宮崎県における東九州自動車道の重要性

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    JUGEMテーマ:経済全般

    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

     

     今日は公共事業の中でも、宮崎県の東九州自動車道について取り上げ、インフラ系の公共工事の経済効果について意見します。

     

     日本では、「公共事業は悪」「交通インフラは不要」という考え方が社会通念化して蔓延しています。最低限必要な交通インフラでさえ、反対を押し切る政治力が不可欠であり、建設に何十年もかかってしまうというのが実情です。

     

     設備投資にしろ、公共投資にしろ、生産性向上の効果を事前に測定することは難しく、設備投資を例にすれば、企業は事前に需要を予測し、慎重に生産性向上のための投資を判断するわけですが、需要を見誤った場合、投資の償却費用(減価償却費用)が経営の重しとしてのしかかります。

     

     公共投資にしても、交通インフラを整備し、どれだけの生産性向上効果があるのか?予測を付けるのは難しいです。だからといって、交通インフラが整備されていない地域において、生産性向上が起きないのは必然です。

     

     そもそも、高速道路、新幹線、港湾などの交通インフラが整備されていない地域に、工場を建設する経営者はいません。なぜならば、工場を建てたところで、従業員の通退勤すら困難で、人口密集地に営業するにしても、市場へ出荷するにしても、困難だからです。原材料を運び込むこともできず、製品を製造しても市場に出荷することすら難しいのです。このような地域に、生産拠点を設ける経営者は、土地が安いから程度の理由のみで判断することはないと思います。もし、土地が安いからというだけの理由で判断するとすれば、経営者は首にした方がいいでしょう。投資しても儲からないからです。

     

     交通インフラの整備は、工業製品だけでなく、農業やサービス業の生産性にも決定的な影響を与えます。2016年4月24日(日)に、東九州自動車道の椎田南IC⇔豊前IC間が開通しまして、北九州市と宮崎市が結ばれることになりました。それまでは、高速道路が途切れていて、いわゆるミッシングリンクという状態だったのですが、ようやく宮崎市から北九州市へのアクセスの生産性が向上したわけです。

     

    <北九州から宮崎までの高速道路の区間図>

    (出典:NEXCO西日本のホームページ)

     

     北九州や福岡から熊本を経由する西回りの九州縦貫道は、1995年7月に開通しており、九州西回りと比較して、東回りは20年以上遅れたことになります。

     結果、熊本産のスイカが東京市場を席巻したのに比べ、宮崎産のスイカは「見かけることすらない」という状況だったのです。スイカで、東京卸売市場(築地、大田、北足立、葛西、豊島、淀橋、板橋、世田谷、多摩NTの全9市場)の入荷の数値を見てみますと、下記の通りです。

     

    <スイカの東京市場への出荷状況>

    平成28年4月〜平成29年3月(東九州自動車道全面開通2016年4月24日(日)以降)

    熊本産スイカ:数量9,881,979個 金額2,637,697,273円

    宮崎産スイカ:数量4,950個 金額1,527,552円

     

    平成27年4月〜平成28年3月(東九州自動車道全面開通2016年4月24日(日)以前)

    熊本産スイカ:数量9,664,806個 金額2,437,036,210円

    宮崎産スイカ:数量 金額 データなし

     

    平成26年4月〜平成27年3月

    熊本産スイカ:数量9,927,089個 金額2,321,232,567円

    宮崎産スイカ:数量 金額 データなし

     

     

     もともと宮崎県は年間快晴日数が全国1位〜3位と気候的に恵まれています。一方で北から延岡市、宮崎市、都城市・日向市という3大都市圏を有するものの、森林面積比が全国第9位と高く、山間部が多いという自然条件の厳しさがあります。さらにインフラが整備されていないために、人々の生活圏はより細かく分断されてしまっているのです。

     

     本来であれば、散在するそうした地域を結ぶインフラが整備されてしかるべきです。にもかかわらず、鉄道はJR九州所管の日豊本線のみで、私鉄網は存在しません。ついでにいえば、日豊本線は単線となっていまして、九州新幹線全線開通により勢いづく西側の他県と比べて、格差が格段についているのです。

     

     航空については、宮崎空港があるものの、県西部の住民は熊本空港、県南部の住民は鹿児島空港が近いという状況で、宮崎空港の利用者は限定されています。

     

     港湾については、油津港などがありますが、宮崎県としてグローバルな国際港は、存在しません。

     

     高速道路でいえば、熊本は九州縦貫自動車道が早期に開通したため、東京市場と高速道路で早くから結ばれていました。そのため、生鮮食材を東京という巨大市場のセリの時間に間に合うように届けることが可能です。

     

     一方で宮崎は信号が多い一般道を通る必要があり、東京市場に農産物を届けられず、セリの時間に間に合いません。

     

     結果、宮崎の農家一戸当たりの農産物を増やし、生産性向上により農家が豊かになるためには、交通インフラの整備が必須だったのです。ようやく東九州道路が開通して、宮崎産の農産物が東京市場に大量輸送されることになったのです。 

     

     メガ市場の東京市場に農産物を売るという意味でいえば、高速道路の開通は宮崎県の農家の生産性向上に大いに役立つに違いありません。何しろ今までどれだけ宮崎の農家が素晴らしいスイカを育てたとしても、高速道路なしでは東京に出荷することができなかったのです。

     

     

     というわけで、今日は交通インフラをテーマとして、東九州自動車道を含め、宮崎県内のインフラについて述べました。新幹線整備計画で、九州では長崎新幹線が話題になっていますが、東九州新幹線もまた、早く整備へと実行に移していただきたい。そうすれば、宮崎県内の企業の営業マンの商談時間や、九州の他県からの商談アクセスの短縮につながり、熊本県との東西格差が是正されます。これこそが、真の地方創生であり、インフラ整備を語らずして地方創生なんてあり得ないと私は思うのであります。                                                       

     


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