民進党(前原氏・枝野氏)はマクロ経済を理解していません!
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今日は、民進党の9/1実施の党首選挙について触れます。 前原氏と枝野氏が立候補しましたが、お二人の主張を取り上げさせていただき、お二人どちらが党首になっても日本が良くならないということを私見として述べさせていただきます。
私には支持政党というのがありません。このブログでも、著名人を批判しますが、人格否定をしているわけではありません。物事を理解しているしていないというのは、学歴や職歴や資格の有無では、わからないということを、経験しているからです。普通に具体的にロジカルに正しい情報を発信していれば、私は普通に称賛します。
ですが、それっぽいこと、間違っていること、しかもそれが国益を損ねることであれば、発信者が著名人であればあるほど、悪影響が大きいと思うため、厳しく批判せざるを得ないのです。
私が思うこととして、民主党・民進党という政党についていえば、「コンクリートから人へ」という悍ましい発想で、国民を災害安全保障から危険に晒し、将来の生産性向上のためのインフラ整備を無駄と主張している点で、日本国民のための政党ではないと思うわけです。それを撤回し、今までの主張が間違っていたと発信しない限り、信用に値しない政党であると考えます。
以下は、THE-PAGEというサイトからの引用で、前原氏と枝野氏の政策を取り上げています。
『民進党の前原誠司元外相は7日、9月1日に行われる民進党代表選に立候補することを正式に表明した。「自公に変わる受け皿をつくらないといけない」と述べ、そのための政策として、「失敗したアベノミクスではなく、新たな国民の不安を取り除く政策」を打ち出すとして、教育の実質無償化を中核とする再分配政策を充実させ、「中福祉中負担」の社会を実現したいと語った。(中略)
具体的な政策としては、みんながみんなを支え合う「オールフォ―オール」社会の実現を訴えた。アベノミクスは「国民の生活の基礎をなす実質賃金・実質可処分所得を下げることをやってきた」と批判する一方、「『オールフォーオール』は社会政策であると同時に経済の政策の中核をなすもの。再分配政策を充実させ、国民の不安を取り除く」と述べた。例えば若い世代が結婚したくてもできない、理想の子ども数が持てないという現状を踏まえ、その支援策として、就学前教育保育、高等教育での「実質的な教育無償化」を行うとした。
そして、「遠くない衆院選のマニフェストに、(アベノミクスの)自己責任型社会を選ぶのか、あるいは『中福祉中負担』、安心を得られる社会を選ぶのかをしっかり示したい」と語った。
中福祉中負担の国民負担のイメージについては、財務省から提示された数字として、日本や欧州諸国の国民負担率を紹介。日本の国民負担率は42.5%で、約1000兆円の国の借金を踏まえた潜在負担入れると49%くらいになるという。フランスは68%(潜在負担込みで70%超)で「これは高福祉高負担。中福祉中負担という以上、そんなに高くするつもりはない」と述べ、「ドイツ(52.5%)とイギリス(47.5%)の間くらい」と説明した。
財源については「徹底した行政のムダをなくしていく」が、それだけでは実現できないとして、「あらゆる税のベストミックスを考えていく中で、中福祉中負担を党の総意の中で決め、オールフォーオールが実現できる新たな社会像を示す」と意欲を語った。』
『民進党の枝野幸男元官房長官は8日、9月1日に行われる代表選への立候補を正式に表明した。「自民党に変わりうる政権の担い手たるのは、民進党以外にあり得ない」と述べた上で、民進党は自民党と目指すべき社会像が違うことを明確に示すとした。「多様性を認め合い、お互い様に支え合う」社会の構築や、原発ゼロ政策の前倒しなどを訴えた。(中略)
枝野氏は「自民党に変わりうる政権の担い手たるのは、民進党以外にあり得ないと確信している」と述べる一方で、「“第二自民党”では本物の自民党に勝てるはずはない。自民党との違いを示してあるべき社会の姿を明確にする」と自民党との違いを強調した。
枝野氏が目指す社会像としては、「多様性を認め合い、お互い様に支え合う。そんな日本を目指す。この旗を明確に高く掲げて政権を目指す」とした。
現在の安倍政権が進める経済政策は「自己責任を強調して自由競争をを過度に煽る政治で社会の格差が広がり、社会全体がささくれ立ってきている」と述べ、「自己責任は政治の責任放棄。消費したくてもできない人を増やして景気が良くなるはずがない」と批判した。
アベノミクスに対する具体的な政策としては、「低賃金であるために人手不足が常態化している介護職員、保育士、看護師などの賃金を底上げして可処分所得を増やす」ことを提案。介護などの分野は政治が影響を与えられる分野だとした。』
この演説内容について、要点を整理しました。
<前原氏>
●中福祉・中負担の国家像を目指す
●低所得者層への再分配を分厚くする一方で、国民に負担増を求める
●就学前教育・高等教育の無償化を行う
●財源は増税で対応する
<枝野氏>
●自民党が自由競争を煽る経済政策をやった結果、格差が拡大して消費が停滞した
●経済を断ち直させるため支えあいの仕組みを構築する
●保育士、看護師、介護職員を中心に賃金引き上げをして可処分所得を増やす
●当面増税はせず、公共事業削減で財源を生み出す
前原氏も枝野氏も、消費増税10%引上げの対応については、態度を明確にしませんでした。ですが、お二人の財源に対する考え方から見れば、まさに家計簿の発想です。
おそらく本音では、二人とも「消費増税したい!」と考えていると思われます。
端的に整理すれば、二人の財源の考え方は、下記の通りです。
前原氏:国民サービスを拡大するから増税します
枝野氏:公共事業を削って、その分の予算を保育士、看護師、介護職員を中心とした賃金引き上げに使う
上記の発想、二人ともまさにプライマリーバランス黒字化に縛られた発想です。 なぜ、二人とも普通に国債を発行して、政府支出すると言わないのでしょうか?
日本は政府が通貨発行できるから財政破綻しないこととか、日銀(政府が55%出資)が国債を買って実質的に返済すべき借金がどんどん減っているという現実を知らないのでしょうか?
上記の通り、日本の円建国債(政府の負債)の所有シェアは、40%が日銀です。即ち、1000兆円のうち400兆円近くは、日銀が保有しています。しかも、上記円グラフの青い部分は、物価上昇2%が達成されるまで日銀が国債買取を続けると宣言していますので、今もなお、銀行(預金取扱機関19.6%)の保有分が減少し、日銀(中央銀行40.0%)の保有分がどんどん拡大しているのです。
株式投資されている方、ご存知でしょうか?日銀は、政府が55%出資している株式会社で、証券コード8301で、JASDAQに上場しています。
会計上は、55%の政府からの出資を受ける日銀は、政府の連結子会社となります。そのため、親子間の借金については返済してもしなくてもよい。利息にしても返済してもしなくてもよい。なぜならば連結財務諸表作成時に相殺されてしまうからです。
企業経営でいえば、本社と支店間の取引は、会計上相殺されます。連結決算を行う企業集団で見る場合も同様に、親会社と子会社間の取引は、連結貸借対照表作成時に相殺されるのです。
このような統計的・会計的な事実をお二人は、知っているのでしょうか?それとも知らないのでしょうか?
私が思うに、お二人には、3パターンの心理が想定されます。
<1つ目のパターン>
1つ目は、財政破綻しないことを知らず、財政問題が存在しないことを知らず、「消費増税は避けられない!」と考えている場合です。
事実・真実や簿記会計統計のルールを知らないで、プライマリーバランス黒字化に縛られ、「消費増税10%引上げをすべき!」と考えられてしまうのは大変厄介な話です。なぜならば正しいと思い込んでいるから。間違っていることに気付かず、日本国民のためになると思い込んでいるのですから、話になりません。
<2つ目のパターン>
2つ目は、財政破綻しないこと、財政問題が存在しないことを後で知ったが、今さら自分のやってきたことを否定するので方針転換できず、「消費増税は避けられない!」と考えている場合です。
この場合、「自分は今まで間違っていた!”コンクリートから人へ”は間違っていた。でもこれまで、公共事業は削減すべき!無駄は削減すべきで”事業仕分け”も正しいと思って活動してきた。今までが間違っていたとすれば、自分のこれまでのアイデンティティ(=存在価値)が無くなってしまう。それはできない。」ということで、言わば真実や自分が間違っていることを気付いて、悪意で「消費増税10%引き上げをすべき!」と言っているとすれば、この人は国民のために政治をやっているのではなく、「あなたは、何のために政治をやっているの?」って感じです。
<3つ目のパターン>
3つ目は、2つ目のパターンに延長して、 財政破綻しないこと、財政問題が存在しないことを後で知ったが、過去の活動の間違いを認めることができず、「消費増税10%引き上げ!」は正しいと思い込んで、そうした論説を探して「消費増税10%引上げ」を正しいと思い込もうとするケースです。
これは、いわゆる認知的不協和というやつです。自分の間違いが認められず、「消費増税10%引上げ」が正しいと思い込み、財政破綻するはずだという反論を一生懸命考えます。アホですね。無駄な時間です。日本は財政破綻しません。消費増税する必要もないわけです。
上記パターンを端的にまとめますと以下の通り。
パターン1:善意(間違っていたことを知らない)で「消費増税が正しい!」という思考回路を持っている
パターン2:悪意(間違っていたことを知っている)で「消費増税が正しい!」と言わざるを得なくなってしまっている
パターン3:財政問題は存在するはずだと認知的不協和に陥って「消費増税が正しい!」と主張を続けている
みなさんは、どう思われるでしょうか?
プライマリーバランス黒字化に縛られて、「日本は財政破綻する!」「プライマリーバランスは黒字にしなければならない!」「消費増税をしなければ国家が破綻する!」などと発言・言論をしてウソ・デタラメをまき散らしてきたツケは大きい。自分の存在価値でさえ無くなってしまうのです。
もちろん彼らが、普通に「俺は今まで何を発言してきたんだ!なんて間違ったことをやってきたんだ!今までずっと間違っていた!」ことを認め、「プライマリーバランスを赤字にしなければならない!国債を発行して積極財政のため、財政出動を推進する!」と発言されれば、私は普通に称賛します。人格否定しているわけではありませんので。
国の中枢にいる内閣府の連中なども、正しく理解していない以上、二人が今までずっと間違っていたことを認め、方針転換してもらえれば、私は称賛するのです。
でも、お二人のプライマリーバランス黒字化に縛られた発想から出た演説内容としか思えず、少し古いですがドリフの”いかりや長介”風に「あちゃー!ダメだ、こりゃー!」と思わざるを得ないのです。
というわけで、今日は民進党の党首選挙について触れました。前原氏も枝野氏も、根底には「プライマリーバランス黒字化すべき!」という家計簿的な発想で、国家運営を考えている以上、民進党に期待するだけ無駄です。絶対によくなりません。もっと悪くなるでしょう。
とはいえ、自民党の中枢にいる人間も、他の野党も、国家運営を家計簿的な発想で考える「プライマリーバランス黒字化」の呪縛から逃れられないのです。
一つずつ説明していけば、理解できるかもしれませんが、”少し経済をかじった人”や”知ったかさん”などは、自分の今までの考え方が否定されることを嫌って理解しようとせず、認知的不協和に陥るという人もいます。
そういう人々が多いと、いつまで経っても正しい政策が実行されず、デフレから脱却できないという状況が続くわけです。
皆さんもこうした政治家に限らず、国家運営を家計簿的な発想で考えている人が周りで居られましたら、ぜひ間違っていることを教えてあげましょう。政治家はある意味、国民の鏡でもあります。私たち一般人が知見を高めていかない限り、このまま日本が発展途上国化していくことは避けられないと思うのであります。
- 2017.08.21 Monday
- 日本経済(いわゆる「国の借金」問題)
- 00:22
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- by 杉っ子