医療サービスにおける混合治療推進論について反対します。

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     今日は、医療サービスにおける混合治療について意見したいと思います。

     

     2016年4月に、政府は公的保険がきく診療と保険適用外の自由診療を併用させる混合治療である「患者申出療養」という制度がスタートしました。この「患者申出療養」という制度は、第2次安倍政権誕生後、2013年1月24日に設置した規制改革会議の議論の中で生まれたものです。

     その後、2014年6月24日に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2014の中で、困難な病気と闘う患者からの申し出を起点とした制度を創設して、患者の選択肢を拡大することを目的に、新たな健康保険適用外併用療養に仕組みの創設が書き込まれ、政府の方針として「患者申出療養」の創設が正式決定されました。

     その後、2015年5月29日、「持続可能な医療保険制度を構築するため国民健康保険法等の一部を改正する法律」が公布され、この法律が「患者申出療養」制度の根拠となっています。

     

     ここで、「先進医療」との違いについて触れておきます。保険外併用療養というのは、健康保険適用診療と、健康保険適用外診療を併用する療養のことをいいます。日本では原則として混合治療は認められていません。そのため、日本では未承認の薬剤等を使う場合、未承認の薬剤費用のみならず、全額が自己負担ということになっています。

     

     混合治療推進論とは、健康保険適用と健康保険適用外の診療を併用した場合に「保険適用部分は政府の公的医療費で支出するべきだ!」というものであり、それを推進すべきであるというのが混合診療推進派の主張です。

     それに対し、日本医師会などは「患者が受けられる医療サービスに金銭的事情から格差が生じる」として混合治療解禁自体に反対していました。

     私の立場は、混合治療を推進するよりも、単に自由診療を保険適用に組み込めばいいというのが私の意見です。例えば海外で実績がある抗がん剤であれば、すぐにでも保険適用して患者の負担を最小限にし、日本国民に幅広く最先端の医療サービスを受けられるようにすればいいわけです。

     

     テルモ社(証券コード:4543)では、ハートシートという治療が、全額自己負担でしたが、2016年1月より保険適用されています。このハートシートというのは、重度の心不全患者や、狭心症、心臓病患者の治療方法として、テルモ社が供給していました。健康保険適用する前は自己負担で、約1,000万円以上かかっていました。これが健康保険適用されることで、心臓病患者や狭心症患者らの需要増大が見込め、安心して最先端の医療サービスが受けられるようになったのです。

     いうなれば、がん治療の重粒子線治療や陽子線治療についても健康保険適用すれば、がん患者からの需要はありますので、安心して低廉な自己負担額で最先端の医療サービスが受けられるわけです。

     

     ところが、上述の私の意見に対し、「財政問題があるのだから、そんなことできるはずがない。ハートシートも結局税金で国民負担が増大している。これでは財政が持たない。公的医療費を抑制するためには、混合治療(=患者申出療養制度)の推進しかない。」という反論意見をお持ちの方、いませんでしょうか?

     

     私から言わせれば、その反論は極めて「奇妙」です。混合治療を推進したとして、別に医療費が抑制されるわけではありません。落ち着いて考えれば、誰もが理解できると思いますが、混合治療を推進すれば、むしろ公的医療支出は拡大することになります。なぜならば、混合治療はしつこいですが、健康保険適用診療(公的医療費による診療)と健康保険適用外診療(自己負担による診療)の混合です。

     混合治療解禁前は、健康保険適用診療について、公的医療支出は実施されていません。つまり混合治療をする場合、患者が全額自己負担をするか、治療を諦めざるを得なかったのです。

     

     このようなことを考えれば、混合治療を推進するよりも、自己負担分を含めて健康保険適用した方が、すべての日本国民が最先端の医療サービスを受けられることになり、高福祉低負担が実現します。高福祉低負担となれば、どこかに負担が行くのでは?と思われる方、家計簿の発想で考えている間違った財政運営です。財源は赤字国債でも医療国債でも何でも構いません。通貨発行権がある日本政府が円建ての国債を発行し、それを財源にすれば何ら問題ありません。

     

     

     というわけで、今日は混合治療について意見しました。私は混合治療の推進に反対です。もし、混合治療を全面解禁した場合、日本国内の医療格差が拡大し、しかも政府の公的医療支出は増大するからです。最終的に、米国と同じように医療費の自己負担分が一方的に膨れ上がることになります。そうなれば、国民は高騰する医療費に不安を抱き、米国のオバマ政権が導入し、トランプ政権が見直しを検討しているオバマケアのような「民間医療保険サービス」がなだれ込んでくることになります

     もちろん、最先端の自由診療を審査して、次々に保険適用していった場合、混合治療解禁以上のペースで公的医療支出は増大します。とはいえ、日本は長年にわたるデフレに苦しんでいますので、デフレが継続している以上、また財政問題も存在しない以上、普通に政府は国債を発行して通貨発行による財政出動で公的医療費の伸びを賄えばいいのです。

     やがてデフレから脱却して日本経済が健全なインフレ率の下で経済成長すれば、税収が増えます。デフレ脱却後は増収する税収で医療費の伸びをカバーすればいいだけの話なのです。


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