日本の運命を決定する長崎新幹線車両(「フル規格」に賛成!「FGT」は反対!)

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    JUGEMテーマ:公共工事の経済効果

     

     今日は長崎新幹線について意見いたします。1973年の新幹線整備で、事業化されている新幹線の一つが長崎新幹線です。

     

     7/15の佐賀新聞の記事を見てみましょう。

    『佐賀新聞 7/15(土) 14:40配信     長崎新幹線フリーゲージ開発難航 「フル規格」の待望論、勢い増す 佐賀

    佐賀県知事、財政理由に否定的

     フリーゲージトレイン(軌間可変電車=FGT)の開発が難航し、2025年度の全面開業もずれ込む見通しとなった九州新幹線長崎ルート。佐賀県の山口祥義知事は14日、FGT導入の遅れを慎重に受け止め、巨額の財政負担がある「フル規格」の議論には否定的な考えを強調したが、沿線自治体では待望論が勢いを増した。

    (中略)

     技術開発を疑問視していた社民党の徳光清孝県議は「改めて協議が必要だ。JRも維持管理費などの見通しが立たず、導入を断念するのではないか」。共産党の武藤明美議員は「無理に進めている新幹線自体を断念し、長崎線の充実を進めるべき」と持論を述べた。

     沿線自治体ではフル規格への期待が膨らんだ。武雄市の小松政市長は「暫定開業は守ってもらいたいし、リレー方式の固定化は好ましくない」とした上で、「新幹線が持つ定時性、高速性、安全性と、山陽新幹線直接乗り入れの全てをクリアできるのはフル規格。地元負担の見直しを前提に実現を期待する」と求めた。

     新駅ができる嬉野市の谷口太一郎市長も「フル規格を導入して、大阪への直通乗り入れへと発想を切り替えてもらいたい思いがより強まった」。県や国への要望を強めたい考えで「早い時期に決起大会を開き、市民の総意としてアピールしたい」と方針を語った。(後略)』

     

     

     長崎新幹線の車両について、フル規格新幹線か?フリーゲージトレイン(FGT)か?という議論が行われているとの報道で、地元の”フル規格新幹線”待望論を取り上げています。

     長崎新幹線のルートは、下記の通りです。

     

     

     事業化されている長崎新幹線は、九州新幹線の新鳥栖から西に向かい、佐賀・肥前山口・武雄温泉・嬉野温泉と佐賀県内を通り、長崎県の大村・諫早を経由して長崎に至るルートになっています。

     もともとは、佐世保に次回ルートを通るはずだったのですが、大村ルートが採用され、県北の佐世保は取り残された形になってしまいました。

     そのため、佐世保にお住まいの方は、長崎新幹線っていっても、さほど好意的ではないかもしれません。それでもあえて長崎新幹線について取り上げたのは、長崎新幹線の新鳥栖⇔武雄温泉が、フル規格か?フリーゲージトレインか?で、日本の運命を決定的に変えてしまう恐れがあるからです。

     

     武雄温泉⇔長崎のルートは、フル規格新幹線で建設されています。フル規格新幹線は時速200km以上の速度で走ります。

     それに対し、新鳥栖⇔武雄温泉が揉めていて、とりあえずは在来線特急を走らせて、武雄温泉で長崎新幹線に乗り換えするというバカバカしい話になっているのです。

     

     なぜ、新鳥栖⇔武雄温泉間でフル規格の新幹線の建設ができないのか?フリーゲージトレインという技術を押し込もうとしている人がいるからです。

     

     フリーゲージトレインとは、車輪幅を伸縮させ、在来線(線路幅1067ミリ)と新幹線(線路幅1435ミリ)を往来できる軌間可変電車をいいます。国は新たな新幹線を建設費を抑えながら列車の隅々まで新幹線の時短効果を広げられるとし、早期の実用化を目指しているのです。

     

     東洋経済新聞が鉄道最前線という特集で、フリーゲージトレインの問題点という記事を掲載しています。記事によれば、一般の新幹線は、時速400舛任皸堕蠢行が可能ですが、フリーゲージトレインは、ヨーダンパ(横揺れの抑止装置)4本のうち1本を外したところ、時速280舛蚤羲屬硫M匹譴増幅するそうです。また、新幹線と在来線の共用走行のために運転保安設備を2統計分を備える必要があり、それらの分の重量増を抑制するために軽量化対策に高価な部品を用いているとも言われます。

     こうしたことから、車両新造コストだけでなく、メンテナンスコストも2.5倍から3倍程度になるとの試算が出ていると指摘しています。

     

     とにかくフリーゲージトレインは、通常の新幹線と比べ、耐久性が確実に落ちます。JR九州の青柳俊彦社長は、2016年12月の記者会見において、「安全性など運航事業者としてお受けできる状況ではない」と、新鳥栖⇔武雄温泉ルートについても、フル規格の新幹線とすることを求めています。

     

     青柳社長が言ったことは正しく、まさに仰る通りです。

    青柳社長は、「これまで(耐久性などの向上に)かけてきた対策が不十分なら、FGTの開発はかなり先に延びる。それは適切ではない。安全性についても十分確認できるレベルではない。」として、フリーゲージトレインの安全性に疑問を呈しています。

     

     にもかかわらず、長崎新幹線の新鳥栖⇔武雄温泉は、フル規格新幹線の整備が一向に進みません。理由は記事にある通り、佐賀県知事が反対しています。佐賀県によれば、「将来の佐賀県の基盤づくりに必要な新幹線の整備は、福祉や教育の予算を確保した上で投資的な経費の枠内で計画的に進めています。」として、予算不足を理由にフル規格の線路の建設に反対しているのです。

     

     佐賀県の背後には、財務省がいます。フリーゲージトレインが実現した場合、財務省は今後、フル規格新幹線の予算を出す必要がなくなります。そのため、技術的に困難極まりなく、安全性にも疑問があるフリーゲージトレインの開発に対しては、着実に「予算」を回し続けています。

     そのため、もし長崎新幹線でフリーゲージトレインが実現してしまった場合、日本の新幹線整備計画は、二度とフル規格で行われることは無くなるでしょう。

     

     その意味で、佐賀県民、とりわけ佐賀市の皆さんは、日本の将来を決めるカギを握っているとも言えます。

    一つ目は、フリーゲージトレインで佐賀区間を整備し、日本の新幹線整備計画を終わらせ、日本の将来の芽を摘んでしまう道。

    二つ目は、安全なフル規格新幹線で佐賀区間を整備することで、佐賀市を九州北部と経済的に商圏を一体化させて日本の将来を繁栄に導く道。

     どちらを選ばれるでしょうか?

     

     因みに秋田新幹線、山形新幹線は、フリーゲージトレインではなく、ミニ新幹線方式です。ミニ新幹線は、普通の鉄道の線路の横にもう1本線路を引き、小型の新幹線車両が通れるようにしているだけであり、当然最高速度は普通のJR線と同じです。

     東京駅から秋田に行く場合、盛岡までは早いですが、盛岡から秋田は最高時速110キロ程度ですので、遅いのです。

     結果、秋田市は商圏から取り残されます。山形市も同様です。商圏から取り残されますと、インフラが充実している都市に人が移動します。そうすると都市部への人の一極集中に拍車をかけ、災害安全保障の観点から、人が分散して住む方が日本にとって安全ですが、そのベクトルとは逆の方向に向かわざるを得なくなるのです。

     

     フリーゲージトレインもミニ新幹線も、緊縮財政の発想から出た賜物。安全性や生産性の向上を考えれば、フル規格新幹線で快適にラクラク日本の地方都市が結ばれた方が、国益につながります。

     デフレの日本において緊縮財政は不要。安全性で高品質な新幹線を然るべく予算を付けて財政出動すれば、そのこと自体がGDP成長=経済成長につながり、将来の生産性向上、商圏拡大によってさらなる消費や投資の活性化(GDP拡大=経済成長)につながるのです。

     

     

     というわけで、今日は長崎新幹線について取り上げました。私はフル規格新幹線を、もっともっと日本列島の隅々まで走らせるべきであると思っています。今回取り上げた長崎新幹線以外にも、北海道で札幌⇔旭川⇔稚内・根室といった感じで、日本列島の隅々まで安全なフル規格新幹線で走らせることで、生産性が大幅に向上して、インフラが充実して各地の商圏が拡大していきます。

     そうすれば、別に東京に来なくてもよい。企業も本社を首都圏以外に移転しやすくなるでしょう。結果、首都一極集中に歯止めがかかるものと思うのです。予算額を減額したいがゆえに安全性に疑問が持たれるフリーゲージトレインを導入しようとする財務省の連中の、この緊縮財政の考えこそ、1997年以降日本をボロボロの国家にしてきた元凶であると、私は思います。

     佐賀県民・佐賀市内の皆さんには、フル規格新幹線で新幹線整備の実現できるよう働きかけをお願いしたいと思います。


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