菅内閣は安倍政権以上に規制改革というインフレ対策に邁進するのでデフレ脱却に失敗するでしょう!

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     今日は2020/09/16に国会で総理大臣に指名され菅総理が誕生しましたが、菅内閣について述べたく「菅内閣は安倍政権以上に規制改革というインフレ対策に邁進するのでデフレ脱却に失敗するでしょう!」と題して論説します。

     

    1.規制改革で安全保障の弱体化とデフレが促進された日本

    2.規制改革と民営化によって所得が失われるメカニズム

    3.デジタル庁の創設について

     

     最初に日本経済新聞の記事を紹介した後、上記1〜3の順で論説します。

     

     

     まずは日本経済新聞の記事をご紹介します。

    『日本経済新聞 2020/09/18 02:00 菅内閣の優先政策、コロナ対策58% デジタル庁に賛成78%

     日本経済新聞社が16、17両日に実施した世論調査で菅義偉首相に優先的に処理してほしい政策課題を複数回答で聞いた。首位は「新型コロナウイルス対策」の58%で、2位は「景気回復」の42%だった。看板政策の「デジタル庁」創設は78%が「賛成」と答えた。

     「コロナ対策」を優先課題に挙げる人の割合は世代や内閣の支持・不支持などにかかわらず各層で最も高かった。「景気回復」と回答した割合も全体的に高かった。

     菅氏は首相に就いた16日の記者会見で「最優先課題はコロナ対策だ。爆発的な感染拡大は絶対阻止する。その上で社会経済活動との両立を目指す」と語った。

     世論調査では社会保障への関心も高い。「景気回復」に続く3位は「年金・医療・介護」の37%で「子育て・少子化対策」も28%だった。菅氏は不妊治療に保険適用する方針を打ち出した。

     菅氏が力点を置く「社会のデジタル化」は14%、「行政・規制改革」は12%だった。数字が最も低いのは「憲法改正」で6%にとどまった。

     行政のデジタル化を一元的に推進するためのデジタル庁の創設に「反対」と答えたのは9%だけだった。与党支持層で「賛成」は86%に上り、野党支持層でも7割を超えた。年代別にみると若年層ほど賛成する傾向があった。

     居住地域別では首都・関西両圏でデジタル庁創設に賛成は81%だった。それ以外の地域も78%で、都市部と地方で大きな差はみられなかった。

     首相は行政改革・規制改革相に河野太郎氏を起用した。2度目の登板で規制改革への知見がある。デジタル改革相には自民党でIT(情報技術)政策を議論する責任者を務めていた平井卓也氏を充てた。

     優先処理を望む政策で「社会のデジタル化」を選んだ層で、内閣や自民党執行部の顔ぶれを「評価する」と答えた人の割合は64%だった。「行政・規制改革」を選択した層では61%だった。

     いずれも全体に聞いた54%よりも高かった。菅内閣の目玉政策を担う河野、平井両氏への世論の期待がうかがえる。

     第2次安倍政権が発足した2012年以降の組閣や内閣改造で顔ぶれの評価を聞いた調査と比べると「評価する」の割合は今回が最も高かった。

     政党支持率は自民党が52%で8月の前回調査から5ポイント上がった。新党「立憲民主党」は7%だった。立民に加わらなかった玉木雄一郎氏らがつくった新党「国民民主党」は1%だった。日本維新の会は3%で1ポイント減だった。』

     

     

    1.規制改革で安全保障の弱体化とデフレが促進された日本

     

     上記は菅内閣が発足し、世論調査をした結果の内容を報じた記事です。

     

     菅総理は今月16日に国会で総理指名を受け、第99代総理に指名された後、組閣を受けて菅内閣が発足しました。官邸で記者会見に臨んだ菅総理は、国民のために働く内閣を作ると述べ、新型コロナウイルス対策と経済再生を最優先に、行政の縦割りを打破し、規制改革に取り組む方針を示しています。

     

     菅総理は、行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打ち破り、規制改革を進めると強調。その一環として国民から具体的な事例を通報してもらう窓口、縦割り110番を設置する考えを明らかにしています。

     

     縦割り110番は電話や電子メールで受け付ける方針とのこと。

     

     菅総理の基本姿勢は安倍内閣の政策を引き継ぐ方針で、麻生財務大臣、二階幹事長、西村経済再生担当大臣がスライドし、これは安倍内閣そのものといえるでしょう。

     

     唯一異なるのは、規制改革を全力ですすめるという点です。

     

     安倍内閣が進めてきた規制改革をさらに全力で踏襲すると述べられていますが、僭越ながら私から言わせてもらえれば、それこそが悪しき前例主義ではないでしょうか?菅内閣がやろうとしていることは、前例踏襲主義ではないか!と指摘したいです。

     

     安倍政権の規制改革は、全くいいことはありませんでした。住宅宿泊事業法(民泊新法)、種子法廃止、農業競争力強化支援法、改正電気事業法、改正水道法、改正種苗法、スーパーシティ法、いずれの規制改革も、安全保障を犠牲にしてカネ儲けができるようにビジネスをやりやすくするというコンセプトの法案を次々と通してきました。

     

     民泊新法では、ホテル・旅館業者など宿泊事業者らを苦境に陥れました。

     

     何しろ民泊事業者は、規制なし、監査なしの安全面が放置され、24時間管理体制が不在で、粗利益はホテル事業者が5%〜10%であることに対して、民泊事業者は60%〜70%にもなります。

     

     高い粗利益率を出しているのは、付加価値がつけられて高粗利益率になっているのではなく、24時間管理体制不在なので、警備員の配置が不要であったり、防災機器の設置が緩和されていたりするため、警備に関わる事業者の所得、防災に関わる事業者の所得が減少して、その分が民泊事業者の利益になっているだけの話です。

     

     デフレ化で民泊のような事業者が出てくれば、ホテルや旅館で宿泊する人は減るでしょう。所得が増えていない人は民泊を使うことを考えるでしょう。

     

     民泊を許可することによって、既存のホテル・旅館業者は売り上げが伸びにくくなり、従業員の賃金や増床の投資が抑制されます。

     

     また種子法廃止、農業競争力強化支援法、改正種苗法では、食糧安全保障強化とは真逆の方向に改革を行い、特に種子法廃止では、地方自治体が圃場を管理することを義務付けて予算を付け、農家に良質で低廉な種を供給してきたのですが、これが廃止。種苗法の改正でも苗について大手バイオ企業が知的財産権を届け出ることで、農家は高い種苗を買わざるを得なくなっています。種子法廃止、種苗法改正によって、ただでさえ収入が不安定な農家に対して、高コストとなる法改正が相次ぎ、農家を受け継ぐ人はいなくなっていくことで食糧安全保障は弱体化に向かっていくことでしょう。

     

     もちろん資金力が強大な商社などが、株式会社組織で農業をやるとしても、所詮株式会社組織であるため、儲からない穀物を作ることはしません。儲からない穀物とは、コメや小麦です。

     

     コメは100%関税で守られていますが、小麦は関税で守られておらず、スーパーで売られているパンや麺類など、多くの原料が米国産の小麦だったりします。

     

     穀物が作られないで儲かる農産物を作るというのは、株式会社組織にとっては好都合ですが、日本国民全体で考えれば、何かあった時、飢えて死にます。

     

     かつてのインドネシアがオランダの植民地支配で、穀物を作っていた畑を、ゴムやコーヒーなど儲かる農産物に作り替えられ、災害が発生したときに食糧不足に陥って餓死者が出たという歴史がありました。

     

     日本は戦後、食糧自給率が下がり続けてきたのですが、食糧自給率が低いということは、平時の時は外交で弱点となり、戦争時にはそもそも戦争ができる状態ではないということで、富国強兵とは真逆の弱小国を意味します。

     

     改正電気事業法でも、発送電分離が義務付けられ、発電会社と送電会社の役員兼務ですら禁止することによって、真に発電会社と送電会社が分離されます。

     

     かつては発電事業を送電事業を一緒に行うことで電力マンが停電があってもすぐに復旧させるということで、日本国内の電力の安定供給が実現できていたのですが、今後は停電があってもすぐ復旧しない国に落ちぶれていくことになるかもしれません。

     

     

     

    2.規制改革と民営化によって所得が失われるメカニズム

     

     その他、上述に上げたもののほか、改正水道法にせよ、スーパーシティ法にせよ、すべてデフレ促進政策であって、規制緩和が成長戦略どころか、成長抑制、成長鈍化政策であることに気付いていないのが恐ろしいです。

     

     結局のところ、菅総理の頭の中には緊縮財政がこびり付いていると思われます。

     

     総裁になる前に、消費税は将来引き上げるべきであると述べられていましたが、その言説こそ、緊縮財政を是としていることの証左です。

     

     緊縮財政を正しいとする人らは、規制改革を好みます。

     

     なぜならば、公務員を悪者扱いし、公務員がやっていた仕事を民間に任せれば、新たなビジネスが生まれると考えるからです。

     

     財政出動をせぬとも、新しい民間の事業者が雇用を創出すると考えるのです。

     

     でもよく考えていただきたいのですが、これはウソレトリックです。

     

     国や地方自治体が毎年1000億円で行っていた事業を、民間に委ねるとなれば、落札額は必ず1000億円以下になります。

     

    <規制改革の名の下、民営化をした場合の所得減少のプロセス>

     

     上図をご覧いただきたいのですが、A=1000億円だったとして、民間企業Bが800億円で落札したとします。

     

     すると200億円の予算が浮くことになります。

     

     企業経営や家計簿の発想では、200億円費用が削減できて”めでたしめでたし”と考えられるのですが、国家全体で見た場合、マクロ経済の発想では200億円所得が消失することを意味します。

     

     誰かの消費は誰かの所得です。

     

     役員報酬が200億円増えるように思いきや、消費者利益200億円あるように思いきや、株主の配当金が200億円あるように思いきや、C200億円の全額が消費されるとは限りません。

     

     一方で公務員として所得を得ていた人が所属していたAは所得を1000億円を失います。Bで雇用されたとしても、200億円は削減されてしまうのです。

     

     GDP3面等価の原則でいえば、支出200億円削減=生産200億円削減=所得200億円削減となります。

     

     私は日頃、経済学がクソ学問と貶めていますが、マクロ経済のGDP3面等価の原則だけは、鉄板の原則であり、例外なく支出と生産と所得は一致します。これは、簿記で借方と貸方が必ずバランスするというのと同じぐらい鉄板の原則です。

     

     このように考えてみますと、規制改革はデフレ促進であり、一見するとビジネスがしやすくなって、新たな雇用を生むと思われがちですが、上図をご覧いただければ、それがウソのレトリックであることを見破ることができるのではないでしょうか?

     

     

     

    3.デジタル庁の創設について

     

     日本経済新聞の記事では、デジタル庁についても触れています。

     

     背景としてアベノミクスの第三の矢の成長戦略について、目立った成果が出ていないからということがあるかもしれません。また新型コロナウイルスが収束に向かう中で、日本としてデジタルトランスフォーマーで出遅れてしまったと考えて、挽回する為にデジタル庁を作ったのかもしれません。

     

     しかしながら企業が設備投資を抑制しているのはなぜか?といえば、政府がデフレを放置しているどころか、デフレを促進させる政策ばかりやっているからです。

     

     経団連企業というのは、一部の大企業だけが属しており、経団連企業に名を連ねた経営者らも、目先の利益につながるかもしれない規制緩和が、長期的には日本に深刻なダメージを与えているということに気付いておらず、大企業ですらも設備投資は増やせていません。

     

     それは規制改革がデフレ促進策であることに気付いていないからです。

     

    <日本の対外直接投資、設備投資と法人税実効税率の推移>

    (出典:三橋貴明氏の新世紀ビッグブラザーの記事から引用)

     

     デジタル庁など創設していなくても、デフレ脱却ができていれば、企業はこぞってデジタル投資をします。

     

     設備投資が伸び悩んでいるのは”デフレだからである!”、この一言に尽きます。

     

     何しろデフレでは、他人資本(社債や借入などのデッドファイナンス)、自己資本(株式発行などのエクイティファイナンス)問わず、値段を下げなければモノが売れない、サービスを買ってくれないという状況ですので、投下した資金の回収がしにくい環境です。

     

     こういう状況で設備投資をするのは、経営者としては失格といえるでしょう。

     

     そのため、設備投資が伸び悩んで、規制改革や自由化で新たなビジネスで稼いだお金を投資に回さず、内部留保が積み上がるというのは、当然の帰結といえるのです。

     

     

     

     というわけで今日は「菅内閣は安倍政権以上に規制改革というインフレ対策に邁進するのでデフレ脱却に失敗するでしょう!」と題して論説しました。

     菅内閣がやろうとしていることは、人間の体に例えれば、デフレという病に犯され、健康に悪い状況のところに、青汁というデジタル庁という政策を打とうとしているに等しいです。

     青汁は確かに体にいいですが、それよりも暴飲暴食を辞めるべきであって、暴飲暴食の状態のところに青汁をいくら飲んでも、その人は健康になることはありません。

     それと同じで、デフレ脱却を促進させる行政改革を悪しき前例踏襲として行っていくならば、青汁のデジタル庁創設など、何ら意味を持たないどころか、デジタル庁を創設してもデフレ脱却には何も資することはないのです。


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