年末配送業務のバイトの時給が高騰する運送業界

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    JUGEMテーマ:運送業界について

     

     今日は、人手不足について関連し、2017/11/14の日本経済新聞の記事を取り上げます。

     

    『2017/11/14 18:00 情報元日本経済新聞 電子版 ヤマト、年末の時給2000円 物流人材争奪戦

    インターネット通販の繁忙期の12月を控え、物流関連のアルバイトなどの時給が高騰している。宅配最大手のヤマト運輸は一部の地域で2000円で運転手の募集を始めた。アマゾンジャパン(東京・目黒)も倉庫作業で1850円を提示している。人手不足の飲食や小売りも含めて業種を超えて人材の争奪が過熱し、宅配や外食などのサービスの維持に支障が出る可能性がある。(後略)』

     

     上記の記事に記載の通り、運送業界だけではなく、飲食業・小売業を含め、人手不足を背景に業界を越えて人材争奪戦が過熱しています。宅配や外食などのサービスの維持に影響を与える可能性があると記事では伝えています。

     

     これは率直に申し上げて、大変イイことです。人が余っているというより人手不足の方がはるかに良い環境であるといえます。人手=サービスを供給している人口です。これは生産年齢人口と近似値です。もはや日本は老人の手を借りてでも、という状況になっているといえます。健康で働ける老人は言うまでもなく、日本語を話せる人で自動車の運転免許があれば、時給2000円で働けるのです。

     

     私は学生時代、都内のコンビニエンスストアのセブンイレブンで深夜バイトをしていたことがありました。それでも時給は1,000円ちょっと超える程度だったと記憶しています。それは凡そ23年前の話です。GDPが伸び悩むのと同じで、バイトの時給は20年間ほぼ横ばい。大卒の初任給もほぼ横ばい。いかに日本がGDPが成長していなかったか?実感します。その意味で、バイトの時給が上がるということは、大変イイことだと思うわけです。

     

     本件でいえば業界最大手のヤマト運輸が値上げするとなれば、中小企業の運送業者も値上げに追随することが可能です。もともと

     

    <トラック事業に関する事業規制の推移>

    (出典:国土交通省の資料「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」から抜粋)

     

     上記の通り、運送業界は2003年4月に、最低運賃の引き下げの引き金となる「運賃事後届け出制」加え、各地域により最低5台〜15台となっていた最低車両台数の「全国一律5台」への引き下げという規制緩和が行われました。

     1997年の橋本政権の緊縮財政からデフレに突入したといわれておりまして、運送業界でも運賃の値下がりに伴ってドライバーの運賃は下がり続けました。にもかかわらず、2003年4月に規制緩和しているのです。その結果、ドライバーの成り手は減り、運送事業は、介護事業、タクシー事業、小売り事業、外食産業などと同様に、生産年齢人口減少の影響をまともに受けている業界の一つといえるのです。

     

     業界最大手のヤマト運輸は、ブラック企業の温床となる無理な業務を強いるアマゾンの配送業務を断ったり、今回は人材確保のための高時給の提示といい、サービス料金値上げの方向に動いています。前者は、「無理な業務を強いるのであれば値上げを飲んでください。嫌なら契約を辞めます。」ということであり、インフレギャップ(需要>供給)だからこそできる経営戦略です。後者もまた、需要>供給だからこそ、供給力を増強するために人手確保する動きと考えられます。

     

     いずれにしても、中小の運送業者は荷主の購買力が強く、ほとんど値上げできず、増収減益という業者が多かったのですが、業界最大手のヤマト運輸が値上げするとなれば、追随しやすくなります。ヤマト運輸に合わせて中小運送業者が便乗値上げすれば、物流サービスの維持ができるようになります。

     

     もともと運送業界は荷主の力が強く、ひどいダンピングに強いられ、運送業者サイドは値上げすれば、他社に仕事を取られてしまうことを恐れ、値上げできずにいました。結果、ダンピングを飲まざるを得ず、経営状況が悪化していったのです。本来は、独占禁止法の適用を緩和して、カルテルを認めるべきであると、私は思っておりまして、運送業界はそのくらいの窮状におかれているのです。

     

     デフレというのは人の価値が下がります。人が安く叩き売られる状況になります。なぜならば実質賃金が下がるからです。こうした動きは、実質賃金が下がるトレンドと逆行することになりますので、これは大変イイことなのです。

     

     荷主で考えた場合、イトーヨーカドーやイオンなどの大手流通業者もまた、消費者が値下げを求めるため、安売りになりがちです。デフレは、みんなが貧乏になっていくのですが、だからといって一斉にみんなが値上げすると、カルテルとなって独占禁止法違反になってしまいます。私はデフレ脱却のために、独占禁止法の適用を緩和し、カルテルを認め、談合を認めるということをやってもイイのでは?と思っているわけですが、その理由は、大手流通業者の所得が上がれば、巡り巡って私たちの所得も上がるからと考えているからです。

     

     外食産業でも年末年始に過去最高の時給を提示する企業が相次いでいます。昨年までは年末年始の繁忙期、学生が休みになるために他の月と比べて時給が下がるケースもあったようですが、今年の年末年始は人手不足が深刻で、過去最高の更新を続けてきた時給をさらに引き上げざるを得ない状況になっているようです。

     

     忘年会や新年会を抱える居酒屋チェーン店では、平均時給1000円と、前月比で2%ちょっとの上昇なのですが、これはヤマト運輸の時給2000円と比べると上昇率は小さい。なぜならば、外食産業は、外国人留学生を使うことができるからです。もし外国人留学生を、労働者として受け入れることができなければ、居酒屋のバイトの時給も1500円とかにせざるを得なかったでしょう。

     

     

     というわけで、今日は人手不足をテーマに、運送業界の時給が高騰しているという記事について取り上げ、意見させていただきました。


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