運送業界における生産性向上と宅配BOX

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    JUGEMテーマ:運送業界について

     

     今回「生産性向上と宅配BOX」と題し、運送業界について意見したいと思います。

     

     運送業界における生産性向上としては、次のような解決策があります。

    ●トラックを大型化する(企業が主体)

    ●2台連結、3台連結などの隊列走行をできるようにする(企業が主体だが規制や環境整備で国も関与する)

    ●荷下ろしがスムーズに行えるようパワーアシストスーツを購入する(企業が主体)

    ●宅配BOX設置を義務付け、再配達業務の軽減させる(企業が主体だが法整備・環境整備で国も関与する)

    ●高速道路がないところに高速道路を作る(国が主体)

    ●高速道路や一般道路の車線幅を広げる(国が主体)

     

     今日は上記のうち、宅配BOX設置について意見いたします。

     

     

     

    1.運送業界のドライバー不足と宅配BOX設置

     

     運送業界はドライバー不足という人手不足状態となっています。日本は一軒家になぜ宅配BOXがないのでしょう?マンションには宅配BOXがありますが、郵便受けに荷物は入りません。

     

     おそらく過去に「宅配BOX置きましょう!」と提案した企業はあったかもしれません。とはいえ、再配達がどれだけ無駄で非効率で生産性が低いか?ということが社会的に認知されていなかったと思うのです。

     さらに言えば、運送会社も人が足らないのであれば、デフレで人余りであるがゆえに人を雇えばいいのでは?という風潮があったとも思います。

     

     でも今の人手不足の状況下で、「”人を雇えばいい”というわけにはいきません!」となり、ようやく一軒家の宅配BOXが注目されるようになったのでしょう。

     宅配BOXについて、皆様にイメージしていただきたく、イメージは下記の通りです。

     

     

    (出典:パナソニックのホームページ)

     

     

     宅急便の最大手のヤマト運輸が、料金値上げを発表しましたが、その背景は再配達です。

     改めて、その大変さがクローズアップされました。

     宅配会社の人、ドライバーの人、運送会社の人にとっての付加価値(生産活動)は、荷物を運ぶことです。

     運送サービスを生産しているわけですが、再配達は運送サービスの生産にならず、ものすごい無駄です。

     何度も何度も不在通知を入れたり、〇〇に電話してくださいとか、届けることができない限り生産にならないのです。

     

     

     

    2.パナソニックによる宅配BOX設置の実証実験(福井県あわら市における実証実験)結果

     

     最近、宅配BOXの話題は増えており、その一つがパナソニックが福井県あわら市内の共稼ぎの一戸建て用に宅配BOXを設置した実証実験を行いました。

     結果が出ておりまして、再配達率は宅配BOX設置前と設置後で、49%→8%に減少したとの実証結果が出ています。

     

    <資料1:パナソニックによる福井県あわら市内の宅配BOXの実証実験結果>

     

    (出典:パナソニックのホームページ)

     

     

     上記表の通り、49%→8%という数字は、生産性で言えば、40%上昇したということになります。0%にならない理由としては、

    ●荷物が大きすぎて宅配BOXに入らなかった

    ●冷凍冷蔵品で宅配BOXに入れておくことができない物だった

    ●ドライバーが宅配BOXの場所がわからなかった

    というのが主な理由で、再配達になってしまったのもあります。

     

     とはいえ、49%→8%という数値改善は、今まで2回行かなければ荷物を届けられなかったのが、1回で届けられることが格段に増えたということであり、宅配会社にとっては、まさに生産性の向上ということになります。

     ドライバーさん一人当たりの運送宅配サービスの生産量が上がったというわけです。

     別にドライバーさんの労働時間が増えたわけではありません。むしろ逆に労働時間は減っています。

     

     

     

    3.デフレを起因とする過剰サービス横行と団塊世代ドライバー引退とネットショップの激増

     

     デフレの時は生産性がなかなか上がりません。宅配便サービスは、その最たる例と言えましょう。競争に勝ち残るために、サービスの一つとして再配達を当たり前のようにやってきたわけです。

     失われた20年間の日本における究極的な問題は、過剰サービスを低価格で提供せざるを得なかったということであり、貧困化やデフレに陥った経緯のポイントでもあります。

     

     なぜならば?と言えば、もし過剰サービスをしない場合、「客に逃げられるじゃないか!」という話になるからです。

     日本の宅配サービスは文句なしで世界一ですが、これはある意味でデフレに起因するとも言えるわけです。

     

     では、今後はどうすべきでしょうか?

     同じ高品質のサービスを維持したいということであれば、生産者即ち宅配業界でいえば、ドライバーさん一人当たりの宅配サービスの生産量を増やさなければ、どうにもなりません。政府と企業が協力して、宅配BOX設置の投資をすることで再配達を減らすということは、生産性向上のわかりやすいケーススタディです。

     

     宅配便の取扱数は着実に増加しています。インターネットの普及によりネットショップの激増で取扱数が増えているのです。

     国交省によれば、航空便を含めて2016年は40億個超になったという数値が発表されています。1億3000万人の日本の人口からすれば、20歳以上で見て約40個程度はネットショップで物を買っているということになるでしょう。

     

     ネットショップによる運送需要が増えていくのはイイことですが、その一方でドライバー不足という人手不足が重なっています。特に団塊世代のドライバーの引退が増えたところに、ネットショップ激増が重なり、宅配業界だけでなく運送業界が一気に人手不足となったのです。

     

     

     

    4.生産性向上の方法は4つしかない!

     

     誰もが景気が良くなって欲しいと思うでしょう。景気が良くなっていけばデフレ脱却し、人手不足を解消すべく、さらなる生産性向上をしていかなければなりません。その生産性向上のために必要なことは何でしょうか?生産性向上の方法は4つしかありません。

     

    (1)設備投資

    (2)人材投資

    (3)公共投資

    (4)技術投資

     

    1つ目の設備投資についていえば、宅配BOX設置は、ある意味で設備投資です。設備を設置することで生産性を高める。これは宅配会社が設置するのではなく、一般家庭で設置をするわけなので、宅配BOXを供給する会社と、政府が法を定めて義務付けるといった環境整備も必要です。製造業でいえば、工場の建設や設備設置やライン大量生産を指します。

     

    2つ目は人材投資ですが、ど素人よりも、その仕事に慣れた人の方が絶対的に生産性は高いです。

     

    3つ目は公共投資です。交通インフラなしに、どうやって生産性を上げるのでしょうか?一般道路だけだったら、これは絶対に無理です。端的に言えば高速道路をもっと作りましょう!という話です。

     

    最後は技術投資になります。運送会社でいえば隊列走行という技術があります。(下方のイメージを参照)

    1台のトラックで複数のトラックを連ねて走行するという技術ですが、2018年1月から実験が開始されます。

     

    <隊列走行のイメージ>

    (出典:国交省)

     

     隊列走行が実用化されて、例えば1台のトラックで後続で3台連ねて走行することができるようになったとします。するとドライバーさんは一気に4倍の荷物を運ぶことができるようになるわけで、生産性は4倍に向上します。極端な話、GDP3面等価の原則でいえば、ドライバーさんは4倍の給料をもらっていいのです。これが生産性向上による実質賃金の上昇なのです。

     現実には、運送会社と従業員ドライバーで労働分配率で4倍もらえませんが、運送料金を値下げせず4倍の荷物を運べば、実質賃金上昇の原資は最大4倍まで増えるのです。

     

     

     というわけで、今日は「運送業界における生産性向上と宅配BOX」と題し、運送業界における生産性向上と実質賃金上昇のためのヒントをご説明しました。生産性を高めない限り、実質賃金は上がりようがないのです。

     生産性を高める投資を促進させること、それこそが政府の役割だと思うのですが、逆に安い賃金の外国人労働者の受入促進をしてしまえば、「生産性を高める投資なんて面倒だから、外国人労働者を採用すればいいじゃん!」という話になり、生産性が高まらず実質賃金も上昇せず、デフレからいつまで経っても脱却できないという話になります。

     改めて生産性向上の意味について、本ブログでご理解が深まれば幸いです。

     

     

     

     


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