北海道の天売島と焼尻島
JUGEMテーマ:日本の離島について
今日は、昨年2016年の夏に訪れた北海道の天売島(てうりとう)と焼尻島(やぎしりとう)をご紹介したいと思います。
北海道といいますと、私は今から5年前の2012年7月に、利尻島と礼文島にも訪問しています。というわけで、北海道の島を訪れるのは、2回目ですが、2016年8月11日〜2016年8月13日で天売島と焼尻島を訪問しました。
焼尻島と天売島の場所とアクセス方法は下記の通りです。
行程概要は以下の通りです。
【初日:8/11(木)】
07:00羽田空港発 ⇒飛行機⇒ 08:30千歳空港着
09:00千歳空港発 ⇒JR⇒ 09:42札幌駅着
10:00札幌駅前発 ⇒バス⇒ 13:12本社バスターミナル着
13:20本社バスターミナル発 ⇒車⇒ 13:30羽幌港着
14:00羽幌港発 ⇒船⇒ 15:00天売港着
民宿 栄丸
【二日日:8/12(金)】
12:40天売島発 ⇒船⇒ 12:55焼尻島着
民宿 磯野屋
【三日日:8/13(土)】
11:10焼尻島発 ⇒船⇒ 12:10羽幌港着
12:30本社バスターミナル発 ⇒バス⇒ 15:45札幌駅前着
私は札幌の千歳空港までANAで行き、千歳空港からJRで札幌駅に行って、札幌駅からバスで羽幌に行く予定だったのですが、私はバス停がどこにあるのか?札幌駅のバスターミナルが広かったため、すぐ探せず、この10:00発のバスに危うく乗り遅れるところでした。10:00発を乗り過ごすと、船の接続との関係で、当日中に天売島に到着できなくなってしまうのです。
慌てて走るにしてもなんとなくこっちのほうでは?と思って走っていき、バス乗り場が見つかったとおもったら、バスがバス停から離れて出発しようと離れたところでした。
その時、私が走っていって、それを見たバス会社の社員さんが、バスを止めてくれて、なんとか飛び乗ったという感じです。そんなわけで、当時のバス会社の社員さんに感謝しています。
【初日:8/11(木)羽幌港と天売島散策】
羽幌港の乗船券売り場です。
天売島へ乗船するフェリーです。(羽幌港で撮影)
天売島に到着です。
天売島の民宿の栄丸です。
民宿栄丸の部屋の様子です。
島を散策します。
看板が小さく見えにくいですが、天売高等学校の入り口です。
2016年度は、なんでも東京の東村山から一人入学してきたとのことです。
若い人が少なく、生徒集めにも苦労していることが伺えます。
向こうに見えるのは、焼尻島です。
天売島には発電所はバックアップしかなく、通常は焼尻島から海底ケーブルで電気の供給を受けています。
前浜漁港という漁港がありまして、漁港に向かいます。
港に鳥がいました。何の鳥かわかりません。
前浜漁港を離れて、島の散策を続けます。
白い▲の形をした鉄塔があります。
あれが焼尻島から海底ケーブルで電力供給を受けるための変電設備があるところの目印とのことです。
天売小学校の入り口です。
「祝 天売小学校開校120周年」と書いてあります。
天売郵便局です。
ゆうちょ銀行のATMも見えましたが、営業時間外のため、鍵が閉まっていて中に入れませんでした。
「ちびっこランド」という保育園もあります。
さて、ここから集落がなくなり、電気の送電網もない無人エリアで急こう配のエリアに向かいます。
自転車に乗っているのですが、坂道がきついです。
送電線は、この辺りで途絶えます。
無人エリアとなります。
「まむしに注意」の看板が、あちこちにあります。
まむしの子供の抜け殻?みたいなのが道路に落ちているのを発見しました。
赤岩園地という場所です。
展望台が見えてきました。
左手を見ますと焼尻島がよく見えます。
千鳥ヶ浦園地という場所です。
道が分かれています。
鳥の観測所の方へ向かいます。
来た道を振り返ると、こんな感じです。
鳥の観測所です。
中に入りますと、天売島で生きる海鳥についての説明書きがあります。
観測所を出ました。
日が沈む西日の様子です。
以上で天売島の散策は終了です。
民宿栄丸の夕食はこんな感じです。
殻付きの生うにです。
殻付きホタテ貝にエビにイカにタコなどなど。
海鮮丼まで出てきます。豪華です。
【二日目:8/12(金)天売島の島をクルージングと焼尻島の散策】
天売島の港です。
この船に乗船し、1時間半ほど天売島の周辺をクルージングします。
港を離れました。
船から天売島を眺めます。
天売島の港に戻りました。
これが焼尻島へ行くフェリーです。
天売島のフェリーターミナルとお別れです。
焼尻島に到着しました。
焼尻島のフェリーターミナルです。
焼尻島を散策します。
サフォークがいます。海の塩が混ざった餌を食べ、まろやかな肉になるとのこと。
フランス料理の有名料理店のシェフが、焼尻島のラム肉を直接発注することも多いようです。
何しろA5ランクのラム肉。のびのびと育っているのがわかります。
小屋で一休みです。
天売島が見えます。
小屋を離れます。道路からの景色です。
サイクルしている人がいます。
小さい野良の子猫です。
町中を散策します。
ちゃんと郵便局ありました。
【三日目:8/13(土)焼尻島から羽幌港へ】
焼尻島の港の待合室の近くにある有名な「島っ子食堂」です。
A5ランクのサフォーク(ラム肉)の焼き肉が食べられます。
これで2,500円です。サフォークはボリュームたっぷりです。
このフェリーに乗って、羽幌港まで戻ります。
千歳空港に行く前に、札幌駅の近くの焼き肉店でジンギスカンを食べました。
というわけで、今日は北海道の離島の天売島と焼尻島をご紹介しました。
この島で私が思ったことがあります。
(1)郵便局はどんなふうに存在しているのか?
(2)電力供給がどうなっているか?
(3)教育施設はどうなっているか?
(4)医療施設はどうなっているか?
(5)主な産業は?
上記(1)〜(5)について、地元の人に聞いた内容と合わせ、自身の所感を交えてまとめました。
(1)郵便局については、天売島も焼尻島も存在しました。ちゃんとATMもあります。とはいえ、郵政民営化となり、株式を市場に放出となれば、利益追求によって、こうした辺鄙な島の郵便局が存在できるのか?疑問を持ちます。最近、はがきが62円に値上がりました。たぶん、10円程度の値上げではどうにもならないでしょう。ある人によれば、300円とか400円くらいまで値上げしないと、こうした過疎地における郵便局を存続させることは難しいのでは?という意見もあります。
(2)電力供給は、焼尻島で発電し、天売島へは海底ケーブルによる送電網で電気を送っているとのこと。天売島では、万一に備え、自動車に自家発電が積んであって、電気の供給が止まることがあれば、その自家発電が稼働するようです。因みに、人口は天売島の方が多い。焼尻島の方が人口が少ないのに、焼尻島に発電所があって、人口の多い天売島が海底ケーブルの送電網で供給を受けるというのは、不思議な感じがします。また、海底ケーブルのメンテナンスの業者について、地元の人に聞いたところ、長崎県の業者が年に1回メンテナンスに来島するそうです。
(3)教育施設については、天売島には高校がありますが、焼尻島には高校がありません。天売高校も生徒が集まらず、ようやく2016年は、東京都東村山市にお住いの方が、天売高校に入学したとのことでした。2016年のGWに、一旦東京に帰るわけですが、そのまま戻ってこなくなっちゃうかも?と島の人々は心配していましたが、GW後も戻ってきて高校に通っているということで、ホッとしていたというようなエピソードがありました。
(4)医療施設については、診療所があるものの、重病の場合はドクターヘリや自衛隊のヘリコプターを使い、旭川の病院に行くとのこと。羽幌町もまた過疎に悩み、施設が整った病院がないため、旭川市の病院にヘリコプターで行くとのことでした。
(5)主な産業は、漁業がメイン。かつてはニシンが大漁だったとのこと。仕事がないため、若い人はどんどん減っているようです。
というわけで、日本の良さは、どんなに辺鄙なところで生まれても、平均的な日本人になれます。小学校から高校までは一通りあります。郵便局もあります。
とはいえ、「ザイセイガー」という理由で、医療施設が廃業になってヘリコプターで旭川まで行かないと重病患者は治療を受けられないとか、人の命にかかわることなのに、「ザイセイガー」なんて言っている場合か!と思うのです。
同じく「ザイセイガー」という理由で、郵政が民営化され、利益追求となれば、島の郵便局だって存在できるのか?甚だ疑問です。
私は都会生まれの都会育ちですが、この島で生まれた人にとっては、インフラが都会と比べて整っていない島だったとしても、かけがえのないふるさとであるに違いありません。
「そんな辺鄙な島に住む方が悪い、都会に出てくればいい!」という意見をお持ちの方は、安全保障を全く理解していない人です。人に住んでもらうことが、防衛安全保障上、他国からの侵略に備えることができる一番の方法なのです。
かつての尖閣諸島も人が住んでいました。人が住まなくなって無人島になれば、中国漁船が勝手に着岸したり、漁業権を荒したりといった問題につながります。
天売島と焼尻島に人が住んでもらっていることで、EEZ(経済的排他的水域)を主張することが可能になり、漁業権や資源の掘削する権利を日本が保持することになると思えば、どれだけ島の住民が国益に貢献しているか?理解できると思います。
その意味からも、過疎地の人々が少しでも生活がしやすくなるように環境を整えることが、国政に携わる政治家の仕事だと思うのです。
- 2017.07.22 Saturday
- 旅行記
- 00:28
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- by 杉っ子