マンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を振りかざすエコノミストらへの反論

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    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

     

    今回のテーマはアカデミックな内容ですが、公共工事を否定する学者の中で、特にマンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論を持ち出す人が多いため、論理的に反論したいと思い、取り上げさせていただきました。頑張って付いてきてください。

     

    さて、お題にあるマンデルフレミングモデルとクラウディングアウト理論は、いずれも仮設です。

    仮説とは、ある一定の条件を満たしたときに「〇〇現象が発生するのでは?」というものです。

     

    マンデルフレミングモデルの概要は以下の通りです。

     

    <マンデルフレミングモデルによる政府支出効果否定の主張プロセス>

     〆眄政策をして国債を発行する

          ↓

     ∋埔譴里金をたくさん吸い上げる

          ↓

     6箙圓砲金が無くなるので金利(名目金利)が上がる

          ↓

     こ或妖蟷餡箸、金利が高い円を買おうとして円高になる

          ↓

     ケ濆發砲覆辰燭虱⊇个減る

          ↓

     ν⊇个減った分、政府支出によって創出された需要がキャンセルされる

          ↓

     Х覯漫∪府支出による需要が輸出減少分の需要と相殺されて効果がない

     

    上記プロセスのうち、 銑がクラウディングアウト論の仮説、 銑Я澗里マンデルフレミングモデルの仮説に該当します。

     

     

     

    1.クラウディングアウトの概要

     

     クラウディングアウトとは、政府が国債発行すると市中からお金が無くなって金利が上昇して、民間企業がお金を借りにくくなって投資が抑制されるという理論です。

     しかしながら、バブル崩壊後は、このクラウディングアウトは発生しません。バブルが崩壊すれば、借金返済しまくり、家計も企業も預金を積み上げるようになります。それがGDP成長を抑制して、消費や設備投資にマイナスの影響を与える結果、デフレになります。

     デフレになると物・サービスが値段を下げないと売れにくくなるため、企業はお金を借りません。政府は国債発行を続けていますが、事実として日本の長期金利は1987年以降、バブル絶頂期の199010月に7.88%のピークを付けて以来、右肩下がりになっています。

     

    <長期金利の推移(19871月〜201612月)>

     

     

     

    2.マンデルフレミングモデルの概要について

     

     マンデルフレミングモデルとは、公共工事を否定する人々が理由にする経済モデルの仮説の一つです。

     否定意見は下記の通りです。

    ●政府が国債を発行して市中の国債を買うと、金利が上がってしまうではないか!

    ●金利が上がると、外国人が日本円を買いたがるので必ず円高になる

    ●結果的に日本の輸出が減ってしまう

    ●財政出動して所得を生み出しても輸出が減少して生み出した所得がキャンセルされる

     

     確かに、民間企業がお金を借りまくっているとき、即ちインフレ期に政府が国債発行すると金利が上昇します。

     しかしながらバブル崩壊後は、クラウディングアウト(プロセス 銑)は発生しません。バブル崩壊すると借金を返済する人が多く、お金を借りたがらなくなるのです。お金を借りて投資をせず、ひたすら借金返済と預貯金に励む行動を続ければ、GDP成長せず、デフレ(需要の不足)となり、金利は下がり続けるのです。事実長期金利は、資料「長期金利の推移(19871月〜201612月)」のグラフの通り、20年間近く下がり続けています。

     

     マンデルフレミングモデルが成立するには、民間が常にお金を借りたがっているという前提条件が必須です。この「常に」というのがポイントでして、インフレ期ならまだしも、バブル崩壊後に訪れたデフレ環境において果たして「常に」民間はお金を借りたがっているのか?是非お考え下さい。

     

     デフレの今日、読者の皆様を含めて、皆さんの周りでお金を借りたくてしょうがないなんて人は極めて少ないと思うのです。インフレになっている場合は、物・サービスの価格が高く買われますので、お金を借りてもビジネスとして儲かりやすいため、「常に」借りたがっているということが成立することがあり得ます。今の日本では、物・サービスの価格を値下げしないと買われないデフレなので「常に」借りたがっているという状態は当てはまらないのです。

     

     

     

    3.経済学の知識に溺れた的外れな公共工事批判

     

     〆眄政策をして国債を発行する

          ↓

     ∋埔譴里金をたくさん吸い上げる

          ↓

     6箙圓砲金が無くなるので金利(名目金利)が上がる

          ↓

     こ或妖蟷餡箸、金利が高い円を買おうとして円高になる

          ↓

     ケ濆發砲覆辰燭虱⊇个減る

          ↓

     ν⊇个減った分、政府支出によって創出された需要がキャンセルされる

          ↓

     Х覯漫∪府支出による需要が輸出減少分の需要と相殺されて効果がない

     

     マンデルフレミングモデルの主張プロセス「銀行にお金が無くなるので金利(名目金利)が上がる」即ちクラウディングアウト理論については、デフレに苦しむ我が国において成立しません。事実20年間長期金利は下がり続けています。結局のところ、金利が問題なのではなくデフレが問題なのです。

     

     もし、そのような反論をした場合、「デフレで通貨価値が上がり、実質的な金利が上がるではないか!」と再反論される可能性がありますが、何度も言いますがそもそも20年間名目金利は下がってきているという事実があります。クラウディングアウト理論は、名目金利が上がるという話だったのではないでしょうか?要は、経済学の知識に溺れ、仮説にすぎないマンデルフレミングモデルという経済理論が常に成立すると思い込んでいるのです。

     

     経済理論は仮説です。

     例えば、以下の3つ

    「マンデルフレミングモデル」

    「クラウディングアウト理論」

    「フィッシャー方程式(※)」

     

    (※)フィッシャー方程式:実質金利=名目金利−期待インフレ率

       名目金利が一定とすれば期待インフレ率を引き上げることで実質金利が下がるという関係式

     

     上記は3つともすべて経済学でいう理論は仮説なのです。仮説とは「一定の条件を満たしたときに、〇〇の状態になる」ことを言うのです。

     「マンデルフレミングモデル」「クラウディングアウト理論」で言えば、インフレの時には成立します。インフレ期に政府が国債発行したら間違いなく名目金利が上がります。なぜならば、インフレ期は物・サービスの値段が高く買われますので、儲かりやすい環境なので、お金を借りたがっている人が多い。その状況で政府が国債を発行して銀行からお金を吸い上げれば、名目金利は上昇せざるを得ません。

     名目金利が上がれば輸出で需要がキャンセルされるは、当たっています。とはいえ、今起きている現象は全然違うのです。

     

     100歩譲ってクラウディングアウト理論が成立している状況だったとしても、金融政策をパッケージにして例えば「公定歩合引下げ」「預金準備率引下げ」などの金融緩和政策を同時に行えば問題ありません。

     

     「政府支出のみ実施することは金利上昇懸念があるから問題であるならば、金融政策をパッケージにしましょうよ!」と言えば、「マンデルフレミングモデルがあるから国債発行は無意味だ!」という反論ができないはずです。

     

     それでも、どういう環境でも公共工事を否定する人は、あるイデオロギーに染まっているとしか思えません。例えばB/C(Benefit Per Cost)で1以下は実施すべきでないというように、イデオロギー的に「B/Cは絶対なので公共工事はまかり通らん」とB/Cがいかなる時でも正しいと思っている人たちです。

     

     

     

    4.経済学における統計的に逃げられない原則

     

    経済学の中には絶対に統計的に逃れられない原則があります。

    ●誰かが金を借りた場合は、絶対誰かが金を貸している(簿記)

    ●所得を拡大するためには、誰かが消費や投資としてお金を使ってくれなければならない

    ●所得の定義=誰かが消費や投資をして使ってくれたお金

    ●政府が財政出動しない場合は、必ずGDPにはマイナス効果が発生する(GDP合計が絶対的にマイナスになるかどうかは別)

    GDP=所得の合計=支出の合計=生産の合計なので、政府支出を削減すれば削減した分GDPはマイナス効果が働き、所得も生産も減ります。

    ●お金は使っても消えない(円は日本国内でしか利用できず、国内にとどまる)

    ●GDP3面等価の原則(生産面のGDP=支出面のGDP=分配面のGDP)

     

    そして下記は事実です。

    ●国債発行残高が増えている

    ●バブル崩壊以降、金利は下がっていて上昇していない

     

     財政政策の有効性を主張したとして、相手がマンデルフレミング理論を信じ込む人の場合は、金融政策のパッケージを言っていないような印象操作を与えてくるので問題です。したがって初めから、「金融政策と財政政策のパッケージでやりましょうよ」と主張しておきたいと思います。今は、政府が国債を発行したら金利が上がるという状況ではありません。

     マンデルフレミングモデルは、インフレ期に限定すればロジックとしては正しい。とはいえ、「今は政府が国債を発行しても金利が上昇するような環境ではないでしょう!」ということです。 

     

     というわけで、今回はマンデルフレミングモデルによる公共工事否定論者に対して、反論させていただきました。皆様も、公共工事を否定する経済学者・経済評論家・証券アナリスト・エコノミストらが公共工事を否定しているのを見かけたら、ぜひ反論しましょう。

     

     

     

     

     


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