デフレを放置すると文化が廃れます!(成人式の着物について)

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     一昨日の1/8は成人式でした。私の成人式の思い出といいますと、スーツを着て街中を歩くのですが、老けていたせいもあるのか、大学生であったにもかかわらず、銀行マンとか証券マンとか言われていました。女性の場合は着物を着るわけですが、今日はこの着物に関する話題に触れながら、デフレと文化について意見したいと思います。

     

     成人式で二十歳の女性が着付ける振袖、これは既に大半が「インクジェットプリンタ」によって模様が印刷されたものであることを皆さんはご存知でしょうか?

     

     通常、着物というと、高いものというイメージがあるかと思います。なぜ高いか?それは伝統的な手作業による工程で、手描きで模様を描くからです。

     逆にインクジェットは、手間を省き、ある意味で生産性を上げているという見方もできますが、日本文化独特の加賀友禅などの手作業・手描きの模様とは、全く異なるものです。

     

     今年の成人式では神奈川県横浜市のレンタル業者「はれのひ」がトンズラするという多くの新成人を傷つける悲しいニュースもありました。こうしたレンタル業者から貸し出される振袖は、ほとんどがインクジェットプリンタによる模様が印刷されたものです。

     そして、レンタル業者に納品される振袖が、手描きではなくインクジェットプリンタである理由は、もちろん「安いから」です。

     

     もはや消費者側が、一生に一度しか着ない振袖に、高いお金をかけることができなくなりつつあるのです。レンタル業者側は、需要に応える形でインクジェットの安い着物を貸し出します。

     美しい着物や帯は、間違いなく日本の「伝統文化」の一つです。実質賃金が下がり続けると品質はひたすら劣化していく。やがては、すべての日本国民から「良い着物」を見極める目が失われ、文化としては死に絶えることになるのです。

     

     一度失われた「着物・振袖」という文化を取り戻すことは簡単ではありません。そして文化というものは利益で測りにくい分野です。特に伝統芸能は、「わかる人」にしかわからない傾向が強く、日本はとにかく歴史だけは世界最長であるため、伝統芸能の種類は多岐にわたるのです。

     

     歌舞伎、能楽、狂言、神楽、田楽、文楽、猿楽、浄瑠璃、長唄、民謡などなど、日本には多種多様な伝統芸能が受け継がれています。これほどまでに過去からの「文化遺産」が残されているのは、間違いなく日本だけです。

     

     日本は水田技術の発展で、農業生産性が高い。結果、余剰作物があったからこそ、飢えに怯えることがなく、素人にわかりにくい伝統芸能に「カネ」を払う人々がいたという点も重要です。周りが海に囲まれる島国のため、多民族からの侵略もほとんどない。農業の生産性が高ければ、それだけ余裕ができ、文化芸能を醸成しやすくなります。考えてみれば、伝統文化が発展するのに、これほどまで理想的な土地は、世界中のどこにもないかもしれません。

     

     もちろん、伝統芸能は経済性(儲かるという意味の経済性)がなかったとしても、国家として維持発展させるべき文化であると考えます。同じ文化を共有することで、国民に健全なナショナリズムを醸成し、国民国家としては強化されると思うからです。

     

     とはいえ、政府がそれらを支援すると同時に、伝統芸能を楽しみ、お金を払ってくれる国民が多く存在しなければ、文化は立ち消えざるを得ないでしょう。公共事業などと比べて大幅に削減されていない分、まだマシなのですが、日本の文化関係の予算は、21世紀以降、1000億円で微増の横ばいです。(下方参照)

     

    (出典:文化庁ホームページの「我が国の文化政策」平成29年度より抜粋)

     

     日本政府・財務省は、自国の文化の維持、発展のために予算を増やそうなんて、これっぽっちも考えていません。プライマリーバランス黒字化目標があるから、利益の出にくい文化なんて、積極的に支出を増やそうなんて発想はないのです。

     

     また昨年2017年4月17日には、自民党の国会議員元地方創生相の山本幸三議員は、観光を活かした地方創生に関する質疑の中で、「一番のガンは文化芸能員と呼ばれる人たちだ!観光マインドが全くない!一掃しなければダメだ!」と述べました。(参照ブログ:「学芸員と地方創生(ビジネスにしていい分野といけない分野) 」)

     

     日本の文化・学問・技術の貴重さ、これを理解せずに「利益にならないから不要」として切り捨てる発想の国会議員こそ、日本の真のガンです。

     こうした政治家の存在に加え、国民の実質賃金が落ち続けており、所得が減る国民が真っ先にカットするのは、当たり前ですけど「短期的な利益」になりにくい伝統文化です。

     このような状況が半永久的に続けば、最終的には日本の誇り高き伝統芸能は維持できなくなるでしょう。伝統芸能に従事する人々は、霞を食べて生きているわけではありません。余裕がある国民が払ってくれる「お金」で生きているのです。

     

     デフレの影響は現代コンテンツにも及んでいます。例えばマンガとかアニメとかゲームとか、世界中にファンが多い現代日本の大衆文化も、日本国民に余裕がなくなってコンテンツが買えなくなると、衰退していくしかないでしょう。

     

     

     というわけで、デフレを放置すると文化が廃れるということで、着物をはじめ、様々な文化が衰退するということを述べさせていただきました。無論、日本のこうした文化が、明日から突然なくなるというのではありません。デフレを放置することで、真綿で首を絞められるように、品質から低下していき、やがて廃れて消滅していくのです。

     私たち先祖がこの世に残してくれた数多くの文化について、将来世代に引き継ぐ義務があると思います。カネカネカネとやって、お金を貯め込んでも、供給力が弱体化すれば貨幣価値は下がり、国力は低下します。即ちお金をどれだけため込んでも、国力強化にはなりません。企業経営や家計とは違うのです。デフレ環境下では、企業経営と家計が無駄削減するのはやむを得ません。通貨発行権を持つ政府は無駄削減する必要はなく、むしろ積極的に財政出動することで供給力を保持させることができ、国力強化と日本文化の保持・発展させることができるものと、私は思うのです。


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