ジンバブエのハイパーインフレについて

0

    JUGEMテーマ:経済全般

     

     アフリカ南部のジンバブエという国のムガベ大統領が11/21に辞任しました。今日は「ジンバブエのハイパーインフレについて」と称し、ジンバブエについて意見したいと思います。

     

     下記は毎日新聞の記事です。

    『2017/11/22 毎日新聞 ジンバブエ ムガベ大統領辞任

    【ハラレ小泉大士】アフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領(93)は21日、辞任した。ムガベ氏は1980年の独立以来、37年間にわたって実権を握り続けてきた世界最高齢の首脳。「独立の英雄」として評価される一方、政権維持のために野党を激しく弾圧し、欧米諸国から独裁的と批判されてきた。ムナンガグワ前第1副大統領を中心とした暫定政権が発足する見通し。 (後略)』

     

    <南アフリカのジンバブエの位置>

    (出典:ヤフー地図)

     

     記事に記載の通り、ムガベ大統領は37年間にわたり大統領として実権を握り続けてきました。93歳です。ジンバブエといえば、2008年にハイパーインフレが起きました。私は国債を増刷して政府支出すべきという立場で意見していますが、国債増刷で通貨発行などといえば、ハイパーインフレになると意見される方がいます。

     

     ジンバブエは現在の国内経済も破綻している状態が続いています。兵隊や公務員にも給料が払えない末期的症状になっているのですが、この原因はムガベ大統領が身内びいきを鮮明にしたことが国軍のクーデターにつながったとしています。

     

     ジンバブエという国は、典型的な革命をやってしまった国家といえます。なぜならば、もともとジンバブエは農業大国でした。食料は過剰に生産できていた国だったのです。理由は白人の農場主が資本・ノウハウを持っていて、その白人たちが農業生産をしていたからです。

     

     ムガベ大統領は、その白人農場主たちを追い出しました。その結果、一気に農業の生産力(供給力)がなくなってしまい、経済のパイが小さくなってしまったのです。経済のパイに見合わない通貨発行は、ハイパーインフレの原因になります。そしてハイパーインフレになって、経済が崩壊した後、今はデフレになっているのです。

     

     経済というものを考えた場合、何が一番大切なのか?ジンバブエの事例を見ればよく理解できます。一番大切なのはお金ではなく、生産能力という供給力です。それをわざわざ白人を追い出すことで潰したという点で、歴史上最高に愚かな大統領ともいえるのです。

     

     白人から黒人へという黒人を優遇する考え方も理解できなくはありません。何しろ植民地政策では、欧米列強国は現地人を奴隷のようにこき使ってきたわけですから、革命で感情的に白人を追い出したくなる気持ちも理解できなくはないです。とはいえ、現実の経済は、農業生産について資本もノウハウもないど素人の黒人が経営を握っても何もできません。白人は追放され、まさに革命だったわけですが、結果的にわざわざ供給力を毀損し、国力を低下させたのです。

     

     そういう状態で、通貨発行すれば、物価上昇が急激になることは目に見えます。何しろ、需要>供給 で、しかも需要−供給=需要増の幅が極めて大きいという超インフレギャップ状態です。この状態で供給力を増強することをせずに通貨発行すれば、たちまち高インフレになるに決まっています。お金をたくさん払ってでも食料を買い付けに走る。飢えて死ぬのであればお金をいくらでも出しますということになるわけです。

     

     

     というわけで、今日はジンバブエについて意見しました。因みにですが、ハイパーインフレとは13000%のインフレを指します。13000%というインフレは、1.5×1.5×・・・・×1.5で、1.5を12乗すると、13000になります。これは1.5の12乗とは、毎月50%の物価上昇が12か月連続で続くものと思ってください。そうすると、今100円の缶コーヒーが、1年後13000円になるということになります。

     通常、工業先進国では、物・サービスの供給力が極めて高いため、ハイパーインフレになることはまずありません。第二次大戦後、戦争に負けた日本で高インフレが発生したと言われていますが、率にして300%程度。なぜならば東京大空襲など、本土爆撃を受けて焼け野原になった場所があちこちで発生したためです。供給力が毀損されていますので、物価上昇があったことは間違いないです。

     とはいえ、日本は先進国でゼロ戦が作れるなど、国力が高かったため、すぐに供給力を復活させることができました。その後も経済成長を続け、供給力を増強させて、先進国を維持することができたのです。

     国力とは、お金ではありません。財政黒字化とかプライマリーバランス黒字化とか、全く意味がありません。供給力こそ国力に直結するということを考えた時、ムガベ大統領の白人追放の愚かさ、国家とはお金ではないということを、私たちは学ぶことができるのです。

     

     

    〜関連ブログ記事〜

    国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

    ハイパーインフレの定義について

    「日銀が国債を買い取るとハイパーインフレになる!」のウソ

    しつこい財政破綻論を叩く!


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930 
    << November 2018 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
      ユーロン (11/12)
    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM