米国産牛肉のセーフガード発動と外食チェーン店の対応

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     今日は2017/8/1付の産経新聞の記事について取り上げます。

     

    『産経新聞 2017.8.1 21:23 牛肉セーフガード発動も外食・小売り、価格転嫁に慎重

    米国産などの輸入冷凍牛肉へのセーフガードが発動されたことで、外食・小売り各社は今後、仕入れ価格の上昇に直面する。庶民の財布のひもは固く、直接的な価格転嫁には及び腰だ。

     内臓肉はセーフガードの対象に含まれないため、「ロースの代わりに、ハラミなどを中心に食べてもらえれば」(焼肉店)。

     一方、牛丼チェーンは切り替えが難しい。すき家を展開するゼンショーホールディングスは、価格転嫁について「為替や商品相場を含め総合的に判断する」と慎重。米国産牛肉にこだわる吉野家のダメージは大きいが、価格転嫁すれば客離れを招きかねない。

     小売り各社も対応に苦慮する。イトーヨーカ堂は「在庫が残っているうちは値上げしないが、その後については未定」という。

     日本スーパーマーケット協会など業界3団体は、機械的なセーフガード発動への反対を訴える。「米国産牛肉の多くは、販路も用途も国内産牛肉とほぼ明確な棲み分けができている」と主張。「消費者利益が損なわれ、国民の生活にも多大な影響を与えかねない」として7月27日、国民生活産業・消費者団体連合会と連名で山本有二農林水産相に柔軟な対応を要望した。

     イオンの岡田元也社長は「こうした事態を避けるための貿易協定が必要」と日米両政府に注文をつけた。』

     

     

     上記記事の通り、米国産の輸入冷凍牛肉について、セーフガードが発動され、牛肉の卸売値が高騰しているというニュースです。

     多寡になった関税が流通市場に転嫁されており、今後、外食産業や小売店の販売価格への転嫁や特売削減などを通じて、消費者の負担が増える可能性があります。

     一部の外食チェーン店にとっては、オーストラリア産、メキシコ産に切り替える動きも出ている模様です。

     

     もし、日本の実質賃金が上昇し、豊かになっている状況であれば、牛丼が値上げしたとしても、「まぁ仕方ないかぁー!」という話になりますが、おそらくできないのではないでしょうか?

     記事に掲載されている通り、価格転嫁すれば客離れをするとあります。即ち販売価格が上昇したとして、実質賃金が上昇しなければ、牛丼屋に行く回数を減らす、サイドメニューの注文を我慢する、という行動を消費者が取る可能性は高いのです。

     

     それでは、皆さんが牛丼店の社長だったらどうするでしょうか?おそらく価格を維持して人件費をカットすることになると思います。それはそれで、デフレが深刻化されるのです。

     

     政府の需要創出による実質賃金の拡大という政策がないことが、全て制約になっており、おそらく人件費カットという道を取らざるを得ないでしょう。吉野家ホールディングス、ゼンショーホールディングス、松屋フーズ、3社とも人件費カットで対応するものと予想します。

     

     また牛丼店からすれば、品質の問題もあり、米国産からオーストラリア産、メキシコ産に変えることはできないのではないかとも思っておりまして、経営から見れば、価格転嫁か?人件費カットか?という選択肢2つとなれば、後者となるような気がするのです。

     

     牛肉のセーフガード発動に反対する人もいるようですが、もしセーフガードを発動しなければ、日本の酪農家がつぶれます。普通にデフレ脱却するために政府がお金を使えば、全部解決できます。酪農家もそれ以外の国民もハッピーになれる唯一の政策が、国債増刷+政府支出増なのに、それをやらないから、このような話になるわけです。

     

     

     というわけで、私は煽る話は好きではありませんが、今回のニュースは、マクロ経済的には悪いニュースです。何しろ、価格転嫁ができるような状況でないので、結果コストカットするということ自体が、牛丼チェーン店で働く人たちの所得が減少し、彼らが消費者サイドになったときに購買力が下がるからです。

     ですが、セーフガード発動は、食料安全保障上重要です。何しろ、自国で何でもできることが強い国力であると考えるから。セーフガードを発動せず、酪農家を崩壊させ、牛肉を全て海外からの輸入に頼るとなれば、これは国力弱体化そのものです。

     緊縮財政でお金を使うのは無駄と考える発想を持つ人と、食料安全保障を理解しない人々が、セーフガード発動に反対しているものと理解します。

     このままだと、日本は発展途上国になっていきます。デフレであるがゆえに無駄が必要、もしくは安全保障にかかわる分野は経済状況がインフレデフレに関係なくコストを払い続ける必要があるということを、私たち国民は理解する必要があると思うのです。

     


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