レベルが低すぎる自民党の「反アベノミクス」勉強会

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    JUGEMテーマ:年金/財政

     

     今日は、お馴染みの”国の借金”問題で、「財政破綻」をテーマにした”ダメなやつ”と”もっとダメなやつ”の議論ということで、自民党の「反アベノミクス」勉強会について取り上げます。

     

     下記は、5月17日付産経新聞のニュースです。

    『産経新聞 2017/05/17 08:04 自民“反アベノミクス”勉強会 初会合に衆参国会議員約20人が出席

    自民党の「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」(代表発起人・野田毅前党税制調査会長)が16日、国会内で初会合を開いた。今後、アベノミクスの三本の矢である財政、金融、成長戦略の課題について有識者を交えて定期的に議論する。

    同会には呼びかけ人として中谷元・前防衛相や野田聖子元総務会長も参加している。会合には党所属の衆参国会議員約20人が出席した。野田毅氏は会合の冒頭、「少子高齢化が加速する中、財源の裏付けがないまま惰性に流されればあまりにも無責任だ」と述べた。』

     

     

     野田毅衆議院議員は、上記会合において、「財政破綻の足音が聞こえてきており、このまま放置するわけにはいかない。」と語っています。

    野田毅氏は、日本は財政破綻すると思っているのでしょうか?また、なぜ日本がデフレから脱出できないのか、デフレが需要不足が原因であることを理解していないのではないでしょうか?

     

     アベノミクスが批判されるべきなのは、緊縮財政をやっている点です。もともと2013年安倍政権発足時は、国土強靭化と称して財政出動と、金融政策のパッケージで、デフレ脱却を目指すとして、実際に財政出動してきました。結果、2013年は名目GDPで1.9%の成長し、税収も6.9%増えました。

     そのまま財政出動を拡大し続ければ、日本はデフレ脱却を果たし、名目GDPの成長に伴って税収が増え、社会保障費も十分すぎるほどおつりが出るくらいになっていたことでしょう。

     

     ところが、2014年4月の消費増税に始まり、医療・介護費削減だけでなく、公共工事でさえ削減し始め、民主党政権時よりも緊縮財政を進めてしまいました。2013年の積極的な財政出動から、緊縮財政へと舵を切り、さらに緊縮を進めてしまっているのです。

     これはプライマリーバランス目標に固執し、財政出動をしようとも、プライマリーバランスを黒字化するために、財政出動を控える、国債増刷を控える、という発想になってしまったことによるものでしょう。

     

     デフレという「需要の不足」から脱却するためには、政府が財政出動を拡大するしかありません。なぜ、「需要の不足」が起きているか?といえば、

    ●バブル崩壊後に、国民が借金返済と銀行預金を増やし、所得から消費や投資に回されるお金が減る

    ●政府が増税や政府支出削減という緊縮財政をとり、消費や投資の減少に拍車をかける

    から、「需要の不足」が起きているのです。

     

     日本バブル崩壊は1992年頃ですが、それ以降も1998年まで、GDPは上昇を続けていました。ところが1998年に、橋本龍太郎政権が、消費増税(3%→5%)をはじめとする緊縮財政を強行し、需要が一気に減るデフレーションに陥ったのです。

     デフレ期に民間が消費や投資を率先して増やすことはありません。なぜならば、デフレ期は貯蓄(借金返済や銀行預金)が合理的だからです。

     私たちはお金を使わないことが合理的だからこそ、お金を使わず、その結果デフレが継続していきます。

     この状況を打破できる存在は、非合理的にお金を使うことができる政府しかありません。ここで言う「非合理的」とは、「短期的な利益にならなくても、将来のためにお金を使える」という意味です。

     

     100年に一度しか起きないかもしれない大洪水に備えたスーパー堤防、あるいは防波堤・防潮堤・砂防ダムなど、自然災害のオンパレードの日本にとって、こうした大災害に対する備えは、国家の災害安全保障という観点で必要な需要です。

     100年に一度起きるか起きないか?わからない大津波に備えるなんて、株式会社の民間企業では、普通はできないでしょう。こうした民間企業が普通はできないことを、普通にできるのが政府という存在なのです。

     

     にもかかわらず、私たち日本人は、ゼネコンやマリコンを談合という印象操作で貶め、さらに人口問題に対する正しい問題認識を持たないことで、「公共工事は無駄!インフラ整備は無駄!」として需要を削っていったのです。

     

     安倍政権発足後、4年が経ちますが、2013年度こそ政府支出を増やしましたが、2014年以降今もなお、猛烈な緊縮財政を継続しています。結果、史上最悪の「緊縮財政政権」として、日本のデフレ脱却を妨げてきました。だからこそ、安倍政権は批判されるべきなのです。

     

     ところが現実はどうでしょうか?

     野田毅氏は会見の冒頭で「少子高齢化が加速する中、財源の裏付けがないまま惰性に流れればあまりにも無責任だ!」と述べ、「財政破綻の足音が聞こえており、このまま放置するわけにはいかない。」と語っています。

     

    「反アベノミクス」勉強会に出席した中谷元前防衛省、野田聖子元総務会長らをはじめとする自民党の国会議員らも、日本は財政破綻すると思っているのでしょうか?

     

     政府の負債が100%日本円建てで、国債金利が0.04%台の国で、「財政破綻の足音が聞こえる」などと言う発言は、頭が相当に悪いのか?幻聴が聞こえるほど耳がおかしいか?ウソつきなのか?こうした政治家は、日本国のために引退して欲しいと思うのです。

     

     なぜならば日本国民が迷惑するからです。反・アベノミクスの連中、しかも国会議員が、この程度のレベルです。日本において言えば、「財政破綻の足音なんて聞こえようがない!」のです。

     もはや、”わかっていないヤツ”と”もっとわかっていないヤツ”の議論、言い換えれば”ダメなやつ”と”もっとダメなやつ”の議論と言ってよいでしょう。

     こうした政治家は日本国のために引退していただきたいと強く思うのです。

     

     

     というわけで、今日は自民党の野田毅を発起人とする「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」で、「反アベノミクス」勉強会の初会合が行われたというニュースを取り上げさせていただき、余りにもレベルが低すぎることを指摘させていただきました。

     

     

     

     


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