「国の借金」と間違った教育を受けている岡山県の女子高生

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     今日は毎日新聞の記事について取り上げ、「”いわゆる”国の借金」について意見します。

     

     下記は、10/22投票の衆議院議員選挙の争点で、消費増税の是非を問う形で報道された毎日新聞の地方版の記事です。

    『消費増税 教育無償化は良いが、国の借金は返すべき 重要争点、論戦に注視 /岡山

    (前略)

     安倍晋三首相は予定通り2019年10月に10%へと引き上げ、増収分の一部を幼児教育や高等教育の無償化に充てる方針を示す。一方、野党は教育無償化の重要性を認めつつ、消費増税の凍結や中止を訴える。無償化の恩恵を受ける高校生や若い母親らはさまざまな思いを抱え、与野党の論戦を見つめている。【高橋祐貴、益川量平】

     岡山市北区の児童養護施設「南野育成園」に入所する真備陵南高3年の篠原瑠南(るな)さん(17)は来春、奨学金を利用して「くらしき作陽大」(倉敷市)の食文化学部に進学する。給付・貸与型の奨学金を併用して、4年間で約320万円の支給を受ける予定だ。

     両親の経済的理由などから7歳で施設に入所。製菓衛生師を目指して専門学校に進学するつもりだったが、父親から「大学で栄養士の資格を取って、将来の進路の選択肢に幅を持った方がいいのでは」とアドバイスを受け、大学進学を決めた。

     学費をためるため、約2年前から飲食店で週5日、アルバイトを続ける。大学の入学金25万円は貯金で賄ったが、来年1月に入金期限が設けられている授業料74万円のうち、30万〜40万円の支払いのめどが立っていない。「心配が尽きない」と不安を漏らす。

     政府は消費増税分の一部を充て、来春から本格実施される「給付型奨学金」を拡充する方針だが、具体的な内容は明らかになっていない。篠原さんは「給付型の対象者と金額の枠を広げて、子どもたちにチャンスを与えてほしい」と訴えている。

     一方、国の借金返済に充てる分が減ることについて疑問視する高校生もいる。岡山龍谷高3年の徳永百香(ももか)さん(17)は最近、授業で国の借金を学ぶ機会があった。「ものすごい額だった。1回全部返していくことが大切では」と話す。

     幼い子を持つ母親らはどう考えているのか。岡山市北区に住むシングルマザーの女性(41)は「幼児教育無償化には賛成。もっと子どもを産みやすい環境になっていけば」と望む。長男(1)と2人暮らしで、月々の収入はパートで6万円ほど。市から支給される手当が頼り。長男が入る認可保育園の費用は無償になっているが、「経済的にギリギリ。子どもの将来の教育費を考えるとすごく不安になる」と静かに長男を見つめた。

     同区の主婦(27)は消費増税には反対の立場だ。長女(6)と次女(3)、長男(1)と3人の子を抱える。「幼児教育の無償化はうれしいが、消費税が上がると、子どもが大きくなるにつれて経済的な負担が重くなる」と顔をしかめた。

    割れる街の意見「少子化止めるためなら」「年金生活者負担増困る」

     消費増税の是非について、街角でも賛否の声が上がる。

     岡山市北区の自営業、原田幸十郎さん(69)は消費増税に賛成する。「世界と比べても日本の消費税はまだ低い。将来のためにも上げなければならないだろう。少子化は経済的な背景が大きいと思う。子どもの育成に力を入れ、産みやすい環境にしなければ」と話す。

     一方、同区の無職男性(79)は「年金生活者にとって、消費税の増税は負担が大きくて困る」と悲鳴を上げる。「年金は下がっているのに、介護保険料は上がっている。国の借金はこれまでも何とかやってきた。増税するなら福祉政策に力を入れてほしい」と訴える。』

     

     

     記事の一部を”赤文字”にさせていただきましたが、なんと学校の授業で「国の借金」を学ぶ機会があったということです。記事に出ている岡山龍谷高校3年生の徳永百香さん17歳は、一回全部返すべきでは?と意見しています。

     

     学校の授業でどのような語彙が使われたか、確認する必要がありますが、1000兆円の借金について「国の借金」という言葉が使われたとすれば、明らかに間違っています。1000兆円の借金は「政府の負債」であり、英訳した場合も”Goverment Debt”以外ありません。

     

     もし、「国の借金」という言葉があるとすれば、それは政府の負債だけではなく、家計の負債、企業の負債、金融機関の負債、日銀の負債、NPO法人の負債、を合計しなければなりません。それらを合計しますと7200兆円程度です。(下表参照)

     

     

     一方で、簿記が少しわかる人なら必ず理解できると思いますが、借金があるということは反対側で必ず貸している誰かが存在します。その貸している人とは誰か?といえば、家計の金融資産であり、企業の資産(安倍政権になって内部留保が50兆円増えています。)であり、金融機関の資産であり、日銀の資産であり、NPO法人の資産の合計です。それらを合計しますと、約7576兆円となります。

     

     負債が約7200兆円 資産が約7576兆円 ということは、純資産額約376兆円となります。この純資産残高は世界一の金額であり、2位の中国にダブルスコアを付けての世界最大の金持ち国です。逆に米国は純負債額約800兆円で一番の貧乏国となります。

     

     日米に共通することは、政府部門において外貨建て債務や共通通貨建て債務、例えばドル建て債務やユーロ建て債務が存在しないということです。

     

     普通に考えていただきたいのですが、

    ●預金1億円あるけど、借金が1億5000万のAさん

    ●預金5000万あるけど、借金が4000万のBさん

    この場合、AさんとBさんは、どっちがお金持ちと言えるでしょうか?

    Aさんは純負債額5000万、Bさんは純資産額1000万ということなので、Bさんがお金持ちとなるわけです。

     

     いやいや政府だけを見れば、日本政府は資産が564兆円、負債が1,272兆円で、純負債ではないか?と思われる方がいるかもしれません。そうです。その通りです。国の借金ではなく、日本政府は確かに純負債であるといえます。

     

     ところが、日本政府が抱える1272兆円には、外貨建て債務はゼロです。ここがポイントでして、過去財政破綻した国家との違いで、例えばアルゼンチンはドル建て債務を政府が抱えていました。自国通貨のペソ建て債務ではなく、ドル建て債務が原因で財政破綻しました。

     日本政府の負債1272兆円のうち、5%〜10%程度、外国人が保有しています。これは主には海外の政府が外貨準備高として保有しているものであり、これらも全て円建てです。しつこいですが、日本政府に外貨建て債務は存在しません。

     

     アイスランドの場合は、金融機関が外貨建て債務を大量に抱えて経営破たんし、破綻した金融機関を政府が救済する形で、外貨建て債務、具体的にはユーロ建て債務を抱え、返済できなくなって破綻しました。政府は直近でプライマリーバランスが黒字だったのですが、破綻した金融機関を救済したことで、急激に政府の外貨建て債務が激増したのです。

     アイルランドの場合は、金融機関がユーロ建て債務を抱えて経営破たんし、破綻した金融機関を政府が救済する形で、外貨建て債務が急増して破綻しました。アイルランドはユーロ加盟国であるため、自国の通貨発行権がありません。なのでギリシャと同様にデフォルトを引き起こしました。

     

     アルゼンチンとアイスランドの場合は、共通通貨建てではないため、アルゼンチンでいえばペソ、アイスランドでいえばクローネという自国通貨発行が可能です。ところが、外貨建て債務が厄介なのは、仮に自国通貨を発行したとしても、外貨に両替して返さなければなりません。

     

     アルゼンチンでいえば、ドル建て債務をペソで返済できませんし、アイスランドでいえば、ユーロ建て債務をクローネで返済で返済することができないのです。

     

     そのため、ペソをドルに両替して返済、クローネをユーロに両替して返済、というプロセスを辿るわけですが、このときに自国通貨を売ってドルを買う、ユーロを買うという行為自体が、さらに自国通貨安を引き起こし、外貨建て債務の実質的な価値が上昇してしまうのです。結果、自国通貨をどれだけ発行したとしても、外貨に両替することで自国通貨安に拍車がかかることとなり、返済ができないとなってしまうのです。

     

     これを解消するためには経常収支を黒字にして外貨を獲得し、その外貨で返済をしなければなりませんが、経常収支を黒字にするためには、よほど国力があって貿易収支黒字、サービス収支黒字、所得収支黒字という形にしなければ、外貨を獲得することすらできません。

     

     日本は、原発を停止していることで、鉱物性資源(原油や天然ガス)を高く買わされることで、貿易収支が赤字になるときもありますが、所得収支の黒字幅が大きく、収支は黒字になるため、純資産約375兆円は毎年増加し続けています。つまり、政府の負債が増えるスピード以上に純資産が増えるという状況なのです。所得収支には外国に投資した際の受取配当金や受取利息も含まれます。金持ち大国で他国への投資を含め、圧倒的な所得収支に支えられて、日本は国家としては純資産を増やし続けており、アイルランド、アイスランドのように金融機関が外貨建て債務を抱えて破綻ということも現時点では起きようがありません。何しろ外貨でお金を借りるニーズが金融機関や企業にもないのです。

     

     こうした事実を学校では教えず、バランスシートの貸方(負債・純資産)の政府の負債1272兆円だけをクローズアップし、「1000兆円を超える借金で日本は破綻する!」と高校生に教えているというのが、日本の実態です。

     

     

     というわけで、今日は「国の借金」問題が、高校生の授業でも取り上げられ、その内容が間違って教えているという実態をお伝えしたく、意見しました。

     再三にわたって日本は外貨建て債務がないということを述べました。ですが、日本は過去に外貨建て債務を抱えたことが2回あります。

     1回目は日露戦争のときに、日英同盟でポンド建て公債を借り入れ、良質な石炭を購入して戦艦を購入して「みかさ」と名付け、日露戦争を戦いました。このとき日本政府は全額びた一文もれなく返済期日に返済しています。

     2回目は東京オリンピックの時に、世界銀行からドル建て債務を借り入れました。世界銀行から借りたお金で東海道新幹線を作り、インフラを整備したのです。このときも日本政府は全額返済期日に遅れることなく返済しています。

     ギリシャがユーロ建て債務を借りたのは、公務員の給料のためでした。戦争やインフラ整備にお金を使って生産性向上により税収を加速度的に増やした日本と比べ、公務員の給料を払うのがメインだったギリシャの場合は、ドイツとのインフラ格差が埋まらず、収支は赤字にならざるを得ません。こうしたことも、日本が財政破綻した国々と違う点であるといえるのです。

     

    〜参考ブログ〜

    「 「プライマリーバランスの黒字化」を破棄せよ!(アイスランドのデフォルトについて) 」


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