「日本は成熟国だから経済成長しない!」というウソ・デタラメ論

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     以前、本ブログにおいて、「経済成長は永遠です!(経済成長否定論を論破する!)」と称し、人口減少する日本が経済成長しないという論説の誤りを指摘いたしました。

     

     今日は、日本が経済成長していないこと、即ちGDPが伸び悩んで経済成長できていことと、人口増減の相関関係について改めてご説明いたします。

     下記は、2000年〜2015年の主要国のうち、人口減少国の人口減少率と平均経済成長率のグラフです。

    (出典:IMF)

     

     左側から順に、人口減少率の高い国を右側へ並べています。

     青い棒グラフに注目していただきたいのですが、ジョージア(旧グルジア共和国)、ラトビア、リトアニア、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニアといった2000年比で10%超の減少している国々と比べれば、日本の0.2%という数値は、はっきり言って誤差レベルです。

     

     赤いグラフでみれば、ジョージア、ラトビアでいえば、2000年比の平均経済成長率は、それぞれ5.7%、4.3%です。なぜ人口減少国が経済成長できているのに、日本は経済成長できないのでしょうか?

     

     インフレ期にはインフレ期の政策、デフレ期にはデフレ期の政策という、正しい政策が行われていれば、人口減少国も普通に経済成長できます。

     

     例えば、今政府が、将来の生産性向上を目的に、交通インフラに投資したとしても、効果が出るまでには10年、20年の歳月が必要です。そういう意味で、デフレ期の投資は、政府の公共投資拡大が最も効果的な政策といえます。しかも、生産性向上効果がすぐに出ないということは、失業者を増やす危険性もないわけです。

     

     また政府による技術投資も効果的です。新素材や資源や農業や軍事といった国家の安全保障と密接に関係がある分野の技術に、政府が投資を拡大すれば、将来の生産性向上と安全保障強化が担保され、かつ現在の需要不足を埋めます。しかも、これまた生産性向上効果は短期では起きないため、失業者の上昇もありません。

     

     政府支出による交通インフラや技術投資は、デフレ期における最適解といえます。こうした最適解といえる政府支出による交通インフラや技術投資は、人口の増減とはまったく関係がありません。交通インフラを整備できる国力(建造できる技術力・供給力)、技術開発できる国力(基礎科学などの知見と技術力・研究力)で、実際にインフラを建造できたり、技術開発が実現したりします。

     もちろん政府支出増加=生産の増加=分配の増加で、GDP3面等価の原則で考えれば理解しやすいと思いますが、経済成長(GDP成長)するのです。

     政府支出増による交通インフラ投資や、技術開発投資は、デフレ対策なのです。

     

     こうして考えてきますと、経済成長しない理由が、人口減少とすることは、他国の事例、マクロ経済的に不可能といえます。これでも反論する人々がいるとすれば、「ジョージアやラトビアは発展途上国だから人口減少しても経済成長できるが、日本は成熟国だから経済成長しないのです。」という反論をされるかもしれません。

     

     このような反論はアホらしい限りです。なぜならば日本が経済成長していないのは、投資を拡大していないからです。政府部門は存在しない財政問題を理由に緊縮財政をして投資を削減し、民間部門はデフレで儲かりにくい環境(物・サービスを生産しても値段を下げないと売れない、個数・回数が少なく買われるデフレ環境)であるために投資を先送り・中止・削減しているのが実態です。

     

     資本主義経済において、投資を減らして経済成長することなどあり得ません。日本が低成長に苦しんでいる間、欧米諸国の先進国は普通に経済成長を続けてきました。20年もデフレに苦しんでいるのは日本だけなのです。

     

     日本は欧米諸国よりも「成熟」しているから経済成長できないのでしょうか?「成熟」という抽象的な表現を使う人は、基本的に経済成長とは何なのか?言葉の定義の方法やGDP3面等価の原則の理論を、何一つ理解していないと断言します。何も理解していないからこそ、「成熟」といった抽象表現に逃げ、他国との定量数値の比較も一切していません。

     

     それっぽいことを言って現実を説明しようとすると、説明自体が抽象的になり、誤解を与えます。日本が経済成長していない理由は、成熟しているか否か?ではなく、単に投資が不足している、ただそれだけのことです。

     

     日本で民間企業が投資を縮小しているのは、デフレで儲からないからです。サービス業の24時間営業見直しも、24時間営業のために経営資源を投資しても、儲からないから維持投資を縮小するということ。需要減少にあわせて供給を削減するという動きそのものです。

     

     さらに「日本は成熟しているから経済成長しない」などという人々が多いと、「政府の公共投資は無駄だ!」「もっと無駄を削減しろ!」「構造改革しろ!」「民営化しろ!」といった論説が蔓延り、政府が実際に投資を削減すれば、絶対に経済成長率は低迷します。当たり前です。

     

     

     というわけで、今日は「日本が成熟しているから経済成長しない」という論説に反論するとともに、経済成長するか否か?は、人口増減と関係がないことをお伝えいたしました。デフレ脱却のために投資が必要なのですが、儲かりにくい環境では民間企業は投資実行に踏み切れません。そのため、通貨発行券を持ち、破綻することがない日本政府が、率先して投資していただく。そのことで民間企業の投資を誘発して、デフレ脱却を果たせるのです。


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