医療・介護サービスの報酬削減は経済成長を抑制する!(税収弾性値について)

0

    JUGEMテーマ:経済成長

    JUGEMテーマ:年金/財政

    JUGEMテーマ:高齢者医療

    JUGEMテーマ:国債

    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

    JUGEMテーマ:医療崩壊

    JUGEMテーマ:介護

     

     医療と介護サービスの公定価格見直しについて取り上げ、経済成長と税金と税収財政値の関係について論じたいと思います。

     

     下記は2017/10/25の日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2017/10/25 入院から在宅へ 6年に1度の医療・介護の同時改定 マイナス改定が焦点に

    財務省と厚生労働省は25日、2018年度予算編成を巡り、診療報酬と介護報酬の改定の検討に入った。6年ぶりの同時改定により、団塊の世代が75歳以上になる超高齢化社会を前に、効率的な医療・介護の体制を整える。両省は入院から在宅へ誘導する考えだが、社会保障給付費の抑制( にどこまでつながるか。持続可能な社会保障制度に向け調整を急ぐ。

    ●基本的な考え方

    25日に開いた財政制度等審議会で政府内の検討が始まった。試算だと社会保障給付費は全ての団塊の世代が75歳以上になる25年度に148.9兆円と17年度から23%増える。内訳をみると、年金はあまり増えないが、医療費は38%増、介護費は86%増にそれぞれ膨らむ。両報酬をマイナスにできれば、社会保障給付費を抑え、国民負担の増加も和らげられる。(◆

    両省は6年ぶりの同時改定にあわせ、医療と介護のあり方を一体的に見直す。患者の需要にあった効率的なサービス体制を整えるのを課題とする。入院患者を減らし、地域の医療・介護サービスを受けながら在宅で過ごす人を増やせるようにするのが理想的な姿だ。

    現在は重症患者のための「急性期病床」を多くそろえた医療機関に手厚く診療報酬を回す仕組みになっている。高齢者がリハビリできる「回復期病床」の需要が大きいのに、提供体制は急性期病床に偏りが激しい。報酬の構造を変え、超高齢化社会への対応を急ぐ。

    ●どこに切り込む?

    財務・厚労両省はこうした考え方に沿って、診療・介護の両報酬を見直す。急性期病床に偏重した医療体制など、患者のニーズにあわず、医療費の無駄を生んでいる可能性がある。財務省は診療報酬の算定基準を厳しくする方針で、厚労省も報酬下げの検討に入る。削減する一方で、自宅を中心とした地域での医療・介護の連携サービスには診療報酬で支援する。財務省は算定にメリハリをつける考えだ。

    医療・介護のサービス費用の効率化も目指す。財務省は重複投与を防止する取り組みがおろそかな薬局への報酬を下げる方針。費用対効果の低い高額な医薬品の薬価も下げる。介護では一人暮らしの家を訪れ家事などを援助するサービスで、月100回以上利用するケースもある。財務省は1日当たりの報酬に上限を設けるよう求める。

    ●水準

    前回16年度の診療報酬改定率はマイナス0.84%だった。財務省は今回、2%台半ば以上のマイナス改定を目指す。薬価引き下げに併せ、医師の給与にあたる本体のマイナス改定も求める構え。1%引き下げると、税金や保険料、患者の自己負担の合計で約4500億円減る。()

    財務省は介護報酬についてもマイナス改定を主張する。前回15年度は2.27%のマイナスだった。(ぁ

    ただ診療報酬については日本医師会のほか、与党議員にはプラス改定を求める声が強い。介護報酬も厚労省や介護事業者はプラス改定で譲らない構え。(ァ年末まで関係者間の攻防は激しくなりそうだ。』

     

     

     記事のフレーズで注目していただきたい箇所に赤字と青字にさせていただきました。赤字にしている箇所は、私が否定的な見解を持っている部分でして、その部分について逆説的にマクロ経済的な観点での影響を記したいと思います。

     

    ー匆駟歉禝詆嬌颪陵淦

    ・高齢化社会による社会保障給付費が増大するという需要の削減

    ・「GDPが増える=経済成長する」チャンスなのに需要を削って経済成長のプラス幅を小さくする

    ・GDPの成長のプラス幅が小さくなる場合、特に名目GDPが減少した場合は税収が減る

     

    ⊆匆駟歉禝詆嬌颪鰺泙─国民負担の増加を和らげる

    ・需要を抑えて、国民の資産の増加を妨げる

    ・社会保障給付費は、これからも最低20年は増大するという経済成長の絶好のチャンスの環境で、しかも財源は円建国債を発行すれば、国民の資産が増加するのに、それを妨げる

    ・需要を抑える結果、本来需要増によって名目GDP、実質GDPが成長し、名目GDPの増加分税収が増えて国民負担の増加が和らげられるのに、需要を抑えることで実質GDP、名目GDPが減少し、名目GDPの減少以上に税収が減収して国民負担がかえって増加する

     

    1%引き下げると、税金や保険料、患者の自己負担の合計で約4500億円減る

    ・診療報酬改定により1%マイナスすることで、約4500億円のGDP成長が抑制される

    ・診療報酬改定でマイナス改定しなければ、約4500億円の経済成長が約束され、プラス改訂すればプラス分さらに経済成長が加速することで、名目GDP、実質GDPが拡大し、名目GDPの拡大以上に税収が増収して、増収した分を医療費や介護費に投入することで自己負担額を抑えることができる(結果的に一人当たりの自己負担が低廉な費用で最先端の治療を何度でも受けられるようになる)

     

    ず睫馨覆浪雜酳鷭靴砲弔い討皀泪ぅ淵慌定を主張する 前回2015年度は▲2.27%だった

    ・介護報酬についてもマイナス改定することで、その分の需要が削減される

    ・2015年度に▲2.27%としたことで、2015年度、2016年度、2017年度、本来需要拡大によって経済成長するはずの数値が▲2.27%小さくなり、結果的に税収の伸びも抑制されることとなった

     

    イ燭誠芭妬鷭靴砲弔い討脇本医師会のほか、与党議員にはプラス改定を求める声が強い。介護報酬も厚労省や介護事業者はプラス改定で譲らない構え。

    ・日本医師会のほか、与党議員でプラス改定を求める声によって、プラス改定が実現すれば、プラス分が必ず名目GDP、実質GDPがプラスとなり、名目GDPがプラスになった分以上に税収はプラスになる

    ・介護報酬も厚生省や介護事業者がプラス改定で、財務省の削減要求に逆らえば、その分、経済成長して必ず名目GDP、実質GDPがプラスとなり、名目GDPがプラスになった分以上に税収はプラスになる

     

     記事の 銑イ砲弔い董解説してみました。解説文の中に、税収は名目GDPの伸び率以上に増収すると記していますが、これは税収弾性値によるものです。税収弾性値=税収増収率÷名目GDP伸び率で算出されます。

     日本の場合は、赤字法人が多いため、税金を払っていない法人が多いことから、税収弾性値は3以上あると言われています。事実、2013年度の安倍政権は積極財政を実施していたことから、名目GDP△1.9%に対し、税収は△6.9%でした。この時の税収弾性値は、6.9%÷1.9%=3.63 です。

     

     財務省のホームページでは、この税収弾性値は、やがて1に収斂していくということで、税収弾性値は当てにならないとしています。

     

    <財務省のホームページに記載の税収弾性値の解説>

    (出典:財務省ホームぺージ)

     

     上記で、「バブル期以前の平均的な税収弾性値は1.1です!」とありますが、GDPは企業会計上粗利益に該当します。つまりバブル期以前というのは、企業が儲かって儲かって仕方がなかったときです。なぜならば、日中国交回復は1972年で、朝鮮半島と日本列島の間では、深い海があります。欧州とは異なり、他国と陸続きでないため、地政学的に外国人労働者が日本に入ってくるのが難しい。経済成長するためには、手っ取り早く低賃金の韓国人や中国人を採用して利益を出すという方法が取れず、設備投資することによって一人当たりの生産性を高めていくしかなかったのです。

     

     結果、経済成長が達成することで、賃金UPにつながり、賃金UPした人々が消費することで需要増となり、需要増に対して設備投資で一人当たりの生産性向上によって生産性を高めることで、賃金UPしてという好循環が生まれていたのです。

     

     この状態は、少なくても今の日本ではなかったことでしょう。今の日本では、連結決算、連結納税により、トヨタ自動車などの大手企業でさえも、実質税率で30%税負担していません。赤字だけど技術力がある会社をM&Aで買収するとか、持ち分法適用会社だった赤字会社の出資比率を引き上げて連結子会社にするなどして、本体の黒字を相殺してグループ企業としての納税額を抑えるということを、普通にやっているからです。

     

     この方法はもちろん合法的です。何が言いたいかといえば、日本が好景気となってバブル期以前のような高度経済成長期となれば、どんな中小企業であっても黒字にならざるを得ません。結果、現在の税収弾性値3という数値は、将来1に収斂するでしょう。

     とはいえ、税収弾性値1というのは、日本の企業のすべてが黒字という状況です。税収弾性値1とは、名目GDPの伸び率と、税収の伸び率が同じであることを意味しますので、そういうことになるのです。

     

     また、名目GDPがマイナスになった場合、税収弾性値によって税収のマイナス幅は、名目GDPのマイナス幅以上に落ち込みます。理由は黒字の会社が赤字になったら、法人税を払わなくて済むからです。

     

     だからといって赤字の会社にも課税するという外形標準課税を導入してしまうと、赤字会社の経営が苦しくなり、赤字会社は従業員の賃金を払う原資が少なくなって、減給せざるを得ず、デフレ化してしまいます。

     

     減給した従業員は間違いなく消費を減らし、赤字会社もさらに支出を削減しようとします。こうした動きは全て需要削減で、デフレ化促進、税収減につながっていきます。

     

     

     というわけで、今日は財務省が医療・介護費を削減しようとしている動きが出ていることと合わせ、それらは需要削減で経済成長を抑制し、結果的に税収も落ち込むということをお伝えしました。また、税収弾性値についても、財務省の論説は間違っているという点を指摘いたしました。

     税収弾性値についていえば、長期間デフレに苦しめられた日本は赤字企業が多いからこそ、税収弾性値は高いといえます。2013年度の安倍政権が財政出動に転じて、名目GDP△1.9%で、税収が△6.9%となったことからも、税収弾性値は3程度の数値はあります。これが徐々に下がって1に近くなるということは、それだけ黒字の会社、儲かっている会社が増えるというプロセスを踏みますので、そのプロセス中に結果的に名目GDPの増収以上に税収が多く入ってくるわけです。

     財務省の税収弾性値についての論説は、財政について家計簿発想で考え、増税してから支出するという考え方にとらわれている結果の証左です。普通に国債発行すればいいのに、国家運営を家計簿発想、企業経営の発想で考えていることの証左です。

     日本の真の敵は、財務省の職員ではないか?と、つくづく思います。これを打破するには、私たち国民が知見を高め、財務省の職員の考え方が間違っているという認識を醸成する以外にないと思うのであります。


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031   
    << October 2018 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM