大災害で農作物不作時に自国民が飢えてまで他国に食糧を輸出する国は存在しない!

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    JUGEMテーマ:日本の農業政策を考える。

     

     今日は日本の食料安全保障をテーマに意見したいと思います。

     日本の農業問題を考える場合、日本の食料安全保障問題と切り離すことは絶対にできません。現代の歴史に触れながら、国益に叶う食料安全保障強化のための日本の農業政策について論じたいと思います。

     

     まず皆さんに、ぜひ事実認識していただきたいことがあります。

     それは、1945年に日本が大東亜戦争に負けて以来、日本は米国の余剰穀物の市場として食生活まで変えられてきたという事実です。

     そこで米国が余剰作物をマーケティング戦略で日本に無料配布し、我が国がコメよりもパン食に変えられていった変遷を述べ、以下の順で我が国の食料安全保障問題について論説していきます。

     

    1.エネルギー(カロリー)摂取を、コメから小麦・油脂・畜産物に変えられていったという事実

    2.食生活変化の変遷(理由と背景)と日本の穀物の国内自給率

    3.日本の減反政策と米国の輸出補助金・欧州の所得補償について

     

     

     

     

    1.エネルギー(カロリー)摂取を、コメから小麦・油脂・畜産物に変えられていったという事実

     

     厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、昭和47年(1972年)と平成27年(2015年)で、下記の数値が公表されています。

     

    【昭和35年(1960年)】

     エネルギー総量:2,095.8Kcal

     穀類総量:1,479.0Kcal

      うちコメ:1,212.0Kcal

      うち小麦:167.4Kcal

     魚介類:110.2Kcal

     獣鶏肉類:32.5Kcal

     

    【平成27年(2015年)】

     エネルギー総量:1,889Kcal

     穀類総量:771Kcal

      うちコメ:535Kcal

      うち小麦:220Kcal

     魚介類:108Kcal

     獣鶏肉類:189Kcal

     

     穀類の摂取エネルギー量は、平成27年の数値でみた場合、昭和35年と比べてほぼ半分です。そのうちコメは、1,212kcal→535kcalと45%程度にまで落ち込んでいます。

     

     グラフにしてみました。

     

    (出典:厚生労働省のホームページ)

     

     穀類合計の摂取エネルギー量は1,479Kcal→771Kcalと大きく減らしています。

     

     穀類合計のうち、コメが約45%減少して小麦が増えています。小麦が増えたのは、パスタとかパンとかだと思いますが、主にパン類が増えたと考えられます。パン食に変えられることによって、肉類・乳類・油脂が増えていったということが読み取れます。

     

     考えてみますと、パンと一緒に食べるものとしては、魚よりも肉類や牛乳(乳類)やバター・マーガリン(油脂)が合います。

     

     改めて総括しますと、昭和35年の日本人の摂取エネルギーは約2,000Kcalで、半分がコメでした。今はコメが535Kcalで、昭和35年いくらべてほぼ半分になってしまったのです。その代りに、小麦や油脂や畜産物の摂取でエネルギーを摂取するよう食生活が変えられていったわけです。

     

     

     

    2.食生活変化の変遷(理由と背景)と日本の穀物の国内自給率

     

     なぜ、私たち日本人の食生活が変わってしまったのか?その理由について述べたいと思います。

     

     端的にいえば、米国の農業政策によるものです。米国がすごいと思うのは、穀物のマーケティングで日本の食生活を変えていこう

    考えた当時、オレゴン州の小麦が余りまくっていたのです。即ち過剰生産の状態でした。

     その余剰小麦を費消させるため、「給食で使ってください」と日本に無料でくれたのです。

     

     太平洋戦争終戦直後、日本の食糧事情は、本土空爆などで供給力を削がれてしまって大変悪かったため、米国産小麦のパンを使った給食に変わっていきました。

     

     皆さんも子供の時を思い出していただきたいのですが、パンは小中学校の給食で必ず出ます。小さい頃にパン食を覚えると、大人になってもそれを食べる。さらにパン食が増えると、パンに合わない魚介類ではなく畜産物が増えます。

     

     畜産業は日本でも畜産農家が成長して生産していきましたが、その牛や豚や鶏が何を食べるか?といえば、米国産の穀物で作られた配合飼料です。

     

     米国国民だって、パンはいうまでもなく、畜産物を食べます。そうした小麦や動物(牛・豚・鳥)が食べる飼料がなければ、日本人が食べるものなんてないのでは?と思ったりしませんでしょうか?

     

     ここで一番重要なのは、穀物の国内自給率です。なぜならば、穀物がないと人間は死んでしまうからです。その穀物の国内自給率はわずか28%で、穀類のうちコメは国内自給率100%です。

     

     ところが、コメの生産量は1970年頃1,400万トン程度だったのですが、減反政策などで減らされ、2016年には主食用米で750万トンと約半分にまで生産量は落ち込みました。そのため、コメを日本国内でフル生産したところで、日本人の穀物の自給率は100%とはなりません。そのため、米国や海外から穀物の輸入が止まると、日本人の半数が飢え死にする可能性があるのです。

     

     

     

    3.日本の減反政策と米国の輸出補助金・欧州の所得補償について

     

     先述の通り、米国のマーケティング戦略を考えますと、何しろ日本の食糧事情という背景があって、そこにオレゴン州の余剰作物の小麦を費消させるために、無料で日本に小麦を配布したという点がすごいです。

     

     日本人に米を食べさせないで、小麦に切り替えさせるために様々な施策が打たれました。キッチンカーという屋台バスのような乗り物を全国に走らせ、小麦の料理法・大豆の料理法を、日本のお母さんたちに教えていきました。

     

     さらに、1930年代頃、「コメを食べるとバカになる」という本を大学教授に書かせました。その教授は、林成之氏で脳神経外科が専門の大学教授です。

     

    <キッチンカーを使って料理講習している写真>

     

     

     こうして、じわじわと輸入穀物に頼らざるを得ない形に、日本は体質変換させられていきました。

     

     昔は日本はコメをもっとたくさん作っていました。ところが、小麦や大豆の消費量が増えてコメの消費量が減るとなれば、どうしても作付面積を減らすしかありません。またこのころ、日本のコメの生産性が上昇していきました。コメの生産性が上昇して供給力が高まっていく一方で、コメの需要はどんどん減少していったのです。

     

     この状態を放置するとコメの価格は暴落します。するとコメ農家がやっていけません。そのため減反政策が実施されました。要は作付けしない田んぼを割り当て、農家みんなで負担を分かち合って作付けをしないと取り決めてという形で凌いできました。

     ところがコメの需要は回復しないため、作付面積がどんどん減少していき、1970年頃には、300万ヘクタールあった田んぼが、現在約半分。それでも需要がそれ以上に縮小しているため、価格の維持ができません。減反政策は、もう終わりに近づいているといっても過言ではないでしょう。

     

     減反政策とは、農家が作付面積を減らすと補助金がもらえるという仕組みです。その減反政策も2020年に廃止になります。この先、どうするのでしょうか?

     

     もし減反政策が廃止され、「農家の皆さん!自由に作っていいですよ!」となれば、コメの生産性が高いことから供給過剰となって、コメの価格が暴落し、弱い農家からつぶれていくことになるでしょう。

     

     本来ならば、日本政府は減反政策ではなく、欧州がやっている所得補償や、米国がやっている輸出金の補助をするなどして、コメの生産能力の維持に努める必要がありました。余ってもイイからフル生産していただくようお願いをする必要があったのですが、日本はそうせず、むしろ供給力を削減する減反政策を行ってきたのです。

     

     欧州は農家に対して所得補償をやっていますが、日本は予算の問題、存在しない財政問題を盾にやらないでしょう。米国は輸出補助金をやっていますが、本来輸出補助金は、WTO(世界貿易機構)で禁止しています。なぜ米国は輸出補助金が可能なのか?

     

     米国国内で費消する農作物、輸出する農作物、どちらにも関係なく、再生産価格(農家が再生産できる価格)=目標価格として、これを下回ったら補てんするという考えで輸出補助金を続けています。米国の言い分とすれば、米国国内で費消する分も補填するから、輸出企業の為でもなく、輸出穀物の為でもないからということで、輸出補助金を続けているのです。

     

     このように米国も欧州も、食料安全保障への意識は大変高い。だからこそ農家を保護する政策を取っています。それに比べれば、日本の減反政策やTPPや二国間貿易協定などは、全く食料安全保障の意識が欠如していると思うのです。

     

     

     というわけで、今日は食料安全保障について述べました。日本政府や国会議員らは、「減反政策廃止」「農協改革」「種子法廃止」といった政策が日本の食料安全保障を弱体化させ、国益を損ねているということを認識しているのか?甚だ疑問です。むしろ、日本の食料自給率を引き下げる政策ばかりやっており、日本の農業・農家なんてどうでもいいと考えているのでは?と思うのです。

     食料自給率が低かったとして、万一食糧輸出国で戦争や災害が発生したとしても、「別にいいじゃない!他の海外から輸入すれば!お金はあるんだし・・・」みたいなノリで考えていないでしょうか?

     というよりも、平時のときに食糧を輸出していた国が、非常時に自国民が飢えてまでして他国に食糧を輸出することはあり得ないという当たり前のことを認識していないのではないでしょうか?

     当たり前ですが、米国で大洪水が発生して農家が大ダメージを受けていれば、作物は余剰でなくなり、米国国内優先で日本への輸出がゼロになることをあり得るわけです。

     もちろん輸入国を分散してリスクヘッジする方法はありますが、日本国民が餓死することがないようにするため、食料自給率を高めて食料安全保障を強化するという取り組みは極めて重要であり、農家は保護されるべきであると私は思うのです。

     

    〜「種子法廃止」に関連する他の記事の一覧〜

    ”「主要農作物種子法」廃止法案可決”食料安全保障問題として報道しないマスコミに怒り!

    私たちの税金で培った種苗の知見・ノウハウは国民の財産です!

    「日本の農業・農家は世界で最も保護されている!」は本当か?

    種子法廃止で、食料安全保障は崩壊か?


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