「国土面積の狭い日本は道路が多すぎる!」のウソ

0

    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

     

     今日は、公共事業について、とりわけ道路関連を中心に論説したいと思います。

     

     よく、皆様はこのような論説を見かけないでしょうか?

    「日本は公共工事をやりすぎて、借金が増えてしまった。人口が減少する日本において、これ以上道路を整備する必要はない。」

     この論説について、多方面から反論したくなりますが、今日は特に、先進国各国との道路事情を中心にご説明し、日本に道路は必要であるという趣旨で、公共工事を拡大すべきである旨を論じたいと思います。

     

     まず、下記をご参照ください。日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツの各国における道路の状況です。

     

    <日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツの各国における時速100キロ以上の道路網の比較>

    (出典:社団法人 東北経済連合会 講演資料)

     

    <日本・イギリス・イタリア・フランス・ドイツの各国における時速60キロ以上の道路網の比較>

    (出典:社団法人 東北経済連合会 講演資料)

     

     こうしてみますと、ドイツの道路整備状況が際立っているのがよくわかります。制限速度60前幣紊瞭始が、網の目のように張り巡らされています。また、制限速度60前幣紊瞭始網であれば、イタリアも負けていません。イギリスは首都のロンドンを中心に整備されています。

     それらに比べて日本の道路整備は?といえば、皆さんはどう思われるでしょうか?

     

     道路の”量”は、どの程度なのでしょうか?本来であれば、「利用者数(車両台数)あたりの道路延長」を比較すべきです。また、道路の”質”はどうでしょうか?イギリスでいえば、6車線以上の道路が全体の70%超を占めます。日本は、3車線以下が27.1%、4〜5車線では64.9%と、5車線以下の道路の割合が90%強を占めるのです。

     

     上述の各国の道路網の比較をご覧いただいてもご理解できると思いますが、日本の道路の整備水準は、”量(道路の距離)”、”質(車線数や速度)”の点から、先進国の中では、劣っているといえます。

     

     ところが、実際にマスコミに紹介される論説では、「可住面積あたり高速道路」や「可住面積あたり全道路」という指標が出され、「日本は狭い面積に道路が多すぎる、もう道路は要らない!」という論説が報道され、紹介されています。

     

     日本は他国と比較して山が多く、可住地の面積は少ない。とはいえ、道路の意味は、可住地同士をつなぐことで、商圏の拡大や生産性向上につなげるというのが、道路の意味です。

     もし、道路がなければ、各地は孤立しますし、「物を運ぶのに何時間もかかる!」「営業マンが営業するのに何時間もかかる!」ということでは、生産性が低いということになります。

     日本は災害大国ですので、各地が孤立しているのは望ましくありません。道路と道路をつないで、いざという時に助け合える環境を整備することこそ、政府の仕事です。

     

     また、一度作った道路しかり、道路に限らず橋や橋脚やトンネルなど、維持・更新するための整備という仕事もあります。ところが、公共事業費削減のため、維持・更新するための保守・管理費用は年々減少しています。

     以前、「生産年齢人口減少のスピードが早い我が国こそ、インフラ投資が必要である!」でも取り上げましたが、老朽化のために「通行止め・通行規制」をしている橋梁が年々増えているのです。

     

     全国の地方自治体が保守・管理費を削減している今日の日本において、どこで「橋が落ちる事件」が起きても不思議ではありません。

     既にアメリカで、全国の橋が一気に劣化し、1980年頃の米国で、都市のあちこちで大きな橋が落ち、多くの人命が失われるだけでなく、大きな経済損失が発生しました。

     橋が落ちれば、都市と都市が寸断され、物流は崩壊します。橋が落ちることによる人命が失われるということも大変なことですが、生産性が落ちる、経済成長ができなくなるということもまた重要なことであります。

     

     1983年 コネチカット洲マイアナス橋崩落

     1973年 マンハッタン・ウエストサイドハイウェイ部分崩落

     1981年 マンハッタン・ブルックリン橋ケーブル破断(日本人が死亡)

     

    <マンハッタンのブルックリン橋>

     

    (2014年12月31日に杉っ子がニューヨークを訪問した際、ハドソン川クルージングに参加したときに撮影したもの)

     

     

     このように、新規インフラは言うまでもなく、既存インフラの整備・更新も、安全保障上も経済成長を考えるうえでも重要です。2014年に安倍政権は国土強靭化計画を打ち出し、公共事業を増やしました。その結果、名目GDPで1.9%の成長を果たし、税収も

    6.9%増収しました。そのまま公共事業を増やし続けていれば、日本はとっくにデフレ脱却できていたことでしょう。

     

     ところが、2014年10月19日に、元テレビアナウンサーの長谷川豊氏が、コラムとして小渕優子氏について論じた内容の中で、道路にお金を使うことを批判しています。内容は下記の通りです。

     

    『長谷川豊公式コラム 本気論本音論 2014年10月19日 小渕優子さんの一件の裏にあったこと

    (前略)

    「利益供与」なんてものは永田町ではそもそも横行している。マスメディアだってみんな知ってる。上記した例で言えば、サクラをタクシーで動員するのだって、そのタクシー代は言うまでもなく利益供与にあたる。ただでタクシー出してもらって政治家の講演を聞けるんだから。細かいことを言えば日本の政治活動なんて、実際はアウトだらけなのだ。でも、んなもん、僕らマスメディアも黙認してる。キリないし。利益供与が全部ダメって言いはじめたら、日本の政治の歴史は根本から崩れちまう。
    皆さんの周りにも無駄な道路、あるでしょ?工事、やってるでしょ?
    あれ、要は「自民党の権力者に投票しなさいね」って。「投票すれば仕事を与えるぞ」ってやってる訳だ。そうやって、国民の予算を使って、利益をバラまいて、選挙で有利にし続けた。
    こうやって、世界でも例を見ない「一党独裁政権」の国が育ってきたわけだ(その結果、道路だらけで借金だらけになったけど)。
    やってる事は完全な「利益供与」なのだが、政治家の大センセイたちは声を荒げてこう言ってきたのだ。
    「ニッポンの発展のために、高速道路が必要なのであります!」
    裏を返せば、単に、その工事を発注しなければ、その工事関係者からの票が集まらなくなり、その工事業者からの政治献金(←聞こえはいいけど、合法な感じのワイロ)を集められないってだけの話だ。
    でも、日本の政治はそうやって動いてきた。それを選択してきたのは他でもない国民だ。そんな裏側の話くらい、みんなだってとっくの昔に知ってるはずだ。(後略)』

     

     

     というわけで、元アナウンサーと呼ばれる著名人であっても、道路を含め、インフラ整備に否定的な人は多い。結果、公共事業が削減されていく。しかもありもしない借金問題を振りかざすわけです。

     こうした論説に騙されないようにするためには、私たち国民が知見を高めていくしかないものと思うのであります。改めて道路整備は必要であるという立場で、意見させていただきました。


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031   
    << October 2018 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM