2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について

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     今日は「2018年度の税制改正の主要テーマに取り上げられた所得税の改革について」と称して、現在議論が行われている所得税改革について、取り上げます。

     

     自民党の税制調査会において、所得税の改革がテーマとして取り上げられています。下記は時事通信のニュース記事です。

    『時事通信12/1(金) 11:36配信 高所得会社員らの増税で一致=14日に大綱策定へ―自公税調

     自民、公明両党の税制調査会は1日、2018年度税制改正に向けた初の合同会議を開き、焦点となっている所得税改革などについて協議した。
     高所得の会社員らの所得税や、たばこ税の増税が必要との認識で一致した。週明け以降に各党で意見調整を進め、14日の与党税制改正大綱の策定に向けた作業を加速化させる。
     所得税改革では、働き方の多様化や格差是正を目的に年収800万円超の会社員らの「給与所得控除」を縮小する案を軸に検討している。会合では公明党が子育て世帯に加え、介護を必要とする家族を抱える世帯も増税の対象から外すように主張した。』

     

     税制改正の論点の一つに、突然所得税の改革というのが出て参りました。この背景、そもそも10/22投票の衆議院議員選挙において、公約に掲げられていたでしょうか?仮に政府与党自民党が、所得税改革なんてのを公約に入れていたら、選挙で負けていた可能性すらあります。

     選挙後に、いきなり所得税改革というのを出してくること自体、違和感があります。

     

     今回の所得税の改革のコンセプトは、高額所得を得ながら年金を受給する高齢者の税の控除の見直しや、「働き方改革」などで働き方の多様化に則した税制の在り方を議論し、富裕層への増税を強化することが目的に見えます。

     

     そもそも税金には、いろんな役割があります。公共サービスの財源だけではなく、所得再分配という機能があります。また、景気の変動を抑制するビルトインスタビライザー機能装置(安定化装置)という機能もあります。

     

     ビルトインスタビライザー装置というのは、景気がいいときに投資を抑制し、景気の過熱を抑えるというもの。所得税の累進課税強化や法人税増税をすると、景気の過熱を抑えることができます。

     また、景気が悪いときは、弱者に対して優しい税制となります。例えば直接税が高く、間接税が低いという税環境の社会では、「赤字企業は黒字になるまで頑張ってください!」「失業者は就業するまで頑張ってください!」という税制になるからです。

     

     いろんな意見があるとは思いますが、いま日本に必要だとすれば、所得再分配機能は必要と考えます。ところが、今の財務省のスタンスは、富裕層から税金をたくさん取るだけというスタンスです。

     同時に消費税を失くすとか、低所得者層に減税するとか、所得再分配の考え方がなく、単に取るだけです。

     

     また、賃上げを実施した企業への法人税減税も検討課題としています。安倍政権が10月末の経済財政諮問会議で、3%の賃上げが実現することを期待し、賃上げ率が高い企業への税の優遇を検討しています。

     仮に法人税を無条件で減税するくらいならば、賃上げを実施した企業への法人税減税の方がまだましです。

     

     とはいえ、賃上げを求めるのであれば、むしろ法人税増税をするべきです。なぜならば、企業は税金を払うくらいなら使ってしまえということで、支出を増やします。決算期末に車両を新車に入れ替えるなどの投資や、交際費が増えるだけでなく、賃金UPにも行き、景気が一気によくなります。

     

     このとき、株主から政府に文句がでるかもしれませんが、小島よしお風にいえば「そんなの関係ねー!」ってとこでしょうか?株主の声なんて無視で構わないと考えます。税引き後当期未処理分利益が、法人税増税で下がれば、一株当たり利益の減少要因になります。

     

     ですが、景気が良くなれば、自社の税コスト増と、売上増のタイミングは、企業や業種ごとで前後することはあっても、中長期的にみれば、景気がよくなることで、売上増の効果が大きくなっていくはずです。

     

     短期的な目線でしか見られない株主の意見なんて、「そんなの関係ねー!」で無視でよいかと。株式市場の売買主体の60%が外国人投資家ですし、外国人投資家が安く叩き売ってくれたところを、日本の国内勢が買えばいいだけの話。割安になれば買うニーズも出てきます。無理に日銀などの公的資金で買い支える必要もありません。債務超過にさえならなければ、一生下がり続けて株価がゼロになることはあり得えないからです。最も割安な状態で株価を買うことができれば、公的資金であっても利益が出しやすくなり、結果的に日本国民は恩恵を受けるでしょう。

     

     にもかかわらず、外国人投資家、あるいは日本人も含めたグローバル投資家が怒りだすから法人税減税し、賃金UPしたら法人税減税するという、財務省職員が考える緊縮財政路線と、グローバリズム路線の組み合わせで、どちらもダメダメな発想です。

     

     賃金を普通に上げれば、企業の純利益が下がり、株価が下がります。それが怖いので、こうした考えになるのでしょう。

     

     

     というわけで、所得税の改革について取り上げました。相変わらず国家の中枢にいる人々は頭が悪い。普通に政府が需要を作り、かつ長期プロジェクトものを政府が率先垂範して需要を作り出せば、企業は内部留保を控えるだけでなく、内部留保を取り崩して投資するでしょう。投資すれば儲かるというインフレギャップの環境(需要>供給)であれば、投資した方が儲かるからです。

     こんな簡単なことが理解できないのは、プライマリーバランス黒字化目標という家計簿発想の感覚が抜け切れていないことの証左です。国会議員だけでなく、財政諮問会議や、識者と呼ばれる人々、多くの人々が国家の運営を、企業経営や家計簿発想のように考え、緊縮思考を正しいものと思い込んでいる限り、デフレ脱却は困難でしょう。

     これを解決するためには、私たち一般人が経済についての知見を高め、彼らの主張を咎められるようになる必要があると思うのであります。


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