米国議会、トランプ政権の制裁よりも厳しい永世中立国スイスによる中国高官への金融制裁

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     皆さんは、スイスという国が永世中立国であるということをご存知でしょうか?

     非常に有名な話として、世界のマフィアや、麻薬やテロなど犯罪に絡むお金、日本ではもしかしたら振り込め詐欺でだまし取られたお金などの犯罪によって得たお金は、スイス銀行であれば預けることができます。このようなマネーロンダリング以外でも、違法すれすれの国際租税をすり抜けたお金持ちの人らが、自国で課税されないように資産を逃避させる場所としてもスイス銀行が使われます。

     ところがそのスイス銀行で、中国共産党政府の幹部、高官らの資産について、凍結しようとする動きがあります。

     

     そこで今日は「米国議会、トランプ政権の制裁よりも厳しい永世中立国スイスによる中国高官への金融制裁」と題して、スイス銀行の金融制裁について論説します。

     

     

     スイスという国は、第一次世界大戦、第二次世界大戦でどちら側にもつかず、米国側に立ったことがないという歴史的な事実があります。

     

     多くの国々は、世界の覇権国で基軸通貨国の米国とつながりを深く持とうとしますが、スイスは永世中立国を貫き通し、米国側に立ったことは米ソ冷戦を含めても一回もありません。

     

     例えば米国政府やFBIが、スイスに対して、スイス銀行の顧客情報を提供せよ!と要求しても、毎回拒否しています。日本の警視庁がスイス銀行へ同様の要求をしても拒否されるのと同様です。

     

     その結果、テロ資金や麻薬で得た資金、振り込め詐欺などで得た資金など、日本でいえば反社会的勢力らは、スイスの銀行であればお金を預けられるということで、マネーロンダリングした資金をスイスの銀行で安心してお金を預けることができるのです。

     

     もちろんウイグル人を捕まえ、生きたまま臓器を摘出するという臓器移植によってお金を儲けしている中国共産党幹部も、その臓器移植で稼いだお金を、スイスの銀行に預けて隠し持っています。

     

     ところがこの状況が変わってきました。

     

     下記はスイスのチューリッヒに本社があるFinews.comというサイトの記事です。

    (出典:Finews.com)

     

     上記は2020/08/06に「スイス銀行は最終的に香港におけるビジネスから離れようとしているのか?」という見出しで配信された記事です。

     

     赤線部分について和訳しますと、まず、2020年11月に行われるスイスの国民投票が行われます。その中で、スイス国内の企業が、海外事業によって人権侵害を引き起こしているか否か?責任を企業に負わせることについてを問う国民投票が行われるという趣旨のことが報じられています。

     

     その海外事業というのは香港での活動も含まれます。

     

     何が言いたいか?といえば、国家安全法制定によって香港でとんでもない人権弾圧が発生し、それはウイグルの人権弾圧も含みます。

     

     スイスは、スイスの国内企業に対して、そうした人権弾圧に加担しないことを義務付けることについて、2020年11月に行われる国民投票で問います。

     

     即ちスイス国内で、企業の社会的責任として人権弾圧について責任を負わせようという動きがあるのです。

     

     これに先立ち、スイスのカシス外務大臣が中国を批判しました。

     

     スイスが永世中立国であることをお伝えしましたが、スイスが永世中立国になったのは、1815年です。

     

     ナポレオン1世がエルバ島に流刑された後、フランス革命とナポレオンによって生じた混乱を収束させるべく、新たな国際秩序を確立するため、1814年からウィーン会議が開催されて、エルバ島から帰還したナポレオンがワーテルローの戦いで滅びる1815年にスイスは永世中立国に認定されました。

     

     それ以来、2回の世界大戦、米ソ冷戦、いずれもスイスは参加せず、介入せず、どちらの味方にもなりませんでした。海外の国々の政治にも口出しせず、批判もせず、永世中立国の立場を長年守り続けてきたスイスの外務大臣のカシスが、中国を批判したというのは、かなり異例なことです。

     

     カシス外務大臣は明らかに中国共産党によるウイグル人弾圧のほか、チベットや香港での弾圧について批判しているものであり、そうした人権弾圧に関与している中国高官と取引をしているスイスの国内銀行に対して、資産を凍結することを検討していると考えられます。

     

     実際にスイス民間銀行の大手、UBSには、中国共産党幹部や高官ら、7.8兆元(120兆円弱)相当もの預金があるとされており、もし2020年11月にスイスの国民投票で、「企業の社会的責任」がスイス企業に義務付けられることが可決した場合、UBSの中国共産党幹部の120兆円弱もの預金は凍結されることになるでしょう。

     

     この制裁は、国家安全法制定に関与した中国高官、香港高官らに対する米国の香港自治法による制裁よりも、かなり厳しい制裁で、中国共産党幹部は怯えているのではないか?と私は考えます。

     

     というのもスイスは金融業が中心の産業国で、他国のグローバル金融機関と同様に、銀行間取引SWIFT、CHIPSという国際決済ネットワークに加盟しています。

     

     米国の香港自治法という制裁法案は、香港の自由と民主主義を弾圧している中国高官、香港高官ら直接関与する人間に加え、その背後にいる中国人を個人的に制裁し、さらにそうした人と取引している銀行にも制裁します。

     

     銀行への制裁を具体的にいえば、国際決済システムのSWIFT、CHIPSから除外するということです。

     

     例えばUBSが、この国際決済システムからの除外されるとなれば、UBSは金融機関にとって死んだも同然となります。何しろ国際決済手段ができないため、貿易や証券投資の決済など、あらゆることができなくなってしまうのです。

     

     スイス政府は、スイスの銀行がSWIFT、CHIPSからの除外されてしまうことが死を意味し、どれほど重要か?を理解しており、今回は米中戦争で米国側に立つことを鮮明にしたといえるでしょう。

     

     このまま来たる2020年11月に投票予定の、企業の社会的責任を負わせる国民投票が可決された場合、中国共産党の高官らの120兆円弱の資産はスイスの銀行には置いておけなくなることになります。

     

     一部では120兆円弱の資産を没収して、新型コロナウイルスパンデミックでの賠償金として使われるなどの話もあるようですが、現時点ではメディアなどで報道の確認はできておりません。

     

     今、はっきりわかっていること、それは2020年11月に永世中立国のスイスで、中国の厳しい制裁につながるかもしれない大事な国民投票が行われる予定があるということです。

     

     

     

     というわけで今日は「米国議会、トランプ政権の制裁よりも厳しい永世中立国スイスによる中国高官への金融制裁」と題して論説しました。

     中国の国家安全法制定に対する報いが、米国の香港自治法ということになりますが、この香港自治法は、ものすごい威力がある法律であることがご理解いただけたのではないでしょうか?

     海外メディアの「Finews.com」の記事をご紹介しましたが、本件では香港の民主化運動をやっているジミー・ライ氏が経営するメディアのアップル・デイリー社も、永世中立国のカシス外務大臣の中国批判やスイス銀行の国民投票について報じています。

     日本のマスメディアでもいずれ報じられると思いますが、米国政府の香港自治法制定により、欧州各国もまた厳しい制裁で中国共産党に対して鉄槌を下そうとしていることを、改めて多くの日本人に知っていただきたいと私は思います。

     

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