地方創生にはインフラ整備が必要です!(JR四国・JR北海道の再国有化)

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     今日は、産経新聞の記事「JR四国、路線ごと収支を初公表へ 廃線論議の判断材料に」について取り上げ、地方へのインフラ整備について意見します。

     

     以下は、産経新聞の記事です。

    2017.3.27 12:32 産経新聞 JR四国、路線ごと収支を初公表へ 廃線論議の判断材料に

    JR四国の半井真司社長は27日の定例記者会見で、これまで明らかにしてこなかった路線ごとの収支状況を初めて公表する考えを示した。将来的に一部路線を廃止する可能性を含め、路線維持について地域で議論する必要性を訴えており、その判断材料にする。

     半井社長は「できれば今年夏ごろまでに自治体などによる懇談会を立ち上げ、その場で示したい」と話した。

     JR四国の鉄道事業の営業損失は2016年3月期で109億円。路線によっては相当厳しい数字が予想される。

     路線ごとの収支を巡っては、JR北海道が昨年1月、全路線の収支状況を初めて公表。全ての路線が営業赤字だったことが明らかとなった。(後略)』

     

     

     なんともネガティブな暗いニュースだと思います。一部路線を廃止するというこのニュースを見て、皆さんはどう思いますでしょうか?

     

     都会に住んでいる人は、地下鉄網があり、私鉄を含めた鉄道網があり、加えて新幹線の発着駅もあります。このように都会に住む人々は、快適なインフラによる恩恵を受けています。

     特にフル規格新幹線(ミニ新幹線の山形・秋田新幹線除く)の沿線、とりわけ太平洋側は、ずっと恩恵を受けていました。私たちは小学校のころ、社会科で太平洋ベルト地帯などと教わります。一方で日本海側は新幹線という高速鉄道がなく、新潟だけが新潟新幹線の駅があり、政令指定都市も福岡市と新潟市の2つだけです。

     それでも、ようやく最近2015年3月27日に北陸新幹線が開通して、ようやく富山・金沢も高速インフラである新幹線が通るようになりました。

     

     

     

    1.北陸新幹線効果で「兼六園」の入園者数は200万人を突破

     

     北陸新幹線が開通してからの富山・金沢は空前の好景気になっています。以前にも本ブログで取り上げましたが、新幹線は強制的にインフレを引き起こして好景気にし、更に人の移動のスピードが早くなることで生産性の向上につながることで、地域経済の生産性向上にも資するわけです。

     

     もちろん、インフラ格差は、地方の税収にも格差と直結します。にもかかわらず、「地方は努力不足だ!」といって、「地方にもっと努力せよ!」と言っているのが、自民党の政治家です。(民進党、維新の会、都民ファーストら他の政党の政治家は論外。)

    インフラがないところに企業が進出する積極的な動機はありません。また、インフラ整備が遅れた地方で操業開始した会社でさえ、やがてはインフラ整備が整った地域に本社を移そうとします。結果、仕事がないとなって若者がどんどん流出します。

     その場合、地方の若手経営者にはメリットがあります。若年層のライバルがいなくなる一方、高齢者という需要は簡単に減らないからです。だから利益が出やすい。

     とはいえ、経営者でなく就職しようとする若者にとってみれば、都会の方がインフラの整備が進み、企業数も多いので行きたがるでしょう。

     

     その結果、都市に集中、とりわけ東京、名古屋、大阪に人が集中するということになるわけです。災害大国の日本は、国民が分散して住むことこそ、安全保障強化につながります。アメリカでいえば、ニューヨーク、ワシントンだけでなく、ボストンやシカゴ、ダラス、サンフランシスコ、デトロイト、ロサンゼルスというように、都市が分散しています。

     日本はアメリカよりも災害が多い国なので、なおのこと地方都市が活性化し、地方に人が住みやすくする環境を整える必要があるのです。

     

     そのためには、高速鉄道をはじめとするインフラ整備が必要。にもかかわらず、人口減少する日本において新幹線は不要とする識者も多い。北陸新幹線についても効果は限定的だとか、ストロー現象で地方が衰退するといわれました。

     

     実際は、どうなんでしょうか?下記は、金沢で有名な観光名所、兼六園の入場者数の推移です。

    (出典:金沢市役所のホームページ)

     

     「兼六園」でいえば、200万人を超えることはなかったのですが、2015年3月に北陸新幹線開業以降は、200万人を突破しました。2016年度は前年比で減少していますが、それでも290万人強と、従来の入園者数をはるかに上回っています。同様に「金沢21世紀美術館」も入館者数は増勢で推移しています。

     

     

    2.「空気を運ぶ新幹線」という乗車率に対しての誤解

     

     新聞記事を3つ紹介します。

     

     北陸新幹線開業後、2か月近く経ち、日本経済新聞社が2015年5月21日付の記事で下記を報道しています。

    『日本経済新聞 2015年5月21日 北陸新幹線の乗車率47%、「平日対策が課題」

    西日本旅客鉄道(JR西日本)の真鍋精志社長は20日、開業から約2カ月間の北陸新幹線の乗車率が47%だったと明らかにした。「当初は4割程度と想定しており、かなりの利用があった」と評価した。一方、平日の乗車人数が平均2万2700人と土・日曜日より8700人少ないことを指摘し、「平日の乗車人数をいかに増やすかが今後の課題」と話した。

    同日、大阪市で開いた記者会見で、北陸新幹線が開業した3月14日から今月18日までの営業状況を公表した。乗車率は上越妙高(新潟県)―糸魚川(同)間で測定した。列車別では「かがやき」が53%、「はくたか」が41%だった。最上級車両のグランクラスは66%に達した。

     1日平均の乗車人数は2万6000人。土・日曜日は2万7000〜3万人まで増えるが、月・火曜日は「2万人前後まで落ち込んでいる」(真鍋社長)という。ビジネス客をはじめとする平日の需要開拓に力を入れる方針を示した。

     北陸新幹線の利用者数は4月が68万6千人、5月(18日まで)が53万1千人だった。北陸と上越新幹線の駅を結んだ在来線特急の前年実績に比べて、それぞれ3.2倍、3.3倍に増えた。(後略)

     

     また、2015年8月11日には次のような記事を報道しています。

    『日本経済新聞 2015年8月11日 北陸新幹線、東海道などと乗車率に差 新幹線と地域

    北陸新幹線の実力を測る上で参考になる指標が乗車率だ。西日本旅客鉄道(JR西日本)によると、開業した3月14日から6月末までの乗車率は47%だった。首都圏・長野県と北陸の境にある、新潟県の上越妙高―糸魚川間で測定した。JR西の真鍋精志社長は「当初は4割程度と想像していた」とし、想定以上の利用者に手応えを感じている。(後略)

     

     中日新聞が富山−金沢間を結ぶ、北陸新幹線「つるぎ号」について、開業からの3か月間の乗車率が二割だったと報じています。

    『中日新聞 2015年6月25日 「つるぎ」乗車率2割 開業3カ月間 JR西「想定内」

    北陸新幹線の富山−金沢間を結ぶシャトル便「つるぎ」の開業から三カ月間の乗車率が二割だったことが、JR西日本金沢支社への取材で分かった。同支社は「想定内の乗車率」とした上で、「自治体から提案があれば、利用促進策を検討したい」としている。

     二十四日の予算特別委員会では、矢後肇委員(自民)がJR西日本に確認した数字として「つるぎ」の乗車率を報告し、校外学習や修学旅行などの教育現場で利用を促進するよう提案した。(後略)』

     

     こうした記事をご覧になった人の中で、インフラ整備に否定的な人からすれば、「それ、見たことか!乗車率50%も満たない。まさに空気を運ぶ新幹線!東海道新幹線の乗車率に遠く及ばない。無駄な高速鉄道は不要だ!」という人、いませんでしょうか?

     この意見に対しては、厳しく反論します。

     

    (1)在来線特急の利用者数の前年比で、妙高高原(新潟県)−糸魚川(新潟県)間で、3倍以上増加

     まず、新幹線開業前に金沢に行く方法は、上越新幹線で東京→越後湯沢まで行き、そこから特急「はくたか号」で越後湯沢→金沢へ行くのが最短ルートでした。所要時間は3時間50分かかっていたのですが、北陸新幹線の最も早い「かがやき号」で2時間30分にまで、80分時間短縮となりました。その結果もあると推定できると思いますが、在来線特急の前年実績に比べて利用者数は3倍以上増えているのです。

     

    (2)地方の特急乗車率の特徴を考えれば、富山−金沢間の「つるぎ号」の乗車率20%は高い乗車率

     私は2008年から2013年までの間、福島県のいわき市に住んでいました。東京への帰省、成田空港発の海外旅行、東京への出張をする際、常磐線の特急の「スーパーひたち」号に必ず乗っていました。

     「スーパーひたち」号は、主な駅として、上野→土浦→水戸→勝田→日立→泉→湯本→いわき の順に停車します。

     例えば、泉→湯本→いわき間は、車両1両に対して、私一人ってことなんてよくありました。

     

    <ひたち23号の座席配置図>

     

     例えば上記で言えば、18席×4列で、72席あります。この車両で私が一人しか乗っていない場合、1/72≒1.3%の乗車率ということになります。すべての車両で1車両につき一人しか乗車しないということはないかもしれませんが、地方を走る特急とは、終着駅になればなるほど、乗車率は低くなります。

     JRいわき駅から、上野に行く際、絶対に自由席で余裕で乗れます。ですが、少しずつ席が埋まり、勝田や水戸や土浦となれば、時間帯によりますが満席になることは普通です。

     

     こうしてみますと、金沢−富山間の「つるぎ号」の乗車率20%というのは、高い数値であるといえます。政令指定都市を結び、国際港が多く沿岸沿いに存在する東海道新幹線と乗車率を比較すること自体が、ナンセンスです。

     結局、「高速鉄道を含め、インフラは無駄だから不要!」という答えがあって認知的不協和になっている人が、そうした論説を支持するものと考えます。

     

     

     

    3.新幹線整備は「経済効果」ばかりを強調してはいけない

     

     これまでの論説の通り、新幹線には経済効果があります。新幹線を作ること自体が、GDPを増やします。さらに商圏拡大により追加的需要効果を生み出します。例えば民間企業がホテルを作る、ショッピングモールを作る、駅前を再開発するといった動きです。さらに、人の移動を短時間化することで、生産性向上に貢献する結果、日本において深刻化する「少子高齢化による生産年齢人口の低下」の問題の解決策にもなるのです。

     

     にもかかわらず、日本国内では、乗車率という数字が示す事実の意味をはき違え、新幹線整備を否定しようとする国民は多い。新幹線は、国家の基盤インフラであり、本来は国家の安全保障や地域の発展を意識して計画・建設されるべきで、「経済効果」ばかりを強調することは間違っています。とはいえ、経済効果も出ているわけですが・・・・。

     

     私はJR四国やJR北海道は、コストが高くついても、国有化という方法はあり得ると思うのです。赤字路線を抱えるJR四国、JR北海道を、民間で経営を維持しようとすれば、絶対に赤字路線廃止とならざるを得ず、安全運航のための費用への支出もままならなくなるでしょう。

     

     かつてJR北海道で、そうした整備不良による事故が発生したこともありました。新幹線というドル箱路線を抱えるJR東日本やJR東海やJR西日本と比べれば、JR四国・JR北海道の経営が苦しくなるのは、誰でも理解ができるはず。

     それを「経営の努力不足だ!」として、人件費カットや部品やメンテナンスを供給する業者にコストカットを強いる、これはまさに名目需要削減で、GDP減少、税収減につながる話です。

     

     むしろ、JR四国とJR北海道は、再国有化して、社員を全員国家公務員にすれば、政府最終支出増でGDPも増えます。また、部品供給やメンテナンスを供給する業者選定も、コストカットで一般競争入札ではなく、地域企業への指名入札を通じて選定すれば、その地方経済が活性化します。売上高が増加し、賃金UPできやすくなるからです。これこそが、まさに地方創生であると私は考えます。

     

     

     というわけで、今日は地方創生にインフラが必要であり、そのためには新幹線整備が必要であること、新幹線開通前前では経営が苦しいJR四国・JR北海道は、国有化して全員国家公務員にするというアイデアを述べました。こうした発想は、借金=悪 という資本主義否定の発想しか持たない人からは、出てこない発想です。

     ところが、自民党の政治家でさえ、「借金=悪だから、支出削減すべき!」「地方はもっと努力せよ!」という発想を持つ人が多く、そういう人が地方創生大臣をやっているのです。これでは、いつまで経っても地方は疲弊し、地方創生という言葉だけが空しく独り歩きするでしょう。

     一刻も早く、高速鉄道整備を中心とするインフラ整備のために、政府支出増へ政策を転換していただきたいと、改めて私は思うのであります。

     


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