防衛費GDP1%枠を撤廃せよ!(軍事技術を民生技術に応用して豊かな暮らしに! )

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     防衛費のGDP1%枠というのがあるのをご存知でしょうか?

     

     日ロ首脳会談が安倍首相とプーチンとで行われましたが、経済がデフレでヘタって、軍備が相手国(ロシア軍)より弱い場合、外交で強く出ることはできません。マスコミや評論家らは、経済協力を積極的に日本が行えば北方領土のうち2島が返還されるなど、呑気なものです。そもそも対ロシア関係の改善を明言している米国のトランプが大統領になったため、プーチン大統領が領土で日本に譲歩することは、ロシアの国益にならず、あり得ません。

     

    歴史的事実を編年体で記載いたします。

     

    1875年 千島樺太交換条約を締結

    1905年 ポーツマス条約締結

    1951年 サンフランシスコ条約

    1956年 日ソ共同宣言

     

     

    1875年 日本ロシア帝国間で千島列島と樺太全島を交換する千島樺太交換条約を締結

         樺太を放棄する代わりに千島列島(現在のウルップ島以北)を獲得する

    1905年 我が国はポーツマス条約でロシア帝国から樺太南部を譲り受ける

    1951年 我が国はサンフランシスコ条約で、樺太南部と千島列島(※)に対するすべての権利を放棄する

        ※千島列島とは、ウルップ島以北であり、択捉島・国後島・色丹島・歯舞諸島は含まれない

         またソ連はサンフランシスコ条約に署名しておらず、条約上の権利を主張することはできない

    1956年 日ソ共同宣言で、平和条約締結後にソ連が歯舞群島と色丹島を引き渡すという前提で、

         平和条約の交渉を行う合意

         しかし、以後北方領土について何らかの現状変更はなく、現在に至る

     

     結局今回の会談で北方領土は「共同経済活動に関する協議を開始することに合意」のみで決着。国後や択捉や歯舞・色丹の帰属問題は進展せず、官民合わせて80件の経済協力と、日本側の投融資金額3000億円の合意文書が交わされました。プーチン大統領から見れば、北方領土が「ロシアに帰属する」ことを世界にアピールし、ウクライナ問題以降、経済制裁しているはずのG7諸国の一角の我が国から市場最大規模の経済協力を取り付けたわけです。我が国の完敗、プーチンの完勝です。

     

     それでも、我が国は北方4島が日本の領土であることを主張し続けなければなりません。北方領土は1857年の千島樺太交換条約以前の1855年に日ロ間で結ばれた日魯通行条約(日露和親条約)で、日本国の領土であることが確認されています。北方4島が外国領土になったことはありません。大東亜戦争敗北後、日ソ中立条約(1946年4月25日まで有効)を破って北方4島を占拠し、今もなお不法占拠が続いていますが、日本政府としては北方4島をロシア領と認めたことはないのです。

     

     今回の安倍プーチン会談で、そもそも経済がデフレでヘタっていて軍備にも力を入れていない我が国がロシアに譲歩を迫れるだけの武器や材料はありません。

     ロシアは、米ソ冷戦時代にアポロ計画で宇宙開発もやっていますし、地下鉄などのインフラも自前でできる技術があります。西側諸国と比べればインフラは不十分ですが、核兵器を開発して保有できる国力もあれば、石油や天然ガスといった資源も大量にあるわけです。

     

    (写真:2015年12月31日にモスクワに旅行に行った際に撮影したもの。モスクワ市内の地下鉄)

     

     

     日本がロシアに譲歩を迫れるとすれば、経済が圧倒的に伸びていて、即ちGDPが伸び続けていることは最低条件だと思うのです。GDPを伸ばす方法として政府支出があるわけですが、表題の防衛費について考えたいと思います。

     

     防衛費1%枠とは、GDPのうち防衛費は1%しか使ってはならないという制約です。我が国が二度と軍国主義にならないためだのなんだか意味が分かりませんが、マクロ経済的・外交戦術的には、意味のない制約です。民間で製品化されているものや我々の身近なところで、軍事技術から民生にスピンオフしてきた技術が沢山あります。そうした技術の一例を取り上げてみたいと思います。

     

     

     

    1.軍事から民生に応用された技術の主な例

     

    (1)インターネット(無線を応用し、強力なパケット通信を実現)

     もともと軍事では無線を使って味方と交信していたわけですが、無線は少し障害物があると電波が届かなくなることがあり、例えば隊員に退避命令を出したくても、電波が届かず一線の隊員の生命が脅かされる危険があります。そこで強力なパケット通信の技術を発達させ、インターネットという通信技術が生み出されました。

     

    (2)アンチブレーキロックシステム(アクティブフェーズドアレイレーダーを応用)

     乗用車で急ハンドルしてもロックしない技術、それがアンチブレーキロックシステムで、今はほとんどの車が標準装備となっております。元々は戦闘機のアクティブフェーズドアレイレーダーシステムが起源です。戦闘機同士で急接近して、操縦桿を急旋回させると、戦闘機がバランスを崩して制御不能になることがあります。これはパイロットに危険が及ぶため、アクティブフェーズドアレイレーダーシステムというシステムができました。このシステムにより、パイロットが操縦桿を急旋回しても制御不能になることはなく、体勢を立て直して作戦を遂行することが可能になります。

     

    (3)魚群探知機(潜水艦ソナーを応用)

     潜水艦のソナーという技術があります。これは水中を伝播する音波を使い、海底や水中の物体を捜索、探知、測距するものです。潜水艦はどこにいるかわからない?ことが相手に脅威を与える艦船であり、一方で潜水艦自体は音波を活用して海底の地形や、敵方の洋上の艦船や潜水艦を早く探知して攻撃するなどいたします。このソナーを活用して、魚群探知機が生み出されました。漁師の人々は、燃料を買って船で漁に出ますが、効率よく魚を捕るために、ソナーの技術を応用して魚群探知機というものが誕生したのです。

     

    (4)GPS、カーナビゲーション(衛星を応用)

     衛星もともと軍事目的の技術です。宇宙に衛星が飛んでいるために、地球上で例えば北朝鮮がミサイル発射準備をしている、巡航ミサイルトマホークのように障害物を避けながら低空で対空ミサイルに狙われないように目的物を破壊するなどに活用されています。民間ではカーナビゲーションは言うまでもなく、スマートフォーンタブレットでのナビなどに応用されています。

     

    (5)原子炉用タービン軸(戦車の砲身製造加工技術を応用)

     発電所の原子炉は高温です。タービンを回すために熱風を送り込みますが、この原子炉の圧力容器の製造に、戦車の砲身製造技術が応用されています。

     

    (6)医療治療用チタンボルト(チタンボルト成型加工技術)

     骨折したとき、昔は鉄製プレートで骨と骨をつなぎ、鉄製ボルトで固定していました。ところが鉄は重く、人体にも悪影響。もともと戦闘機を早く飛ばす、航続距離を長くするといった課題を克服するために、機体の軽量化がありますが、戦闘機においてもスチールではなくチタンが使われ、つなぎ目の部分にチタンボルトが使われました。これを民政に応用してチタンボルト成型加工技術として、骨折治療などの医療分野に応用されています。チタンは体に優しく軽くて丈夫なのです。

     

     

    2.民生から軍事に応用された技術の主な例

     

    (1)戦闘機のフラットパネルディスプレイ

     フラットパネルディスプレイは、もともと民生技術でしたが、F35戦闘機に使われていると言われています。

     

    (2)成田エクスプレスや京成線スカイライナーのアクティブサスペンション

     物理学のスカイフック理論を応用し、油圧シリンダーを使って高速鉄道が揺れずに走行できるようにする技術。これを軍事技術に応用したのが、三菱重工の10式戦車です。路面がどれだけ凹凸状態であっても、いったんロックしたターゲットは外さずに攻撃します。揺れを少なくするだけなら、米国軍の戦車のM1A1エイブラムスにもありますが、主砲がロックしたものを外さないまでの技術は現在のところ、三菱重工の10式戦車だけです。

     

     

    3.「軍備拡大は軍国主義?」というのは全くの誤り

     

     上述の事例の通り、軍事にお金をかけることは、仮想敵国の中国やロシアから、我が国の財産生命を守る最新鋭の兵器ができることに加え、その技術をスピンオフして民生に応用することで新商品が生み出され、日常生活が豊かになるのです。

     こうしてみると、政府支出に軍事と民生と線を引いて考えることに意味がないことが理解できるのではないでしょうか?もちろん、軍備拡大はGDPの算出項目である政府支出増につながりますので、デフレ脱却と税収増につながります。

     付け加えていうならば、我が国は最新鋭の兵器を作るための基礎技術、即ち素材からシリコンウエハー、LSI回路、セラミック、コンデンサー、セミコンダクターなどの電子部品から組み立てまでを、すべて賄えるため、経済効果が大きいのです。

     

     もし、韓国のように組み立てはできても、基礎科学分野が確立されておらず、電子部品やレアーガス等を我が国の電子部品メーカーからの輸入に頼るとすれば、軍用機を組み立てても、韓国の経済効果は小さい。電子部品に強い日本の経済効果となってしまいます。

     

     それに比べて、我が国は軍事技術に力を入れて最新鋭の兵器を作ることは、素材加工からすべてが他国の力を借りずにできるため、経済効果が極めて大きい。しかも国防安全保障を強化し、外交にも強く打って出られる状況になります。

     

     GDP1%枠などというのは、全く国益を損ねるものであり、デフレ脱却のための政府支出増の一案として撤廃していただきたいと、改めて今回の日ロ会談を契機に思った次第です。


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