目先のデジタル技術発展・中国ビジネスを引き換えに、自国の安全保障を引き渡してはいけない

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     今日は「目先のデジタル技術発展・中国ビジネスを引き換えに、自国の安全保障を引き渡してはいけない」と題して英国のボリス・ジョンソン首相のHuawei対策について論説します。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2020/10/08 07:29 中国政府とファーウェイの結託、明白な証拠を確認=英議会委員会

    [ロンドン 8日 ロイター] - 英議会の国防委員会は8日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)について、中国政府と結託していた明白な証拠を見つけたとし、英国は予定よりも早く同社製品を全て排除する必要があるかもしれないと表明した。

     ジョンソン英首相は7月、次世代通信規格「5G」ネットワークからファーウェイ製品を2027年末までに締め出すよう命じた。

     国防委員会のエルウッド委員長は「西側諸国は中国のハイテク支配に対抗するため、早急に団結しなければならない」と指摘。「短期的な技術発展のために国家安全保障を明け渡してはならない」と述べた。

     同委員会は証拠の詳細には踏み込まなかったものの、「中国共産党組織」とファーウェイの結託の明白な証拠を確認したとした。

     その上で、5Gからのファーウェイ排除を命じたジョンソン首相の決定を支持すると表明し、期限を2025年に前倒しする必要があるかもしれないとした。

     一方、ファーウェイは同委員会の報告は信頼性が欠けていると指摘。広報担当者は「事実よりも意見に基づいている。人々はこれら根拠のない結託主張の本質を見抜き、むしろファーウェイが過去20年にわたって英国にもたらしたことを思い起こすとわれわれは確信している」と述べた。』

     

     上記は 米中覇権戦争が通商戦争から金融戦争に移行しようとしている中で、英国議会が中国共産党政府がHuaweiと結託しているとする明白な証拠を確認したとする記事です。

     

     既に英国政府、ボリスジョンソンは2020/07/14、5GでHuaweiを2027年度までに排除する方針を決定しております。

     

     今回のニュースのポイントは、中国共産党組織とHuaweiが繋がっているという明白な証拠を確認したため、2027年度までに排除という方針を前倒しする必要があるかもしれないと、さらに厳しく対処する方針を示唆している点がポイントです。

     

     英国はもともと2019年に、5GネットワークではHuaweiを採用することを正式に決めていましたが、これを転換して2027年度まで排除する方針変更。5Gのインフラ再構築のために、20億ポンド(約2,680億円)のコスト増加となることに加え、5Gサービスの開始そのものが2〜3年遅れるとも言われておりますが、英国政府、ボリスジョンソン首相は、中国とのビジネスを早く断ち切らなければ、自国の安全保障を毀損し、中長期的に英国の国益を損ねるという判断をされたものと私は思います。

     

     一方で米国のトランプ政権では、商務省がHuaweiに課す規制が2020/09/15から実施され、具体的には米国の技術に関連する半導体製品の供給が全面的に止まることとなりました。このことにより米国の電子部品メーカーは、自社製品がHuaweiの手に渡らないかどうかの調査義務まで課せられます。

     

     電子部品はパソコン、スマートフォンなどの端末のほか、自動車産業やAI、IoTなど、サプライチェーンが広範囲で裾野が広く、電子部品の世界シェアが高い日本企業は、取引先との訴訟リスクを抱えることになるでしょう。

     

     もともと米国は今年5月に禁輸措置を公表しましたが、9/15実施の規制強化では、禁止の要件からHuaweiが製造または開発に携わった製品という部分が削除され、Huaweiが設計に関わらない汎用半導体は取引ができるという抜け穴を防ぐことが狙いになっています。そのため、曖昧さが完全に排除されてて厳格に規制をしようとしているものと考えられます。

     

     さらに規制対象企業にHuaweiの関連会社38社も加えており、迂回取引をシャットアウトする狙いもあります。

     

     英国議会における今回報じられたHuaweiと中国共産党との結託の証拠が確認されたというニュースは、こうした米国の動きに沿うように、あるいは米国の動きよりも先陣を切っていち早くHuaweiと断ち切る動きを加速させる大きな要因となったといえるでしょう。

     

     一方で日本は?といえば、菅政権はデジタル庁を創設し、マスメディアが”菅政権の肝いり”と報じています。

     

     デフレを脱却すれば、デジタル庁など創設しなくても、勝手に日本企業が設備投資を切磋琢磨し合い、自国で技術革新の投資をしていくことが可能ですが、デフレ脱却を放置するどころか、コロナ禍でも消費税減税をせず、公共事業費も抑制したまま、相変わらず政府に緊縮財政を推進する愚策が進行。揚げ句の果てには財政支出拡大を抑制するためにベーシックインカムの導入の言説が、マスコミをにぎわせている状況です。

     

     このようにデフレを放置するどころか、デフレを深刻化させる政策しかやらないため、日本のハイテク企業は日本国内で儲けることができず、人件費が安い中国企業と手を結んで利益を捻出しようと苦境に立たされている状況であると私は考えます。

     

     しかも、その人件費が安いというのは、ウイグル人を無賃で働かせるという国際法違反の奴隷労働が下支えになっているものです。

     

     この問題でも米国を中心に、中国がサプライチェーンに含まれる場合は、ウイグル人の無賃労働を利用していないことを証明させる法律を、米国のジョシュ・ホーリー上院議員ら中心に検討されて法律には罰則規定が盛り込まれる模様です。

     

     欧米諸国のこうした情勢の中で、日本が急ぐべきことはデフレ脱却なのですが、それが放置されているために日本では大企業ですらHuaweiと取引せざるを得ないという状況であり、そのことを目をつぶってか知らずしてか、デジタル庁なるものを創設して”肝いり”などとしている時点で、日本は終わっているといえるでしょう。

     

     また今年7月には、村田製作所がHuaweiから1兆円受注増というニュースが報じられ、コンデンサーやモジュールの供給が依然続けられていますが、米国の禁輸措置強化の影響は大きいはずで、米国の輸出管理規制違反で罰金や米国企業との取引停止などの制裁を受けるリスクがあります。

     

     直接Huaweiと取引しなくても、最終使用者にHuaweiが含まれないという表明保証を受ける対応策を講じない限り、こうしたリスクを回避することはできず、日本企業は対応に追われることになるでしょう。

     

     その一方でボリス・ジョンソン首相のように、Huaweiが中国共産党と結託している証拠が出た以上、Huaweiを断ち切る動きをさらに早めようとする政治決断は、私は素晴らしいと思いますし、ボリス・ジョンソン首相の「短期的な技術発展のために国家安全保障を明け渡してはならない」との発言は、全く仰る通りといえます。

     

     そして西側諸国が手を組み、5Gの技術開発を中国抜きでやるべきであるという発言もまた、米国のデカップリングと沿った動きであり、こうした英国のHuawei問題やサプライチェーンの中国寸断の動きについて、覇権国の米国よりも厳しく臨まれているのは、非常に望ましいことであると私は思います。

     

     

     

     というわけで今日は「目先のデジタル技術発展・中国ビジネスを引き換えに、自国の安全保障を引き渡してはいけない」と題して論説しました。

     日本では、中国とのデカップリングを本格化しているとは言い難く、自国の安全保障が危機に晒され続けているといえます。

     米国の大統領選で、トランプ大統領のイメージは悪く報じられる一方で、ボリス・ジョンソン首相の対中国強硬姿勢は、トランプ大統領ほど人格を否定するような論説が見受けられません。

     今回のような米国以外の欧州国の中国強硬姿勢が少しずつ報じられているとはいえ、ウイグル人の人権弾圧問題など、問題意識が浸透しているとは言えない状況であると思っております。

     そのため英米と比較して、日本企業の中国リスクへの認識が低いと私は感じており、気付いた時には米国から厳しく罰せられますし、企業が罰金でお金を失うこともさることながら、日本のハイテク産業の技術が中国に流出して日本の安全保障を脅かされることが一番の問題ではないか?と私は改めて思っています。

     

    〜関連記事〜

    5GでHuaweiの排除を決定した英国と、Huaweiから1兆円を受注する村田製作所

     


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