

     

     日本経済新聞とブルームバーグの記事をそれぞれ紹介します。

    『2017/09/27 日本経済新聞 国債格付け当面変わらず 財政黒字化目標先送りでも

    安倍晋三首相が衆院解散を表明し、財政健全化目標を先送りする姿勢を示したが、海外の主要格付け会社は日本国債の格付けを当面は変更しない見通しだ。2019年10月に予定している10%への消費税増税の使い道が変更されても「人づくり革命」の財源が確保されることを好感しているようだ。(後略)』

     

    『2017/12/08 ブルームバーグ 日本国債の格下げ懸念沈静、CDS4カ月ぶり水準に縮小−税収増期待

    財政悪化懸念で一時は格下げ観測も浮上していた日本国債。その信用指標は国債発行減や税収増の見通しなどを受けて、4カ月ぶりの水準まで改善している。

     CMAによると、国債保証コストであるクレジットデフォルトスワップ(CDS)5年物は衆院解散直前の9月26日、1年3カ月ぶりの高水準である41ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで拡大。10月以降は低下基調を辿り、今月5日には8月以来最低の27bpまで縮小した。

    CDSが9月に上昇していたのは、安倍晋三政権が選挙公約として、赤字補てんに充てるはずだった消費増税分の一部使途変更を打ち出し、基礎的財政収支(PB)黒字化の後退から一部に国債格下げ懸念が浮上したためだ。しかし、格付投資情報センターは11月9日、「日本の信用力を支える要因に大きな変調はみられない」として、現在「AA+」の格付けと方向性「ネガティブ」の見通し維持を発表した。(後略)』

     

     

     現在、格付け各社の日本国債への格付けは以下の通りです。

     

    【1】ムーディーズ

    日本国債の格付け「A1」:今後の見通し=安定的 中級の上位で、信用リスクが低いと判断される債務に対する格付。

    最上級格付け「Aaa」:信用力が最も高く、信用リスクが最小限であると判断される債務に対する格付。

     

    【2】スタンダードプアーズ

    日本国債の格付け「A+」:今後の見通し=安定的 債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい。

    最上級「AAA」:債務を履行する能力は極めて高い。

     

    【3】フィッチレーティングス

    日本国債「A」:デフォルトリスクが低い。金銭債務の履行能力は概ね十分にあると考えられるが、経営又は財務の柔軟性は認められる。

    最上級「AAA」:デフォルトリスクが最も低い。金銭債務の履行能力が極めて高い。予見し得る自由がこの能力に悪影響を与える可能性は、非常に低い。

     

     上記の通り、日本の国債について、各社最上級の格付けを付与していません。それどころか、日本の国債を格下げした来たという経緯があるのです。なぜならば、政府の負債対GDP比率が200%と高いということが理由の一つです。GDPが500兆円で、その2倍の1000兆円も政府の負債があるのだから、格下げするという具合です。

     

     格付け会社は、政府の負債について通貨を意識していません。単にGDPと通貨を意識しない負債額の比率で判断しているのです。格付け会社の役職員の頭の中では通貨が一定なのです。だからギリシャのユーロ建て債務、日本の円建て債務、この二つは全く違う話なのに、同じ扱いをして金額だけでみて格付けしているのです。

     

     ギリシャは共通通貨建て債務であり、ギリシャ政府は独自の金融政策ができません。通貨発行権もECB(欧州中央銀行)が持ちます。日本の国債は内国建て債務であり、通貨発行権は日本政府・日銀が持ちますし、市中に出回ってメガバンクや地銀などが保有している国債を日銀が買い取ってしまえば、実質的に債務を消すことが可能です。

     内国建て債務、共通通貨建て債務という言葉のほか、外貨建て債務というのもあります。アルゼンチンやアイスランドは外貨建て債務で財政破綻しています。逆に内国建て債務で破綻することはあり得ません。通貨発行権を持ち、かつ実質的に債務を帳消しにできるからです。

     

     もし、日本の1000兆円の債務が外貨建て債務、例えば米ドル建て、ユーロ建て、スイスフラン建てなどであれば、気にしなければならない問題といえます。なぜならば、米ドルやユーロやスイスフランは、政府日銀が通貨発行権を持たないから。仮に米ドルでお金を借りているとすれば、米ドルで返済しなければなりません。

     

     このとき、政府日銀が通貨発行して円を発行し、米ドルを買って返済しようとしますと、発行した円の売却と米ドルを買うという行為自体が、円売りドル買いとなって円安ドル高になります。ドル高になりますと、ドル建て債務が実質的に負担が増えてしまうのです。

     

     アルゼンチンの財政破綻は、まさに政府がドル建て債務を借りていたからです。アルゼンチンペソを通貨発行し、発行したペソで米ドルを買おうとすると、ペソ安ドル高となって、ドル建て債務が実質的に増えます。すると、さらにペソを通貨発行してドルを買って返済します。するとそれがまたペソ安ドル高になってドル建て債務が実質的に増えます。すると、さらにペソを通貨発行してドルを買って返済・・・・というわけで、通貨発行しても、どれだけ通貨発行しても膨れ上がる外貨建て債務を返できず、デフォルトという状況に陥るのです。

     

     アイスランドの財政破綻は、政府には外貨建て債務がありませんでしたが、アイスランドの金融機関が外貨建て債務を抱えていました。アイスランドクローネではなく、ユーロで借りた金融機関が、その資金を証券化商品に投資し、サブプライムローンショックのときに、証券化商品が紙くずとなって、外貨建て債務が残ってしまいました。そして外貨建て債務で債務超過になった金融機関を、アイスランド政府が救済し、アイスランド政府がユーロ建て債務、即ち外貨建て債務を急激に持つことになりました。

     このとき、アイスランドはクローネを発行することができますが、ユーロ建て債務はユーロで返済する必要があります。そのため、クローネを通貨発行して、発行したクローネでユーロを買おうとすると、クローネ安ユーロ高となって、ユーロ建て債務の実質的な負担が大きくなってしまうのです。アイスランドもアルゼンチンと同様、外貨建て債務でデフォルトしました。

     

     アルゼンチンもアイスランドも外貨建て債務で破綻していますが、プロセスは異なります。アルゼンチンは政府が直接外貨建て債務を抱えていました。アイスランドは金融機関が外貨建て債務を抱えて経営破たんし、その金融機関を救済することによって外貨建て債務を抱えることになったのです。

     

     この二つの事例を見ますと、政府の負債が巨額であろうとなかろうと関係がないということがご理解できませんでしょうか?要は外貨建て債務を抱えているか否か?です。実際の日本は「1000兆円の借金ガー!」と政府の負債がGDPの2倍で巨額であることが問題であるとする論説が多い。

     とはいえ、政府が外貨建て債務を抱えていなくても、金融機関や国内の企業や家計が外貨建て債務を抱えている場合は、アイスランドのデフォルトシナリオになる可能性もあります。

     アイスランド政府は財政破綻する前までは、2007年時点で、プライマリーバランスは黒字。しかも政府の負債対GDP比率は29.1%です。(日本は現在200%です。)

     

     家計が外貨建て債務を抱えることは、ほとんどないでしょうが、企業や金融機関が外貨建て債務を抱える可能性はゼロではありません。

     具体的には、例えばトヨタ自動車が米国に工場を新設するため、ドルでお金を借りるという選択肢がないわけではありません。ただ円の金利がめちゃくちゃ安いので、円でお金を借りて、ドル転して投資するというのが一般的です。

     とはいえ、円の金利が安いということは円で低利の資金を調達できますし、借りたいという資金ニーズが少ないために低金利が続いているわけでもあります。何がいいたいかといえば、日本にはドル建ての資金のニーズがほとんどないということです。

     

     政府の立場からすれば、物価2%目標で、お金を使って欲しいのに余っていて、日銀当座預金の残高が減らない状態、マネタリーベースは増やしても、マネーストックは伸び悩む、まさにデフレであるがゆえに、物・サービスの値段を値下げしないと売れない環境では、銀行からお金を借りる経営者は少ない。ましてやドル建ての資金が必要だとしても、円で低利で借りられるので、普通に円でお金を借りれば済むこと。わざわざドルで借りなくてもいいわけです。

     

     この格付け会社の格付けとは、ドル建て資金を借りる場合には、ある程度の影響を考える必要があるかもしれません。ですが、日本円で資金を借りる場合は、円建て債務で財政破綻はあり得ないため、はっきりいって無視していいのです。なぜならば、格付け会社の格付けについて、債務の残高とGDPの比率をみていたとしても、肝心な通貨の違いを見ていないからです。

     

     格付け会社の格付け方法が間違っていると同時に、それがまかり通っているということも問題。というより格付け会社の情報に振り回されないよう日本人が知見を持つ必要があるわけです。日本は財政破綻する確率がゼロであるという真実を知れば、格付け会社の格付けに怯える必要はありません。

     

     事実、国債の格付けが下がって困ったことってあるでしょうか?ソブリンシーリングといって社債を発行する際、その国家の国債以上の格付けが付与されることはないという問題があり、結果的に社債発行コストが増えるというデメリットはあるかもしれません。そうはいっても、資金調達手段は社債でなければならないということではありません。今はデフレで銀行がお金を貸したがっているわけですから、資金調達ニーズがあり、エクイティファイナンスではなくデットファイナンスでの資金調達を検討するのであれば、普通に銀行借入をすればいい。社債か借入いずれを選択するか?は、コストを見て安い方を借りればいいわけです。

     

     

     というわけで、今日は格付け会社の格付けに問題があるということをお伝えしました。国債の格付けの際、政府の負債が、内国建てか?外貨建てか?共通通貨建てか?ということを一切考慮しない格付けに、何の意味があるのか?といいたくなります。また発展途上国は外貨を調達するニーズがあります。自国で供給できないものを買う際に、経済力の弱い自国通貨ではなく、先進国とりわけハードカレンシー通貨での決済を求められることから、ドルや円やユーロといった外貨でお金を調達するニーズはあります。

     日本は先進国ですし、低金利ですので、特に外貨でお金を借りなければならないという局面がないと考えます。しかもデフレで金を借りたがらないから低金利になっているわけです。

     こうして政府の負債について知見を高めていくと、格付け会社って何のための存在だろう?ということになります。ドル資金が不要の日本にとっては、少なくても格付け会社の格付けに振り回される必要はないといえるのです。


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