ヨーゼフ・シュンペーターの創造的破壊と日本の構造改革派連中に見る考え方の違い

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     今日は「ヨーゼフ・シュンペーターの創造的破壊と日本の構造改革派連中に見る考え方の違い」と題して論説します。

     

     私は主流派経済学者(Main Street Economist)に対して批判的な立場です。新自由主義は経世済民を果たせないということもさることながら、間違った理論を正しいという前提で主張することが多い。一方で、古典派経済学でいえば、ジョン・メイナード・ケインズを筆頭に、誰もが幸せになれ、戦争を回避できる経済学を主張しており、私は正しい論説が多いと思っております。

     

     では今日の表題の、ヨーゼフ・シュンペーターという人はどんな人物なのか?といえば、ハンガリー人の経済学者で、イノベーションという概念を中心とした「創造的破壊」という概念を考えた人です。

     

     ただ今日の日本で論じられるような「創造的破壊」のイメージとは異なり、信用創造を重視していて、お金のプール論の概念ではなく、投資は新たな貨幣を創出して行うという立場であることが象徴的な人物であると私は思っています。

     

     シュンペーターは、次の5つの類型をイノベーションとして提示しました。

     

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    ⊃靴靴だ源妻法の導入

    新しい販売先の開拓

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     上記 銑イ世韻鬟團奪アップすると新自由主義っぽく聞こえますが、シュンペーターは 銑イ離ぅ離戞璽轡腑鵑魎覿箸推進するためには、貨幣が必要であると説いています。

     

     仮に今、日本がインフレだったとして、モノがたくさん売れる環境下において、資本主義経済の場合、各種のイノベーションということで、拡大する需要に供給するために工場を新設しようとするならば、その資金は銀行融資で調達するのが基本です。

     

     ところが拡大する需要に対して、工場の生産能力が不足して供給不足となっている状況で、「新たな工場を建設するために10年間お金を貯めてから工場を作ろう!」などとやっていたら、商機を逃して機会損失を発生させることになります。

     

     そもそも10年後にその需要がそのまま残っているかどうかですらわかりません。

     

     そのため、生産者は「今」資金を銀行から借り入れて、その借りたお金で工場を建設し、生産量を増やさなければならないのですが、これこそが資本主義の基本です。

     

     ここまでは読者の皆様も普通にご理解いただけるのでは?と思いますが、問題は投資の際、銀行が生産者に貸し付けた貨幣は、どこから調達されるのか?については、皆さんは正解をご存知でしょうか?

     

     信用創造という概念を正しく理解し、銀行のビジネスモデルと理解した人であれば、普通に正解を知っていることでしょう。

     

     正解は「どこからも調達されていない。」ということになります。

     

     多くの人が勘違いをし、肝心な銀行マンですら誤解している人がいるのですが、銀行というのは、集めた預金を貸し付けているのではないという事実です。

     

     生産者に対する工場の設備資金は、他から集めた預金に利ザヤを乗せて貸すと思われている方は、誠に残念なのですが白痴者です。

     

     例えば生産者が工場建築のために5億円を借りたいということで借入を申し込んできたら、銀行は生産者の通帳に5億円の数字を記帳するだけでお金を貸すのです。

     

     銀行が生産者に記帳で書いた5億円が、貨幣として工場を建築する建設業者や生産設備メーカーなどに支払われます。そこで生産者は最新の工場を手に入れ、いわば工場という資本を活用して生産活動を拡大していくのです。

     

     もし貨幣を借りようとした際、銀行側が「お客様、5億円の借入について承知いたしました。ところが弊行では、今5億円相当の預金がないため、営業で大口預金獲得するか、もしくは自行で株式発行もしくは社債発行など、何らかの手段で資金を調達するので、それまでご融資の実行をお待ちいただけませんでしょうか?」などとなることは、絶対にありません。

     

     大口預金を今今獲得せずとも、新株発行や社債の発行などせずとも、そうした資金調達のプロセスは全く不要で、単に生産者の通帳に預金5億を記帳すればいいだけの話です。

     

     これは主流派経済学の立場ですと、あたかもお金にはプールがあって有限であり、5億円記帳するだけでお金を貸すなどあり得ず、他から何らかの資金を調達せねば、5億円の融資はできないという考え方になりますが、この考えは間違っているのです。

     

     お金にプールがあって有限であるという考え方は、ミクロ経済学の予算制約を当てはめている考え方で、この考えですと「プールの中にだけ存在するお金」を奪い合うこととなるため、投資拡大に制約がかかってしまい、資本主義の発展はあり得ません。

     

     実際は銀行は「また貸し」しているのではなく、単に”5億円”と通帳に書くというだけでお金を発行します。

     

     そのため論理的には、借り手がいる限りにおいて、銀行はお金を無限に発行することが可能です。

     

     現実には法定準備預金制度という制約があり、無限に発行することはできないのですが、預金をまた貸ししているのではなということは、多くの人々が知るべき事実であると私は思っています。

     

     貨幣量がボトルネックにならないからこそ、信用創造を活用して資本主義は発展しました。

     

     最初に産業革命を遂げたのが英国であり、銀行制度がロンドンで発達したことは、決して無関係ではありません。

     

     いずれにしてもシュンペーターは資本主義の世界では、貨幣は銀行により創造されるのが本質であることを見抜いていました。

     

     即ちシュンペーターは、貨幣を商品のように扱う考え方即ち金地金などが裏付けになっているという言説や、貨幣量に上限があってそれはあたかもプールが存在するというような言説に根差す主流派経済学の貨幣論をきっぱりと否定したといえるでしょう。

     

     そう考えるとシュンペーターのイノベーション(=創造的破壊)というのは、「生産性向上」こそが資本主義の本質であるということとなり、人手不足に対して、雇用を増やして人手不足を埋めようといった発想はあり得ないことになります。

     

     人手不足を解消するためには、生産性向上のための投資を拡大することとなり、シュンペーターのイノベーション理論でいえば、新しい生産方法の導入が重要になるといえるでしょう。

     

     技術開発、設備投資により生産方式が変わり、生産性が向上すると、生産者の所得も向上し、拡大する需要を埋めているというインフレ下の場合ならば、GDP3面等価の原則でいえば、「需要>供給」の需要増のギャップを生産性向上による供給力UPで埋めることができ、消費増=生産増=所得増となります。

     

     デフレ化では生産性向上のニーズそのものが存在しません。何しろモノ・サービスが売れない状況下で、「需要<供給」というデフレ化で供給力を拡大すれば、モノ・サービスの値段は、さらに下落していきます。

     

     常に物が売れる、供給が需要そのものであるとする、いわゆる”セイの法則”が常に成り立っている状況はあり得ず、日本のようなデフレ化では物を作れば作るほど値段が下がっていくのです。

     

     日本に限りませんが、構造改革を是とする人らの頭の中には、「貨幣にはプールが存在して上限がある」「アダム・スミスが主張する取引の自由、市場の拡大こそが生産性向上の源である」という考えがあり、政府の財政出動、財政赤字拡大に否定的となるのです。

     

     最近菅政権になってから目立って言説が取り上げられるデービット・アトキンソンも、同じ類の間違った言説を振りまいていて、菅政権が彼を信奉しているという時点で、日本は亡国の道にさらに進んでいくことになるというのが、普通に予想できます。

     

     

     

     というわけで今日は「ヨーゼフ・シュンペーターの創造的破壊と日本の構造改革派連中に見る考え方の違い」と題して論説しました。

     創造的破壊を唱えたシュンペーターは、新自由主義っぽい感じがしますが、実は彼の創造的破壊というのは、そうではなく、信用創造を重視して、新たな貨幣を創出して投資を拡大し、新しい生産方法の導入を推進していくことで、資本主義が発展するということを唱えた人なのです。

     ところが竹中平蔵氏や維新の会らが主張する構造改革は、シュンペーターが主張している創造的破壊というのは全く異なるものであり、単に国力を弱体化させるだけの間違った改革でした。私は多くの日本人にそのことを理解していただきたいと思っております。


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