フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!

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     東京都議会議員選挙は、都民ファーストの会が圧勝して幕を閉じました。

     今日はマクロン大統領の政党の共和国前進がフランス議会選挙で躍進したことについて触れ、「フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!」と題し、フランスの今後の未来について意見したいと思います。

     

     マクロン大統領の新しい政党の「共和国前進」が単独で過半数の議席を得ました。投票率は44%ということで、今までの最低投票率より10%以上下回った結果となり、投票率が低かったというのが今回のフランス議会選挙の特徴でもあります。

     

     とはいえ、これは大統領選挙のころから予兆がありました。

     第一回大統領選挙において、マリーヌルペンとメランションの2人で、40%弱の票を得ました。ルペンが決選投票まで行き、あの時メランションに入れた人は、反EUのマクロン氏に入れられず、かといってイデオロギー的に極右のルペンにも入れられず、第二回投票の時点で、棄権票が異常に多かったのです。

     

     その流れを引きずって国民議会選挙=日本で言えば、総選挙です。さすがに日本で総選挙で、参議院議員選挙で44.52%というのが平成7年度にありましたが、衆議院議員選挙で44%という投票率は過去にありません。(我が国の総選挙の投票率は下図を参照)

     

     44%というフランスの総選挙で、いかに棄権が多かったか?ご理解できるかと思います。

     因みに前回の国民議会選挙は57%だったため、10%以上下がったということです。

     

     マクロン政権は、このまま親EUのグローバリズムを突き進むでしょう。そしてグローバリズムにつきものの「規制緩和」「自由貿易」を推進するために、必ず「緊縮財政」路線が採用されることになります。「規制緩和」「自由貿易」「緊縮財政」は三位一体でセットなのです。そしてこれらの3つは、いずれもデフレを深刻化させる政策のパッケージです。

     

     日本において猛威を振るい、デフレ長期化をもたらした緊縮財政が、いよいよフランスでも本格的に始まると言えましょう。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『[パリ 26日 ロイター] 2017年 06月 27日 フランス、公共投資削減で年内に財政赤字目標達成へ=経済相

    フランスのルメール経済相は26日、新たに全面的な公共投資の削減を実施することで、2017年の同国財政赤字は欧州連合(EU)が上限としている対国内総生産(GDP)比3%におさまるとの見方を示した。

    事前にはTF1テレビが、監査当局の今年の財政赤字予想は同3.2%になると報じていた。監査当局は29日に見通しを公表する。

    ルメール氏は同テレビの夕方のニュース番組で「29日に明らかになる」としたうえで、「唯一言えることは、年末まで何もしなければ、われわれのコミットメントは達成できないということだ」と述べた。

    さらに中央・地方に関わらず、政府の社会事業に関する公共投資を削減しなければならないと指摘。「フランスは公共投資によって身動きが取れずにいる。重要な国家主権のために公共投資を削減しなければならない」と言い、「あらゆる公共投資に関し多くの提案を行っていく」とした。』

     

    フランスの長期金利:0.717%

    2016年通年の失業率:10.1%

    若年層失業率:25%

    直近のインフレ率:0.9%

     

    どう考えても、上記経済指標を見る限り、現在のフランスは財政出動を拡大すべき局面です。公共工事を増やして雇用を改善しなければならないはずですが、ロイター通信の記事では、逆で削減を実施するとしています。

     

    国債金利とインフレ率の両方が低いわけですから、本来は普通に「国債を発行して、政府の財政出動でインフレ率を押し上げる」という政策を取るべきです。

     

    ところが逆に、ルメール経済相は全面的に公共投資を削減すると言っています。なぜそうなってしまうのか?

    理由は次の二つが、フランスの主権を縛っているからです。

     

    一つ目は、ユーロ加盟国であること。このことにより、金融政策でECB(ヨーロッパ中央銀行)に委譲してフランス国家に主権がないため、日本のように量的緩和政策で国債金利をコントロールすることは、少なくても主体的には行えません。

     

    二つ目は、EU加盟国(欧州連合に加盟していること)であることです。そもそも、なぜ財政赤字を対GDP比3%に収める必要があるのか?

     

     

    <マーストリヒト条約に基づく、過剰財政赤字是正の手続きの流れ>

     

     EUを成立させたマーストリヒト条約で、財政赤字を対GDP比3%に収めるという決まりがあるのです。(上図参照)

     フランス中央銀行は、今年のフランスの財政赤字対GDP比が3.1%になると予想を発表しました。それを受け、欧州委員会のモスコビシ委員は、マクロン大統領に対し、2017年中に財政赤字削減目標を達成するよう要請しました。上図のマーストリヒト条約の通り、「財政赤字対GDP比3%以下」もしくは「政府対GDP比率60%以下」を満たさない場合、報告書を作成して是正するというルールがあるからです。

     

     モスコビシ委員は、「フランスの財政赤字は、今後、対GDP比で3%を越えてはいけない」と発言しました。これは露骨な内政干渉であり、本来はフランスは異論反論すべきですが、EUとは、そういう国際協定であるため、許されます。

     そうした内政干渉や、自国で立法できない、EUの法律を押し付けられるという状態に嫌気を指したのが、イギリス国民であり、EU離脱騒動です。

     

     フランスはマクロン大統領がEU残留を掲げて当選していますので、当然EU加盟を継続することとなり、財政赤字の額を「主権」に基づいて決めることができないという状況が継続することになります。

     その結果、国債金利とインフレ率が双方低いにもかかわらず、公共投資削減に走ることになります。

     

     日本同様に、フランスは本格的なデフレに突入する可能性は大であると考えます。

     フランス国民は、マクロン政権の緊縮財政の下で苦しみ、問題を解決したくても、「ユーロ」「EU」という国際協定の楔によって、解決できないまま、ひたすらグローバリズムに突き進むことになるでしょう。

     

     

     というわけで、今日はフランスのマクロン大統領の政策から見た今後のフランスの未来を意見しました。日本もプライマリーバランス目標という楔のために、いつまで経ってもデフレが脱却できないという状況が続いています。さっさとデフレ脱却できる環境が日本にはあります。フランスとは異なり、グローバリズムに汚染されることもなければ、「ユーロ」「EU」といった国際協定で縛られるものもないからです。そのような観点で、フランスを見てみますと「フランスは今後ますます大変になりそう!」「日本は、まだ解決の策がある!」ということがお気づきになるかと思います。特に、プライマリーバランス黒字化については、すぐにでも廃棄すべきです。

     ぜひ安倍政権も、欧州の現状を見ていただき、周回遅れのグローバリズム、移民受入を速やかに辞めていただきたいと思うのです。


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